国連大学の小山研究員は、中国浙江省で開催された第7回東アジア農業遺産学会(ERAHS)に参加した後、長年中国でトキの保全や野生復帰に関わってきた浙江大学の席咏梅先生を訪問しました。席先生は1998年に中国から日本にトキのペア「友友・洋洋」が贈られた際に一緒に来日し、佐渡で人工繁殖に取り組んだ方です。中国では複数のエリアでトキの野生復帰が進んでおり、日本国内でもトキを病気や環境の変化から守るために、複数の地域でトキの野生復帰を進める必要性があると学びました。
そして、トキの繁殖や再導入の取り組みが行われている浙江省湖州市徳清県の下渚湖国家湿地公園にも連れて行って頂きました。公園内の繁殖施設での繁殖は順調に進み、2014年にこの地域で放鳥をスタートして以来、野生個体数も順調に増え現在は280羽を超えているそうです。国内外の先進地域に学びながら、トキの放鳥候補地に選ばれた能登半島での取り組みをサポートしていきたいと思います。