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白山:アーカイブ

白山ユネスコエコパーク協議会の参与メンバーとなりました

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協議会で挨拶する渡辺OUIK所長

白山麓はユネスコエコパークとして(英語名:UNESCO Man and the Biosphere progaramme / Biosphere Reserve)1980年にユネスコにより認定されています。白山市は、白山手取川ジオパーク推進協議会事務局とユネスコエコパーク事務局を兼務しており、これは世界的にも珍しいケースとのことです。2016年白山エコパークにおいて移行地域の拡張申請を行うにあたり、白山地域を構成する4県7市村の自治体が中心となって2014年1月に協議会が発足しました。OUIKは2015年8月から協議会の参与として正式に就任し、エコパーク認定地域の計画見直しや承認プロセスについての情報収集や啓発普及のお手伝いをさせて頂くことになりました。

白山エコパーク協議会3

山田白山市長(左)から白山の自然と文化について伺いました。

 

2015年5月12日の第3回協議会の開催にあわせて、協議会会長である山田白山市長に、渡辺OUIK所長より参与メンバー就任のご挨拶をさせていただきました。ご自身も白山麓の出身である市長からは、白山の自然と文化について貴重なお話をたくさん伺うことができました。これからも地域が自然と共生するエコパークの理念を守りつつ白山麓の地域創生のお手伝いが出来ればと思います。

OUIK 生物文化多様性シリーズ#4 「地図から学ぶ北陸の里山里海のみかた」

OUIK初のマップブックとして、北陸地方の里山里海の現状や変化、多様な見方を地図から学ぶ教材を発刊しました。北陸地方(石川、福井、富山、新潟、岐阜)のスケール、石川県のスケール、七尾湾のスケールといったマルチスケールでの地図情報をまとめています。(PDF:95MB)

関連ページ(Collections at UNU)  http://collections.unu.edu/view/UNU:6540

国際ワークショップ白峰2018「多様な関係者とつくる山岳ユネスコエコパークの大学教育」の開催報告

MP020180331チラシ

 

国際ワークショップ白峰2018 「多様な関係者とつくる山岳ユネスコエコパークの大学教育」 開催報告

日時 : 2018年3月31日(土) 14:00-16:30
場所 : 「与平」※江戸時代に築造された古民家(特定非営利法人白山しらみね自然学校)

共催:国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)、特定非営利法人白山しらみね自然学校、白山ユネスコエコパーク協議会、金沢大学国際機構
協力:石川県白山自然保護センター

スコットランドの山岳研究者である、マーティン・プライス氏(2018年3月~4月、日本学術振興会・短期外国人招へい研究者として来日。受入機関:筑波大学山岳科学センター)を招き、総勢24名の参加を得て、国際ワークショップ白峰2018が開催されました。

14:00-14:10 趣旨説明(会場説明)
ワークショップの冒頭、コーディネーターを務める飯田義彦(国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット)から、ワークショップの趣旨説明を行い、ユネスコエコパークの3つの機能の一つである人材育成活動(とくに大学教育)を多様な関係者とどのようにつくっていくかという問題提起が行われました。続いて、共催者である特定非営利法人白山しらみね自然学校の山口隆氏から会場の「与平」(江戸時代に建造された古民家)と自然学校の活動を紹介していただきました。

14:10-14:50 ミニ講演「スコットランドのユネスコエコパークとハイランズ・アイランズ大学の活動紹介」
マーティン・プライス氏(ハイランズ・アイランズ大学教授)からは、スコットランドのユネスコエコパークの事例として、ガロウェイ・南アイアシャユネスコエコパーク(移行地域でのロゴマークを活用して牧畜、漁業産物のブランディングを支援する取組みが行われている)、ウェスターロスユネスコエコパーク(山岳と沿岸域のランドスケープが一体的に指定)が紹介されました。さらに、ハイランズ・アイランズ大学の紹介があり、この大学はイギリスの中でもユニークな存在であり、9つの職業訓練校と3分野の専門家養成学校(漁業、ケルト文化、神学)、海洋科学研究センターの13の機関から構成されるパートナーシップで運営されています。オンラインでの遠隔教育プログラムを主に実施しており、学生のほとんどはスコットランドからの出身者で、30代以上の職業を持った社会人も多く学んでいます。ウェスターロスユネスコエコパークを対象とした調査研究も行われています。2017年~2020年には、EUの支援を受けて、スコットランド、ノルウェイ、フィンランド、アイスランド、グリーンランドの各サイトが連携して、持続可能なエコツーリズムを推進するプロジェクトが実施されています。

