金沢:アーカイブ
2019年10月28日
心蓮社の庭園は真ん中に池、そして背後に山が広がる「築山池泉式」の書院庭園です。ゆったりと時が流れる空間の中にいつまでも眺めていたい風景があります。卯辰山の麓に位置しており、その庭園は山と一体化していることからも庭園という人の手によって作られた空間にいながら、大自然の醍醐味を味わえる場所となっています。
今年2度目の清掃活動、そしてグリーンインフラに関するワークショップが心蓮社で行われました。
今回は金沢大学の丸谷耕太先生、そして北陸先端科学技術大学院大学の坂村圭先生のゼミとの合同企画です。特別ゲストとして龍谷大学から林珠乃先生をお招きし、基調講演も行っていただきました。

はじめに国連大学のファン研究員より、この庭園清掃ワークショップの活動についての説明がありました。金沢市に多く残されている庭園のほどんどが維持管理に関する問題を抱えており、このようなワークショップは新しい庭園管理のシステムとして大変重宝されているそうです。
これまでに約340名の方がこのワークショップに参加しており、徐々に市民の生活にも溶け込んできました。ファン研究員は清掃を始める前と後に参加者にアンケートを行っています。その結果、庭園を清掃することでポジティブな感情が増加し、ネガティブな感情が減少することがわかりました。このような清掃活動は庭園の持ち主だけではなく、参加者にもプラスに働くことがわかります。
スペインから10年前に来日し、京都で日本庭園について学んだファン研究員ですが「京都の庭園と金沢の庭園の違いは?」という質問に、「京都は枯山水が有名で落ち着いた雰囲気、金沢の庭園は曲水庭園など、水がポイントになっていると思います。」という答えました。また、京都の庭園は観光名所になっている場合が多く、主に企業などが費用を捻出しているため管理システムが確立している。一方、金沢の庭園の場合は個人が所有している庭園が多く、維持管理していく上で所有者やその家族にかかる経済的・身体的負担なども懸念されているとのことです。
ファン研究員が7月に出版されたブックレット『金沢の庭園がつなぐ人と自然』でも述べているように、地域住人が自分たちが暮らす町の「庭師」として自然を守るために協力することが持続可能な「都市の自然」の実現につながります。
休憩をはさみ、次は滋賀県の龍谷大学からお越しいただいた林先生に「過去の文化的景観を可視化する」をテーマにお話しいただきました。
林先生は元々生態学を研究しており、その過程で生き物のことだけではなく、生き物と人、または自然と人の関係についても興味を持ち、現在は龍谷大学の里山研究センターで活動されているそうです。
金沢の日本庭園の文化的景観や生物の多様性がミクロな視点だとすると、今回の林先生のお話はもう少しスケールが大きいもので滋賀県の琵琶湖の周辺一帯が示された地図を使いながらマクロな視点で人と自然の関係を見ていきました。
日本の自然は「セカンダリーネイチャー」と呼ばれる、人が意図的に手を加えて維持管理してきた自然がほとんどを占めます。そのため、人々の生活スタイルや社会の変化により過去から現在に至るまで変化し続けてきたそうです。
林先生の研究では過去の自然環境や文化的景観にも着目し、土地の利用方法や自然環境の変化を調査しています。昔から現代に至るまで変わらずに存在する自然の利用方法を調べることで持続可能な人と自然のつながり方や、その土地の環境に合った産業などを示唆できるのではないかと述べました。
このような研究結果は例えば化石燃料に頼らない地域づくりや地域循環型社会を作る上でも将来的に役立つのではという意見もあるそうです。
林先生のレクチャーの後は、庭園清掃に取り掛かりました。

3つのグループに分かれ、主に秋になり増えてきた落葉を集める作業を行いました。
美しい秋晴れの昼下がり、庭園を住処にする生き物も発見できました。
また、今回の清掃活動に庭師の中見宰さんも参加していたこともあり、苔の手入れ方法など普段なかなか教わることのできないプロの技術や知恵も教えていただきました。

十数人で清掃し1時間ほどかけてやっと綺麗になりました。この作業を所有者や管理人が一人で行うのはとても厳しいことだと参加者の皆さんも身をもって体感したようです。
清掃後は恒例のアンケートを行い、その後ディスカッションセッションを始めました。
各グループは今回の体験で感じたことや印象を共有し、まとめたものを3分間のプレゼンテーションで発表しました。

