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七尾高校生が地域の未来を描く「融合プロジェクト」の探究結果を発表

石川県七尾市の石川県立七尾高等学校では、文系クラスと理系クラスの生徒が協力して地域の課題を探り、その解決方法を提案し、地域の未来を考える「融合プロジェクト」が進められてきました。

令和6年1月1日に発生した能登半島地震は、七尾市内でも震度6強を記録し、倒壊家屋の発生、断水の長期化、学校の休校など、地域の高校生の暮らしにも大きな影響を与えました。今年度の3年生は、「能登地震からの復興」をテーマに掲げ、地震がもたらした様々な課題を探究し、30個の提言をまとめました。7月18日に発表会が行われ、国連大学の小山研究員もアドバイザーとして参加してきました。

高校生からの提言には、災害に強い地域づくり、地域の生業の再建、関係人口の拡大など、多岐にわたるアイデアが含まれていました。いくつか具体的にご紹介します。

・能登牛の缶詰づくり:能登牛の認知度向上を目指し、防災にも役立てるための缶詰製品を開発
・「僕のヒーローアカデミア」のイベント企画:人気アニメをテーマにしたイベントを通じて、地域の活性化と観光客誘致を図る。
・非破壊装置を用いた水道管の損傷状況の調査:最新技術を導入して、水道管の損傷を迅速に把握し、早期復旧を支援。
・工芸と食文化のイベント企画:地域の伝統工芸と食文化を組み合わせたイベントを企画し、地域の魅力を発信。
・耐震性アピールのステッカー導入:建物の耐震性を示すステッカーを導入し、観光客に安心感を提供。
・スクールカウンセラーによるメンタルケア:地震による心のケアが必要な生徒に対し、スクールカウンセラーによるサポート体制を強化し、心理的サポートを提供。

発表会の様子

様々な視点での発表がありましたが、その中には東日本大震災後の取り組みから学びを得て検討されたアイデアも多く含まれていました。また、七尾市だけでなく奥能登全体の商品をイベントで販売するなど、能登全体の振興を考えた提案も目立ちました。これらの取り組みは、地域の広域的な発展を目指すものであり、非常に意義深いものでした。さらにアニメの要素やSNSの活用もアイデアに含まれていたりと、高校生ならではの発想も見受けられました。

今回発表された提案には、実際に実現すると良いアイデアが多数含まれていました。しかし3年生はこれから受験勉強に専念するため、提案を自ら実現するのは難しい状況にあります。そのため、後輩にプロジェクトを引き継ぐ仕組みを整えたり、大学生になっても地域と関わり続ける機会を設けたりすることが求められます。

「能登の復興」を進める際、これからの未来を担う高校生など「ユース世代」が能登の未来づくりに継続的に関わっていくことが重要です。また、ユース世代の意見を意思決定の場で反映していくための仕組み作りも必要になってきます。高校生の提言が地域にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目しつつ、国連大学としても継続的にユース世代のサポートを行なっていく予定です。

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