14:50-15:50 事例紹介
白山ユネスコエコパークからの話題提供として、まず、高崎英里佳氏(白山ユネスコエコパーク協議会事務局)から、白山ユネスコエコパークの特徴、登録の経緯や運営体制、これまでの国内外のユネスコエコパークやユネスコ関係者とのネットワーク活動の紹介がありました。

続いて、栂典雅氏から石川県白山自然保護センターの取組紹介があり、環境省モニタリングサイト1000の一環として行われている高山帯調査の概要が解説されました。また、1981年から開設しているブナオ山観察舎での野生動物のモニタリング活動、2004年からボランティアと協働した外来植物除去活動や状況変化を知るためのモニタリング活動が紹介されました。小川弘司氏からは、1981年から継続して実施されてきた白山山頂部の千蛇ヶ池雪渓の長期モニタリング活動が紹介され、経年変化の様子が共有されました。

アイーダ・ママドヴァ氏(金沢大学国際機構)からは、留学生センターで2015年度から行われてきた金沢大学の地域学習の取組が紹介されました。生物文化多様性の視点からの教育の意義、地域コミュニティでの合宿形式の学生教育の成果が紹介されました。こうしたプログラムには、留学生の関心が高いものの、日本人学生の関心が低いことが課題として提示されました。加えて、ロシアの4つのユネスコエコパークの様子が紹介されるとともに、今後のロシアとの学生交流プログラムについて紹介がありました。

15:50-16:30 意見交換
意見交換の時間では、参加者同士の交流を深めることをねらい、ご参加いただいた環境省白山自然保護官事務所、NPO法人環白山保護利用管理協会、筑波大学等山岳学位プログラム、金沢大学能登学舎(能登里山里海マイスター育成プログラム)、三重大学フューチャーアース学講座、白山手取川ジオパーク推進協議会、イオン環境財団などの参加者から、簡単な活動紹介と本ワークショップのテーマである大学教育へのコメントをいただきました。

参加者からは、自然保護の取り組みや地域の実状を知ってもらう入り口として大学教育が果たす役割が大きいこと、また研究機関としての大学の貢献への期待感が表明されました。さらに、今回、筑波大学、金沢大学、三重大学などの大学関係者が参加したこともあり、各地の大学が草の根レベルでつながっていくことの重要性が参加者間で確認されました。

最後に、共催者として山下浩雅氏(白山ユネスコエコパーク協議会事務局長/白山手取川ジオパーク推進協議会事務局長)から閉会の辞をいただきました。

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なお、マーティン・プライス氏の通訳を終始していただいた、ダニエル・ヘリオット氏(白山市国際交流員)には格別のご協力をいただきましたこと感謝いたします。

 

報告:飯田義彦(UNU-IAS OUIKリサーチアソシエイト/ 白山ユネスコエコパーク協議会事務局アドバイザー )

 

 

第7回東アジアユネスコエコパークネットワーク(EABRN)ワークショップ参加報告

第7回東アジアユネスコエコパークネットワーク(EABRN)ワークショップが開催され、飯田義彦研究員が参加しました(表紙写真は、韓国MAB国内委員会提供)。

2017年9月4日(月)~9日(土)には、中国科学院植物研究所にて「Biodiversity Infomatics in Big Data Era」(ビッグデータ時代の生物多様性情報学)と題して、アジア17カ国総勢47名(ウズベキスタン(1)、タジキスタン(2)、カザフスタン(2)、モンゴル(2)、パキスタン(3)、インド(1)、バングラディッシュ(1)、スリランカ(1)、フィリピン(3)、タイ(2)、ベトナム(3)、ネパール(2)、マレーシア(1)、インドネシア(1)、韓国(6)、中国(15)、日本(1))が参加しました。