「どんな庭園だと足をはこびやすいかな?」「落葉の活用しよう」「ゆるくできて楽しかった」などなど、沢山の意見が出る中、「この活動は単なる通常の清掃と見なすべきではない」という共通の見解に至りました。
庭園で自然に囲まれて過ごす時間は都市で暮らす人々にとってとても貴重な自然と触れ合う場であると共に共通の目的を持ちながらコミュニケーションを図り、人との関係を深める場でもあります。美しい庭園で楽しみながら学び、参加者の皆さんはとても満足したようです。
最後に心蓮社の住職であり、この庭園の管理者でもある小島さんから挨拶のお言葉とコメントを頂き、閉会となりました。
2019年07月18日
2019年7月4日、卯辰山山麓寺院群に位置する心蓮社(金沢市指定名勝)で、庭園クリーニングワークショップが実施されました。フアン(OUIK研究員)が率先して始めたこのプロジェクトに、アイーダ・ママードウァさん(金沢大学国際機構特任准教授)、飯田義彦さん(金沢大学環日本海域環境研究センター連携研究員)が加わり、共催でイベントを開催しました。
今回は、金沢大学に短期留学に来ているロシアのカザン連邦大学の留学生14名が参加しました。
開催当日は、ひがし茶屋街を散策しながら、金沢の文化や歴史などを学び、その後に心蓮社で庭園の清掃とお茶体験を行いました。
庭園クリーニングワークショップでの一日の様子を、ご報告したいと思います。
金沢について知る
まず初めに、街中にある地図を見ながら、
・金沢の人々の生活や文化に深く関わっている浅野川、犀川の二つの川について
・金沢の三寺院群について
・金沢の交通網について
など、金沢の街の地形や文化、歴史などの説明を聞きました。

東山ひがし茶屋街を散策
続いて、重要伝統的建造物群保存地区ひがし茶屋街を訪れ、建築物や、金沢の伝統的な食文化、工芸品などについての説明を聞きながら、散策しました。


宇多須神社では、夏越の大祓(なごしのおおはらえ)という神事が行われており、茅の輪をくぐって参拝しました。参拝後、留学生たちはおみくじを引いて、とても楽しんでいるようでした。

茅の輪くぐり

おみくじを引いて楽しんでいる様子卯辰山山麓寺院群〝心の道″を歩く
ひがし茶屋街から心蓮社へは、〝心の道″を通って行きました。〝心の道″は細い小路になっており、とても静かでした。

心蓮社
心蓮社に着くとまずは、到着を待っていてくれた小島住職が心蓮社の歴史などについて教えてくれました。


心蓮社が現在の地に移ってきたのは1637年頃であり、そのときに庭園が造られたとのことです。庭園は江戸時代初期に作庭された築山池泉式書院庭園で、当時の寺院庭園として貴重なことから、金沢市指定名勝に指定されているそうです。

心蓮社庭園
小島住職は留学生に向けて、「日本滞在中に金沢、そして日本の文化を知り、その背後にある思想なども理解していただければと思います」と優しく語りかけていました。

留学生に語りかける小島住職
さて、ここから庭園の清掃です。
まずは、清掃についての指導を受けてから、作業に入っていきました。

水の音やカエルの鳴き声を聞きながら、全員で落ち葉拾いを行いました。気づくと、無心になって清掃していました。庭園が綺麗になっていくと同時に、自分の心も整っていくような感覚がしました。


庭園を清掃していると、緑が美しい苔や、キノコ、カエル、小さな草花など沢山の生物と出会いました。庭園は見た目が美しいと同時に、多様な生物の生息地としても大きな役割を果たしていると実感しました。


お茶体験
庭園を清掃した後は、お茶体験をしました。
茶道の先生がお点前を披露して下さり、和菓子とお茶をいただきました。留学生の皆さんも正座をして、真剣に先生のお点前を拝見していました。
茶道に興味のある留学生三人は、実際にお抹茶を点てる体験をしました。とても緊張した面持ちで取り組んでいました。


