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世界農業遺産スタディ・ビジットプログラム 能登現地研修 

今年度から、石川県内の大学生を対象に能登の里山里海GIAHSを通して国際的な視点を持つ若者の育成と地域への貢献を促進することを目的に世界農業遺産(GIAHS)スタディ・ビジットプログラムが石川県と国連大学OUIKの共同プログラムとしてスタートしました。 

7月に開催された第一回講義に続いて、89日~10日の12日の日程で世界農業遺産「能登の里山里海」について学ぶ現地研修が行われ、今回も石川県内の大学生の7名が参加しました。  

一番目の訪問先は、能登の世界農業遺産のシンボル的な存在になっている白米千枚田です。まずは、白米千枚田愛好会の小本さんに現状や課題、そしてオーナー制度や観光地として活用していくための様々な取り組みについて説明していただきました。県内の学生さんでも白米千枚田に来たことがなかった学生さんがほとんどで、「海の塩分の稲作への影響はないのか?」など積極的に質問も出ていました。潮風に含まれる適度な塩分や伝統的な稲架干しがお米を美味しくしていることなどを教えて頂きました。事前に学生さんから「米作りに関わる作業を体験したい」とリクエストを受けていたので、千枚田で草刈り作業も体験させてもらいました。非常に暑い日だったので短い時間ではありましたが、鎌を使った作業を体験しました。 

昼食後は、イカの魚汁(いしる)を作っている舳倉屋さんを訪問しました。まずは、イカの内臓と塩を使用して魚汁を作るプロセス、そして加工業で発生する内臓を有効利用し、魚汁絞り後の残渣も再活用するSDGsに基づく取り組みが紹介されました。その後、実際に魚汁を味見し、イカを捌き魚汁で漬けるという体験をしました。魚汁を口にするのも、イカを捌くというのも初めての経験という学生が多かったです。 

 

次に、能登の獣害やジビエの活用について学びたいという学生さんからのリクエストに応えて、輪島市有害鳥獣処理施設を訪問しました。まずは、センター長の宮地さんから能登のイノシシ捕獲頭数の推移や捕獲されたイノシシがどのように処理されているのかの説明を受け、実際に処理施設も見せてもらいました。続いて、狩女の会の福岡さんからイノシシを食肉としてだけでなく、皮も革製品に利用するなど命を無駄なく活用するために取り組んでいる様々な活動についてお話し頂きましました。 

その後、宿泊先の新橋旅館に移動し、ワークシップを行い、中間発表に向けてテーマごとのグループに分かれて学習内容の整理や議論を行いました。 

2日目は同じく輪島市内の里山まるごとホテルを訪問しました。集落散歩や野菜収穫体験などもさせて頂きながら、山本さんがこれまで里山まるごとホテルで取り組んできたことそして地元の谷内さんからも地域の暮らしや文化についてお話し頂きました。その後自分達が取ってきた野菜も調理していただいた里山まるごと定食を堪能しました。 

昼食後には七尾市に移動し、定置網漁を行っている鹿渡島定置を訪問しました。船頭の新田さんから定置網漁の歴史や仕組み、メリットやデメリット、そして持続可能な定置網漁を行うために取り組むべき内容などのお話をして頂きました。お話の後には、漁師さんからロープワークも教えて頂きました。船にも乗せて頂き、里海の美しい景観を堪能しました。 

 

 

 

最後に、のと里山里海ミュージアムを訪問し、能登の里山里海の全体像、そして、その中に含まれている様々な要素について、映像を見たり、実際に展示物に触れたりしながら学びました。 

あっという間の2日間でしたが、これまで学んできた能登の里山里海について実際に地域の方から直接お話を聞き、自分の目で見て触れて味わって、五感をフルに使って学ぶことができたのではないでしょうか 

今回の研修で学んだことを踏まえてグループごとに発表内容を取りまとめ、8月末には中間発表会が開催され、9月のイタリア研修への準備を進めていきます。 

 

 

 

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