研修では、Keping Ma氏(中国科学院植物研究所教授)から、生物多様性保全のための生物分類学とアジアスケールでの情報共有の重要性についての講義に始まり、同植物研究所の研究者を講師陣に招いた具体的な話題提供が行われました。講義でのインターネットを活用した標本データベースの構築、ITやリモートセンシング技術を活用した森林域の動植物のモニタリング方法などの学習をふまえ、森林生態系長期モニタリングサイトでの実際の取組み事例についても現地実習が行われました。9月9日(土)には、前ユネスコ生態地球科学部長、Qunli Han氏からユネスコエコパークの取組みについての講義が行われました。中国編のワークショップは、ユネスコ北京事務所の協力の下、第7回EABRNワークショップと連動しての参加となりました。

DSCN0044併設の植物園

DSCN0323北京森林生態系長期モニタリングサイト(Donglingshan 20-ha forest dynamic plot)での研究紹介

 DSCN0708Qunli Han氏によるユネスコエコパークの講義

DSCN0718 Keping Ma氏から修了生への挨拶

2017年9月11日(月)~14日(木)は、舞台を中国から韓国に移し、ロシア(2)、カザフスタン(2)、モンゴル(2)、日本(1)の4カ国7名が参加し、韓国北部のGwangneung Forest ユネスコエコパーク、Soraksan ユネスコエコパークを視察しました(主催:韓国MAB国内委員会、ユネスコ北京事務所)。前者では、森林保護区でのマツ枯れ、ナラ枯れ対策の現状についての現場実習、後者では、国立公園のガバナンスの概要を始め、ビジターセンターや国立標本館の見学、野生動物(昆虫や哺乳類など)の保護・保全・モニタリングの実践的な活動についての解説、現場見学がありました。Soraksan ユネスコエコパーク(韓国国立公園局Species Restoration Technology Institute)でのGoral属(カモシカの近縁種)の保護保全活動に関する質疑応答の中で、飯田研究員からは日本の獣害問題について言及し、韓国でも同様な問題が起こっており、両国間での共通課題であることが共有されました。また、Soraksan ユネスコエコパークでは、「市民カレッジ(Citizen College)」という一般市民とユネスコエコパークとをつなぐ事例として連続講座の概要や修了生のネットワーク活動について紹介されました。

ナゥア篌ッネッ_IMG_0710森林プロットでの昆虫モニタリングの実施状況(写真:韓国MAB国内委員会)

DSCN1110Soraksan ユネスコエコパークでの韓国国立公園局Species Restoration Technology Instituteが進めるGoralの保全活動について説明を受ける

なお、本国際ワークショップへの参加にあたっては、ユネスコ北京事務所(Beijing Office, UNESCO)の支援を受けました。

開催報告「「世界ネットワークを通じた学びあいと生物文化多様性の保全―ユネスコエコパークの事例から考える-」

2016年5月11日(水):生物文化多様性シリーズ#2「白山ユネスコエコパーク-ひとと自然が紡ぐ地域の未来へ-」刊行記念イベント

ユネスコ本部(フランス・パリ)からNoëline Raondry Rakotoarisoa氏(ユネスコ生態地球科学部MABネットワーキングセクションチーフ)が国連大学サステイナビリティ高等研究所(東京都渋谷区)を訪問し、当日に開催された国際シンポジウム「世界ネットワークを通じた学びあいと生物文化多様性の保全―ユネスコエコパークの事例から考える-」に登壇しました。

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(左:竹本和彦IAS所長、中央:Noëline Raondry Rakotoarisoa氏、右:渡辺綱男IAS-OUIK所長)

ノエリン氏は、日本全国8ヶ所のユネスコエコパーク実務担当者らとともに、世界との学びあいに向けて日本がどのようなことが貢献できるかについて意見交換を図りました。

シンポジウムでは、飯田義彦OUIK研究員から、「世界ネットワークとの学び合いに向けたアプローチ-国連大学OUIKブックレット  『白山ユネスコエコパーク』が目指すところ」と題して、また、中村真介氏(日本ユネスコエコパークネットワーク運営ワーキンググループメンバー/ 白山ユネスコエコパーク協議会事務局員)からは「世界のユネスコエコパークとつながる-第4回ユネスコエコパーク世界大会での発信」と題して話題提供があり、国連大学OUIKと地域のステークホルダーが協働しているユネスコエコパークの事例として取組が共有されました。