自分たちが清掃した後の美しい庭園を眺めながら、幸せなひと時を過ごしました。
庭クリーニングワークショップの魅力
今回の庭園クリーニングワークショップの後、留学生に感想を伺ったところ、「庭園の清掃をしながら、庭園の造りなどをじっくりと眺めることができ、庭園の持つ素晴らしさを知ることができた」と話してくれました。
このような活動に参加することで、庭園のことが好きになったり、自然と私たちの暮らしとの関わりを考えるきっかけになると、改めて感じました。
また、庭園を眺めながらお茶をいただく時間は、自然と文化との繋がりを感じることができるひと時だと思いました。
OUIKでは今後も引き続き、庭園クリーニングワークショップを行っていく予定ですので、
ご興味のある方はぜひご参加ください。
報告:成嶋 里香(OUIKインターン)
2019年04月15日
都市の生物文化多様性に関する本を出版するためのワークショップが南アフリカで2019/4/1-4/7に開催され、OUIK からはリサーチアソシエイトのフアン パストール・イヴァールスが参加しました。世界中から 13 人の研究者が集まったこのワークショップは南アフリカのロードス大学の教授であるミシェル・コック氏とチャーリー・シャクルトン氏が主催を務めました。
この本の出版にあたり、フアン研究員は日本庭園の姿、そのオントロジー、美学、生態学を金沢の庭園に焦点を当てながら評価しています。さらに日本庭園を通じて人と自然の関係を再構築する方法やそのモデルの提示に力を入れてきました。ワークショップでは生物文化多様性の概念を広めるためのグローバルなレベルでのコミュニケーションの重要性について論議されると共にそれらを実装するための学術機関を設立することの必要性についても語られました。この本は来年の初め頃に出版される予定です。
2019年04月05日
2019/3/31
3月31日、金沢市指定文化財の一つでもある千田家庭園(非公開)にて清掃ワークショップが行われました。
庭園の維持は手のかかる作業です。普段からの木々の手入れ、草むしりなどに加え、特にこの千田家庭園のように大きな池があり、用水から水を引いているタイプの庭園では、定期的な池の清掃も必要になってきます。
これがとても大変な力仕事なのですが、前回の清掃ワークショップから半年が経ち、また池の底に泥が溜まってきました。
今回のワークショップでは、地域住民、学生、自治体職員、外国人観光客の方々、約15名の方々に参加頂き、水を抜いた状態の池の中に入り、底に溜まった泥を除去する作業を行いました。

泥をスコップですくい、袋に入れて運び出す作業。
石や藻も絡み付いてきます。この藻は池に泥が溜まりだすと急に繁殖し、泥に根を張るそうです。

今回はこの藻も除去しました。

作業を続けること1時間半、池の中から大きな亀がでてきました。
なんとこの亀、少なくとも50年前からこの庭園に住み着いている亀だそうです。

ここを住処にする動植物からも、この庭園の歴史の深さがうかがえます。
清掃が終わった後は家の中でお茶を頂き、所有者の千田さんと石野さんからこの庭園の歴史や造りについて学びました。

この庭園は千田登文旧加賀藩士が1984年(明治27年)に作庭した池泉回遊式の庭園で、いたるところに今の時代では中々見られない職人技が施されているそうです。
100年以上たっても崩れてこない池の淵の石積み技術、戸室石で作られた橋に刻まれる加賀藩とのゆかりを示す刻印、徽軫(ことじ)灯篭に似た雪見灯篭などなど、沢山ある見所についても説明していただきました。

参加者も普段なかなか聞けない話に興味深く聞き入っている様子でした。
特にアメリカからの観光客の方は地域との連携や市の制度など、文化財の保護や維持のシステムについて質問されていました。

