OUIK > お知らせ > 地域との研究活動 > 金沢 > 日本庭園ワークショップをSDGs観光ツアーに

お知らせNews

日本庭園ワークショップをSDGs観光ツアーに

OUIKのJuan Pastor Ivars 研究員が、金沢の緑や街並みをみんなで守っていくために考案した日本庭園ワークショップを、観光ツアーのコンテンツとして企画しました。

この試みは、2020年のSDGs未来都市に金沢市が認定され、テーマとなる「責任ある観光」を推進するため催行した金沢SDGs体感モデルツアーの一つに庭園ワークショップを組み込んだものです。金沢の大切な文化的要素である日本庭園を、グリーンインフラとして生物多様性保全、ヒートアイランド現象の緩和など、その隠れた機能を学び、さらにお茶会や庭園清掃を通じて日本庭園の価値を体感するというものです。

日本庭園を学びのプラットフォームとして地域内外の人が集うことで、ご高齢の個人オーナーには負担が難しくなってしまった日頃の維持管理に様々な人が関わり、新しい形の維持管理体制が作れないかというのが、このワークショップの重要な狙いでもあります。今回はそこに、金沢をもっと深く知りたい観光客にも参加してもらえたら、そして金沢の日本庭園を守っていくことに世界中の人が参加してもらえるような観光モデルが作れたら、という Juan研究員の願いを具現化しました。

ツアーは東山の茶屋街近くの卯辰山山麓寺院群をぬうように通るこころの道の散策から始まります。参加者はインバウンドツアーガイドなど、様々な観光客のニーズを知り尽くしたプロの方々。観光客から圧倒的に人気があるのがその地域の住民との交流があるプログラムだそうです。市民が行き交う路地裏をJuan研究員の解説を聴きながら進み、目的地の永久寺さんに到着。

 

古くは前田家の公式の祈祷所で、250年以上の歴史をもつ永久寺。このお寺の管理を任されている本郷さんから、お寺の歴史やお庭の管理に関する課題を学んだ後は、早速お庭に出て清掃の開始。春先の庭には外来種のリュウキンカが蔓延ってその駆除が中心となります。

 

 

お庭には大きな槻もあり、円周を計測し金沢市の保存樹に登録できないか、という調査にも参加者に協力してもらいました。

こういった作業は決して観光客が携われないのでとてもワクワクしたとフィードバックがありました。小一時間の清掃作業で10以上のゴミ袋がいっぱいになるほどの雑草を駆除できました。作業の後は、金沢棒茶とお菓子を味わいながら、今回のワークショップの観光プログラムとしての評価について意見交換を行いました。

「観光客はその地域が好きだから訪れるので、その地域の市民との交流やその地域がよくなっていくことに貢献できることを探してしている。」「今回のツアーは金沢の文化歴史を深く知る学びを提供しているのでとても価値がある」「SDGsについて深く考える機会となった」「特定の宗教行事と思われない配慮が必要」「年配の方には作業上の工夫が必要」など様々なご意見をいただきました。

今後もたくさんの方に庭園ワークショップに参加してもらうため、観光ツアーとしての可能性を探っていきます。

Menu

Category

Monthly Archives

Yearly Archives

Pick up

Banner:Conference