今回、初来日となったノエリン氏からは、日本のユネスコエコパークの経験が世界ネットワークにとっても多くの教訓となるものである、とのコメントを頂きました。

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(文責:飯田義彦)

 

「白山開山1300年記念『山の日』シンポジウム in 郡上」にて特別講演

(写真提供:岐阜県)

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「白山開山1300年記念『山の日』シンポジウム in 郡上」(主催:岐阜県、郡上市、共催:白山ユネスコエコパーク協議会、後援:一般財団法人全国山の日協議会)が開催され、OUIK飯田義彦研究員が特別講演として登壇しました。

場所:郡上市総合文化センター文化ホール(岐阜県郡上市八幡町)

日時:2017年7月7日(金):シンポジウム、7月8日(土):エクスカーション

会場には、合わせて約750人が集まり、そのうち岐阜県内の高校生(岐阜農林高等学校環境科学科、森林科学科、加茂農林高等学校森林科学科、郡上高等学校森林科学科、食品流通科、総合学科)が310名参加しました。

シンポジウムでは、岐阜県知事、郡上市長の挨拶にはじまり、記念講演として、涌井史郎氏(岐阜県立森林文化アカデミー学長)から「スピリチュアル・ランドスケープ(精神的標)の象徴 白山」と題して講演が行われました。

飯田研究員(白山ユネスコエコパーク協議会事務局アドバイザー兼務)からは、「白山ユネスコエコパークの意義と今後の可能性~環白山の視点から」と題して、生態系保全と人の暮らしの調和を目指すユネスコエコパークの考え方や認定基準、加えて、OUIKブックレット生物文化多様性シリーズ#2 『 白山ユネスコエコパーク ー人と自然が紡ぐ地域の未来へー』の各論考に基づいて、白山の自然、文化、環白山地域の取組事例について話題提供を行いました。合わせて、ユネスコ関係者による白山ユネスコエコパークへの訪問の様子についても写真を交えて紹介しました。今後、白山ユネスコエコパークには、若手人材の育成と参画が継続的に進められていく素地と可能性があることを提起しました。

7月8日には、郡上市石徹白地区を中心にエクスカーション(石徹白まちづくり協議会協力)が行われ、白山古道トレッキングコースでは、古道再生プロジェクトが進む山道や白山中居神社を訪れ、白山信仰や自然と暮らしとのつながりについて理解を深めました。

第10回東南アジアユネスコエコパークネットワーク会議への招待参加

「第10回東南アジアユネスコエコパークネットワーク会議」(10th Southeast Asia Biosphere Reserves Network (SeaBRnet) Meeting)が開催され、OUIK飯田義彦研究員がユネスコ・ジャカルタ事務所(JFIT拠出金)の支援を受け、招待参加しました。

期間:2017年5月16日(火)~17日(水)(参加は、16日のみ)

場所:インドネシア、ジャカルタ

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本会議には、東南アジア各国やユネスコなどの関係機関から約40名ほどが参集し、5月16日(火)には、飯田研究員が「Roles and challenges of local implementation for UNESCO science program: A case of Japanese BRs」(ユネスコ科学プログラムの地域展開の役割と課題:日本のユネスコエコパークの事例から)と題して基調講演を行いました。

日本のユネスコエコパークの概要を紹介するとともに、2016年度に白山ユネスコエコパーク協議会とOUIKが共同実施した「ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画における実務者交流を促進するアジア型研修プラットフォームの創出事業」(平成28年度政府開発援助ユネスコ活動費補助金:文部科学省)の取組成果を共有し、本会議の議論形成に貢献しました。

続いて、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、東チモール、ベトナムの各国の取組状況が紹介され、ジオパーク、水文プログラム、世界遺産などのユネスコ科学プログラム間の連携に関するセッション(座長:飯田義彦研究員)が行われました。