このような清掃ボランティア活動は元々、金沢市の景観政策課の方々を中心に行われていたようです。2017年からOUIKのフアン研究員も活動に加わり、このワークショップを「エコツーリズム」へ発展させるべく、清掃後に庭園の歴史や管理について学ぶワークショップやお茶会を組み込み、体験型プログラムとしての定着を進めています。また、重労働が分散でき、所有者にもメリットがある新しい庭園の管理システムとして更なる活用が期待されています。
2019年03月30日
OUIKは、金沢市、金沢青年会議所ともにSDGs実践にかかる勉強会を重ね、3月23日(土)に3者で金沢市のSDGs推進に関する3者共同宣言を行いました。宣言式では、山野之義金沢市長がIMAGINE KANAZAWAと銘打った金沢市SDGsの重点分野を説明し、続いて中泉金沢青年会議所理事長がJCI金沢会議の成果をはじめとする同所の取り組みに触れました。
渡辺OUIK所長からは、これまでOUIKが提唱してきた「生物文化多様性」や、第8回ダイアローグでも取り上げた「グリーンインフラ」の考え方が、環境、経済、社会を統合するSDGsの考え方と非常に近いものであると紹介しました。
この宣言式に続いたSDGsいしかわ・かなざわダイアローグ総括シンポジウムでは、パネルセッションにおいて嵩桒 都市政策局企画調整課長から金沢市のこれからのSDGsの進め方について説明がありました。総括シンポジウムでも参加者の方から積極的なご意見を沢山いただきました。これから3者、そして金沢市民全員で、2030年の金沢を考えていくIMAGINE KANAZAWAを進めていければと考えます。
2018年12月26日
2018年4月、OUIKはストックホルムレジリエンスセンター、東京大学IR3Sと共同で生物文化多様性ウォーキングワークショップを開催しました。
アジア、南アフリカ、南米、スウェーデン、ハワイなど様々な場所で自然と人間のつながりを研究する参加者が、都市部と農村部を取り巻く様々な外的変化に対し、生物文化多様性資源の役割、現状、保全を、五感を通じて体験しながら議論しました。
「Reinvigorating creative solutions to save people and planet: A walking workshop through biocultural landscapes in western Japan」by Viveca Mellegård, Stockholm Resilience Center
2018年07月08日
6回目を迎える日本庭園ワークショップの開催報告アップしました。
2018年07月08日
6月24日、金沢市の卯辰山山麓寺院群で、Juan Pastor Ivars(ファン・パストール・イヴァールス)研究員の呼びかけで始まった「心の道歩き・心蓮社(しんれんしゃ)庭園清掃」のワークショップを実施しました(主催/国連大学サステイナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット 協力/心蓮社、金沢市)。
昨年から始まり6回目となる今回は、定員20人を大幅に超える30名近くの参加があって大盛況でした。
管理が行き届かない日本庭園が増えている
都市部にあって生物多様性を生み出し、住人に癒しをはじめ多くの生態系サービスを提供してくれるのが日本庭園。このワークショップは金沢市に多く残されている日本庭園を将来にわたって維持管理していくことができるシステムを構築するプロジェクトの一環として開催されました。本来、庭園の管理はその所有者が行うべきものですが、所有者も高齢化が進み、手入れが行き届かなくなるところが年々増えています。清掃を行うことは庭園の美しさや都市景観を取り戻すだけでなく、生態系を保ち、生物多様性を維持していくためにも重要なのです。
京都の日本庭園を研究して博士号を取得したJuan(ファン)研究員は、金沢市の文化財指定を受けている日本庭園を保全するため、留学生、外国人観光客、地域住民などに清掃を手伝ってもらい、その代わりに庭園を眺めながらの茶会や、庭園を様々な視点から学ぶワークショップを開催しています。回を重ねて参加者も増え、新しい庭園管理のシステムとして着実にその成果が見えるようになってきました。
自分で手を入れることができる貴重な機会
当日は、ひがし茶屋街のすぐ近くにある宇多須神社に集合して、卯辰山山麓寺院群を縫うように進む「心の道」を歩き、周辺の空き家や空き地の状況など中心市街地の空洞化や急激な観光地化による影響の実情を見学、寺院群のお寺を拝観したりしながら、心蓮社へと向かいました。

