OUIK > お知らせ > 地域との研究活動 > 金沢 > IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズ交流会 #8&9(2022年1月27日&2月26日)の開催

お知らせNews

IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズ交流会 #8&9(2022年1月27日&2月26日)の開催

金沢市でのSDGs推進に向けて、多くの方のアイディアが集まって完成した金沢ミライシナリオ。その実践に向けて、チャレンジしていることや困りごとを持ち込み、対話を通して新しいプロジェクトを育てていくIMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズ交流会が、1月と2月に開催されました。本年度も気づけば7回目、通算で9回目の開催となりました。COVID-19の影響もあり、残念ながらオンラインでしたが、感染拡大傾向が収まりましたら、また対面で開催して、アイディアが広がっていくと良いなと思います。

今回の交流会#8&9では、以下の団体の方がピッチプレゼンを行いました。

●交流会#8発表団体
1)一般社団法人PADAYON
「開発途上国の課題」と「地方の課題」を同時に解決するプロジェクトについて
2)E.N.N. Co., Ltd.
空き家・空きビル対策
3)北陸ESD推進コンソーシアム
院内学級の子ども達に体験を!

●交流会#9発表団体
ヴィスト株式会社
生活困窮者の就労支援について

また、交流会#9では、これまでの1年間のパートナーズ交流会活動を振り返り、交流会がより発展するにはどうしたら良いか、議論も行いました。

今回も各団体のユニークで先導的な取り組みについて、深くお話を聞くことが出来、新しいパートナーシップやプロジェクトのきっかけとなるような交流も生まれていました。

 

各団体からは次のような団体の活動内容やチャレンジしていることをお話いただきました。

一般社団法人PADAYONさんは、社会的投資の手法の1つであるインパクト投資を活用してフィリピンと日本の社会的課題を目指して活動しているソーシャルスタートアップ。団体名のPadayonはフィリピンの現地の言葉で「一緒にやろう」を意味していて、一緒に活動を進める中で「プロセスを楽しめるまちづくり・人づくり」の考え方を大切にしています。

フィリピン出身のご家族とのつながりの中で、フィリピンのミドル世代の働く場所が見つからないという就労問題に直面します。そこで、地元金沢に貢献しつつ、フィリピンの方が能力を発揮できる場が生まれるような共存共栄の社会投資のエコシステム形成を目指すようになりました。そして、SDGs貢献や海外販路拡大、人材不足解消を目指したい金沢の企業と提携して、フィリピンで小規模店向けの貸店舗スペースを投資運営するインパクト投資事業を行い、現地の方に就労と学びの機会を提供するという仕組みを考え、実証を進めています。この仕組みは一つの例で、金沢の企業とフィリピン側の実際のマッチングのあり方は個別にご相談しているとのことでした。投資事業のほかにも食べ物をフィリピンに直接支援する寄付事業も行っているそうです。

 

E.N.N. Co., Ltd.さんは、建築設計事務所としてのビジネスを核としつつ、空間を見つけ、企画・創造し、空間の使い方を実践して広め、「まち・都市」をつくっていくソーシャルデザインの会社です。金沢でも空き家、空きビルが増え続け、社会課題となっている中で、注意喚起したいとのことで、登壇いただきました。

欧米諸国と比較して、新築住宅市場が著しく優位の日本では、毎年100万戸程度の住宅が新築されています。一方で、人口は増えないため、空き家や空きビルもそのまま横流しで増加している傾向にあります。金沢市では金澤町家といった昭和25年以前に建てられた木造建築物の保全と活用が進められていますが、壊されて毎年少しずつ数が減り、そして、空き家や空きビルも増えて、まちなみが壊れていっています。建物撤去による二酸化炭素排出も懸念されます。問題解決のために、E.N.N. Co., Ltd.さんの「古ビル調査室」と「木造たてもの調査室」では、身近な中古ビルや木造建築物の調査を行うサービスを提供しているそうです。

 

交流会#8の最後は、北陸ESD推進コンソーシアムさん。北陸ESD推進コンソーシアムさんは、2014年に金沢大学が事務局となって設立されました。SDGsの達成のためにESD(持続可能な開発のための教育)を進めていくことを目的としています。今回は、金沢大学付属病院内学級の子どもたちの院外教育活動についてお話いただきました。

金沢大学付属病院内学級の子どもたちは長期入院を必要としていて、感染症対策などの観点から外へ出ることが出来ない子どもも多い状況です。そのため、野外活動や自然観察など、屋外での活動を通して色々なことに触れて学ぶことが困難でした。しかし、撮影機器や通信機器の性能が上がり、安価に利用できるようになったことから、遠隔地からも天体観望を楽しむことも可能になりました。そこで、北陸ESD推進コンソーシアムさんは、2021年に、金沢市キゴ山ふれあい研修センター星の会と協力のうえ、子どもたちが院内からも楽しめるよう、オンライン天体観望を複数回行いました。今後は、子どもたちのニーズに応えて、天体観望以外にも美術館や博物館見学、社会見学や自然観察にも広げていきたいとのことでした。

 

交流会#9ではヴィスト株式会社さんがご登壇。「あらゆる人に働く希望を、心豊かなStoryを」を経営理念として、障害がある方など、働きづらさを感じている方への就労支援を行っています。ピッチプレゼンでは生活困窮者等の就労支援について取り組みの内容や課題を共有いただきました。ヴィスト株式会社さんは、金沢市からの委託事業である令和3年度生活困窮者等就労準備支援事業を通して、「生活保護受給者」と「生活困窮者」が日常、社会、そして仕事の場に参加していけるよう促す支援を行ってきました。金沢市には「生活保護受給者」は約4,000人、そして「生活困窮者」はおよそその10倍の人数にのぼるそうで、昨今はCOVID-19の影響で更に増えてきているそうです。

ヴィスト株式会社さんは、支援の1つとして、社会の中で自立して生活していけるよう、対人スキル向上を促し、自己肯定感向上につなげるために就労体験やボランティアの機会を提供しています。しかし、受け入れ先として協力してくれる団体を確保するのが難しい場合もあるそうです。ボランティア実施の際には、活動がスムーズに進むよう、ヴィスト株式会社さんのスタッフも同行するそうで、協力してくださる団体を募集しているとのことでした。

 

交流会#8と#9でも多様な団体から多様な課題を共有いただきました。金沢市の状況について勉強になるとともに、話題がきっかけとなって新しいアイディアや交流も生まれていました。IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズ交流会の場をきっかけに、更にパートナーシップの輪が広がり、新しいプロジェクトが生まれていくと嬉しいです。

 

Menu

Category

Monthly Archives

Yearly Archives

Pick up

Banner:Conference