なお、詳細は、ユネスコ・ジャカルタ事務所Japanese Funds-in-Trust (JFIT) のページで参照できます。

【開催報告】SDGsダイアローグ第5回 国際シンポジウム 都市景観をグリーンインフラから考える−金沢市における活用と協働

今年2018年に「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」の施行50周年を迎えた金沢市で、都市景観をグリーンインフラから考える国際シンポジウムを、金沢大学地域政策研究センター主催、金沢市、国連大学サステイナビティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット、一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団の共催で開催しました。

金沢らしい景観から、グリーンインフラを読み解く

グリーンインフラとは、多機能性という視点から自然を再評価することによって、持続可能な社会形成を目指した土地利用計画のこと。
「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」が施行されたのは、高度経済成長期の真っ只中でした。開発が最優先だった当時、伝統環境保存という景観政策を始めたことは、とても先進的なことでした。
この条例によって、金沢らしい町並み・景観のなかに埋め込まれている斜面緑地、用水、川筋景観、寺社景観、庭園などが保全・再生されてきたのです。
「金沢の都市景観をグリーンインフラとしてとらえ直すことができるのではないか」
これは今回のシンポジウムの目標の一つでもあります。

石川県庁19階展望ロビー

石川県庁19階展望ロビー

エクスカーションでは金沢市内を視察しました

エクスカーションでは金沢市内を視察しました

 

 

 

 

 

 

このシンポジウムに先立って、前日にはエクスカーションとして、金沢市内の用水や庭園、斜面緑地などを、登壇者の皆さんが見て回り、金沢の都市景観をさまざまな角度から眺め、感じてもらうことができました。

辰巳用水が潤す兼六園を曲水の流れに沿って散策

辰巳用水が潤す兼六園を曲水の流れに沿って散策

卯辰山から金沢の地形を俯瞰する一行

卯辰山から金沢の地形を俯瞰する一行

 

 

 

 

 

 

まずは、世界の最先端事例から学ぶ

シンポジウムは3部で構成し、第一部は「グリーンインフラを学ぶ」と題し、次の3氏から発表がありました。

西田貴明氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

多機能性ということから自然を考えて、人口減少時代に持続可能な社会形成を目指した土地の利用の方法や動向など、国内外のさまざまなグリーンインフラの事例を紹介。

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福岡孝則氏(東京農業大学)

住みやすい都市をつくるため、今ある用水とか駐車場とかを使うという視点も大切であることや、グリーンインフラとは地域ごとに定義されるものであるべきと提案。

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宋泳根氏(ソウル大学)

ソウル市の都市のグリーンインフラや、自身がかかわってきた取り組みを紹介。ソウルでは大がかりなプロジェクトもスピード感を持って取り組み、成果を出していると説明。

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金沢らしいグリーンインフラの可能性を探る

第二部は「金沢の都市景観をグリーンインフラから考える」ということで、おもに金沢のグリーンインフラに関する研究や取り組みを4氏が発表しました。

上野裕介氏(石川県立大学)

金沢市の防災・環境・経済からみるグリーンインフラに関する報告。グリーンインフラによって犯罪の抑止や教育にも関係してくるなど、意外な効果も紹介。

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飯田義彦氏(国連大学IAS-OUIK)

水、食、工芸といった金沢の暮らしは、自然資本をよりどころにしていること、そして、用水はインフラとしても機能し、社会構造と歴史が密接にかかわっていることなどを紹介。

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ファン・パストール・イヴァールス氏(国連大学IAS-OUIK)

庭園も空き地も所有者だけでは維持管理できなくなりつつあり、持続可能な保全活動の必要性と協働的な管理について紹介。SDGsのゴール11、ゴール15、ゴール17と連動して実現していくことを提案。

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エマニュエル・マレス氏(国立奈良文化財研究所)

日本庭園の歴史研究の視点から、日本庭園を起点に置き、周辺部とのグリーンインフラ的なつながりを探求。庭園は都市と密接な関係があり、庭園を活用する考えの新鮮さに言及。

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菊地直樹氏(金沢大学)

自然の多機能性を軸にした持続可能性の実現、特に都市景観に注目してグリーンインフラとして活用するためには、取り組みを進めながら評価と見直しをする順応的ガバナンスが必要であるという話。