心の道をそぞろ歩く
心蓮社の庭園は江戸時代初期に作庭され、中央に池泉が掘られ、背後には築山を有する「築山池泉式」の書院庭園で、金沢市指定保存樹林も借景に取り入れています。
まずは住職から庭の歴史の説明を受け、さらに造園の専門家から庭園の管理についてのレクチャーを受け、いよいよ清掃活動に入ります。今回は築山、池、正面の苔の部分と3班に分かれて行われました。一見、きれいに見える庭ですが、池の底にはたくさんの落ち葉が積もり、ヘドロのようになっています。それを掻き出すのは重労働で多くの人手が必要。ここでは若い大学生や留学生が大活躍していました。築山やその奥の墓地の清掃は範囲が広くて大変。でも、今回は参加者が多かったため手分けして見る見るきれいになっていきました。
池の正面の苔に覆われた部分は、スギゴケなど数種類の苔が繁茂して実に美しい佇まい。しかしその苔を丹念にはがすと下からは戸室石の見事な敷石が姿を現しました。玉石を敷き詰めた「霰零(あられこぼ)し」と呼ばれる園路も先のワークショップでこうやって整備し直されました。ここでは発掘作業のような慎重さが要求され、造園の知識がないとうかつには手が出せませんが、このワークショップには著名な造園家の方々も参加しているので安心。庭のスペシャリストにいろいろ教わりながら庭を触るなんてめったにできない体験です。清掃作業終了後は、庭を眺めながら和菓子と飲み物でくつろぎ、茶道体験や今日の振り返りなどを行いました。
楽しく、持続できる日本庭園の管理
参加者は、県内大学生や地元の方、県内在住の外国人、金沢市役所など。参加動機は日本庭園が好きだったり、心の道を歩いてみたかったり、なかには「スペイン人のJuanさんが日本庭園を整備している姿に感動して」などさまざま。
貴重な庭園を手入れできることに興味を覚え、実際に参加してみて庭園への親近感が深まったという方もいました。Juan研究員自身も、庭園の池に足を踏み入れたのはここが初めてだったそうで、その時の興奮は今でも忘れられないと言います。一方、このような多くの参加者がいることで庭園の所有者は自分の庭園の価値を再認識します。
Juan研究員は、このワークショップを「エコツーリズム」へと発展させ、観光客や障碍者にも参加できるようにし、新しい庭園の管理システムとして定着させたいと考えています。SDGsのゴール11「住み続けられるまちづくりを」×ゴール15「陸の豊かさも守ろう」×ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」と連動しながら、これからの持続可能な庭園共同管理のモデルとして引き続き活動を広げていきます。

Juan Pastor Ivars 研究員
8月には金沢市二俣町の本泉寺でも同様のワークショップを開催する予定です。ご興味がある方は、ぜひ参加ください。
2017年10月09日
UNU-IAS OUIKは、2017年8月30日、公益社団法人金沢青年会議所(金沢JC)、金沢工業大学(KIT)、JICA北陸支部(JICA)と、金沢におけるSDGsビジネスを推進する枠組み構築を協力しながら進めてゆくための覚書を締結いたしました。

署名にあたり、OUIKが金沢でのSDGsプラットフォーム構築と、国際社会と地域の対話を推進していくことを述べる渡辺OUIK所長
締結式では、既にSDGs達成に向けた取り組みを積極的に行っている各団体が、連携を通じたSDGsの更なる可能性について言及し、その意気込みを語りました。渡辺OUIK所長は、地域でのこういった活動が世界を動かしていく原動力となると述べ、SDGsをテーマとした産官学連携の新しい試みに大きな期待を寄せました。
UNU-IAS OUIKは、このSDGs産官学連携を使って、石川県のビジネスにどのような新しい風を吹かせることができるのか、金沢JC、KIT、JICAとともに、これから始動いたします。この連携が各団体がもつそれぞれの強みを活かすものとなり、石川発のこの活動の成果が、全国、ひいては世界のSDGsビジネスの推進につながるような活動を目指します。
関連リンク
金沢工業大学
公益社団法人金沢青年会議所
JICA SDGs ビジネス
2017年05月29日
OUIKでは、人口減少が金沢市の文化的景観に与える影響を評価するための研究を、同市の協力を得ながら実施しています。卯辰山山麓、東山ひがし伝統的建造物郡保存地区を調査対象とし、同地区では空家、空き地、駐車場が増えてきていることが判ってきました。
この地区には寺院、庭園、水路をはじめとする歴史的価値のある建造物、そこに暮らす人々の日常の中に残る文化的な営みが色濃く残っています。これらの文化的資源を、新しいビルや駐車場、緑地などと、バランスをとりながら、様々な関係者を巻き込んで街づくりを進めていくことがこの地区のレジリエンス(回復力・抵抗力)を高めると考えます。
5月7日にはOUIKメンバーと日本造園学会(JILA)石川支部のメンバーが、東山1丁目のフィールド調査を行いました。対象地域では文化的景観や自然が美しく残る地域と生態学的に再考が必要な地区があることを観察することが出来ました。また近隣住民からも地区の歴史や、生活域に増加する観光客、空家の増加、地区のアイデンティティーの喪失など現在直面する課題を直接聞き取りました。
OUIKはこれからも広く関係者を巻き込みながら、この課題に取り組んでいきます。

現地踏査の様子(写真:パストール・イヴァルス)