国連大学OUIKと能登SDGsラボ、イフガオ国立大学GIAHSセンターが連携して進めている能登とイフガオの世界農業遺産(GIAHS)地域の子ども達の交流ですが、今年度第3回目の小学校の交流が2月22日にオンラインで行われました。今回は地域の踊りや太鼓の紹介をテーマに交流しました。
まず、正院小学校の児童が伝統的な太鼓や笛を発表しているビデオを紹介し、お祭りで着る衣装の紹介、笛の実演などがありました。太鼓の音は雨を表していて、雨乞い太鼓であることや、衣装の裾には鈴がついていて、お祭りの日には町中で鈴の音が聞こえることなども教えてくれました。
ナヨン小学校の児童からは地域に伝わる伝統的な踊りと衣装の紹介がありました。
事前に録画しておいてくれた児童が踊る伝統の踊りのビデオを見てから、オンラインで踊り方の解説などをしてもらいながら、正院小学校の児童も一緒に踊ってみました。伝統的な衣装を今はお祭りなどのイベントの際に着ているが、昔は日常的に着ていたこと、女性が着用するアクセサリーや男性が大人になると持つことができるナイフのことなど、伝統的な衣装の詳細も教えてくれました。
イフガオからの踊りの紹介を受けて、正院小学校からも地域に伝わる「奴振り(やっこふり)」というお祭りの踊りのデモンストレーションもあり、イフガオの児童も一緒に踊ってくれました。
質問タイムではなぜお面をするのか、衣装は誰がデザインしたのかなど、様々な質問が出て意見交換が行われ、最後にはフィリピンで人気の現代の踊りの紹介もあり、参加者全員で一緒に踊りました。
終わりに、両方の学校の校長先生からもコメントを頂きました。正院小学校の校長先生からは、お互いの地域の踊りや音楽に違いはあるけれど、両方とも収穫に感謝するという共通点もあることが分かりとても良かった、とのお話しがありました。今回の交流で印象的だったのは、小学生が自ら伝統的な楽器を演奏したり踊りを踊ったりしていて、自分の言葉で紹介することができていたということです。お祭りの担い手が減少しているなどの課題もありますが、地域の文化が根強く残り子供達へ継承されている能登とイフガオ地域だからこそできる交流だったと思います。そして、自分たちの地域に伝わる文化を海外の同世代の子ども達に紹介することで、さらに地域への理解が深まったのではないかと思います。そして、何よりも一緒に踊っているときの児童の楽しそうな様子を見ることができて嬉しかったです。
これで、今年度の交流は終わりになりますが、また今後も能登とイフガオの子ども達の交流を支援していきたいと思います。