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グリーンインフラの最先端都市を目指す

第三部は「ラウンドテーブル」。コメンテーターに岡野隆宏氏(環境省)、舟久保敏氏(国土交通省)、土肥真人氏(東京工業大学)、佐々木雅幸氏(同志社大学)を迎えて、「都市景観をグリーンインフラとして活用する」について、椅子を放射状に並べ直して、参加者が顔を見合わせながら発言していきました。

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グレーインフラとグリーンインフラの比較、自然保護や自然保全をグリーンインフラという言葉に置き換えるメリット、グリーンインフラへの理解を深めてもらうためには、その多機能な効果の可視化をしないといけないなど、盛りだくさんな意見が出ました。

ラウンドテーブルでの対話

ラウンドテーブルでの対話

会場からも活発な意見が出ました

会場からも活発な意見が出ました

 

 

 

 

 

 

また、金沢のグリーンインフラについては、金沢は400年前からグリーンインフラをやってきた先進的な都市であることや、その一方で、近年、中心部では空き家も増え、グリーンインフラ的計画を進めていく必要性などを議論し、それは歴史都市・金沢でこそやるべきだという意見が出ました。そして、金沢はグリーンインフラの最先端都市になれるのではないかという期待の声も上がりました。

石川県庁19階展望ロビーから望む金沢市中心部

石川県庁19階展望ロビーから望む金沢市中心部

エクスカーションで訪れた長町・西家庭園(非公開)

エクスカーションで訪れた長町・西家庭園(非公開)

 

 

 

 

 

 

SDGsダイアローグシリーズとしては、さまざまなアイデアを共有しながら、世界共通で持続可能な町づくりをしていくための、都市計画論、グリーンインフラ論をここ金沢から発信していきたいと考え、このシンポジウムがその最初の一歩となった手ごたえを感じています。

グリーンインフラとは、社会のさまざまな課題と結び付けて自然の問題に取り組んでいくものでもあります。そのことが、ひいては自然のためにも新しい展開へとつながります。
そしてグリーンインフラを推進していくためには、皆さんが持ち味を生かし、ひとり一人が主役となれる、そんなパートナーシップをどう作っていくかということが重要です。
OUIKもそのようなパートナーシップづくりのお手伝いをできればと思っており、これからも金沢ならではのグリーンインフラを皆さんと一緒に掘り下げていければと願っています。

シンポジウムご参加の皆さん

シンポジウムご参加の皆さん

OUIK生物文化多様性シリーズ#2「白山ユネスコエコパーク」ウェブ版の刊行

OUIK生物文化多様性シリーズ#2「白山ユネスコエコパーク」-人と自然が紡ぐ地域の未来へ-のPDF版が刊行されました。こちらのページよりダウンロードいただけます。この本は、白山ユネスコエコパークの移行地域の拡張登録申請が3月のユネスコエコパーク世界大会で承認されたことを記念して、OUIKがユネスコと4県7市にまたがる自治体をつなぎ地域の生物文化資源の学びと発信のために提案したものです。今後はこの冊子を使った学びのあり方、他地域との交流などさまざまな可能性を地域の方々と一緒に模索してゆきたいと考えています。

リマ(ペルー)で開催されたユネスコエコパーク世界大会の報告白山ユネスコエコパークの移行地域の拡張登録承認の記事もあわせてご参照ください。

ユネスコ国内委員会フェローの来訪

日本ユネスコ国内委員会では、昭和40年より、毎年5名程度、アジア太平洋地域のユネスコ国内委員会職員等を招へいし、日本国内のユネスコ活動を行う機関やその他教育、科学、文化施設への訪問を通じて、日本のユネスコ活動に対する理解増進に資する研修機会を設けています。今年はドイツ、マレーシア、中国、韓国、タイから5名のフェローが来日し、日本国内の先進的取り組みを視察しました。

一行は金沢市のユネスコ創造都市ネットワークに関する取り組みと白山ユネスコエコパークの活動地を訪れる合間に、OUIKを訪問しました。石川県には上記以外にも国際認証を受けた地域や遺産が多くありそれらの相乗効果、そして金沢とその他の周辺地域を生物文化多様性というキーワードでつなぎ生物文化多様性の統合的な保存プラットフォームを目指す石川ー金沢文化多様性圏についてお話をさせていただきました。

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