2020年7月17日、金沢市は「2020年度SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。テーマは「市民生活と調和した持続可能な観光の振興 ~「責任ある観光」により市民と観光客、双方の「しあわせ」を実現するまち金沢~」です。これは観光客が増加する中、自然・歴史・文化に基づく生物文化多様性をベースとし、市民・来街者の双方がまちの魅力を共創し、 持続可能なまちを実現すること目標としています。
日本では2008年、持続可能な経済社会実現に向けて「環境モデル都市」と「環境未来都市」を選定する制度が採用されました。今回金沢市が選定された「SDGs未来都市」は、「環境モデル都市」と「環境未来都市」に加えて、地方創生を一層促進することを目的として、SDGs達成に向けた取り組みを提案するものです。2018年度から各年度最大30都市が選定されており、石川県では珠洲市(2018年度)、白山市(2018年度)、小松市(2019年度)、今年新たに加賀市、能美市、金沢市が選定されました。(自治体SDGsモデル事業としては金沢市が県内初)これらはSDGs17の目標と紐づけられた評価軸で選定されていることが特徴で、目標達成に向けた積極的な事業展開が期待されています。
国連大学IAS-OUIKの役割
国連大学OUIKはSDGsの達成に向け金沢市との協働を進めてきました。「2018年のSDGsいしかわ・かなざわダイアローグシリーズ」をはじめ、2019年3月に金沢市、金沢青年会議所、国連大学での三者SDGs共同宣言を行なってからは金沢SDGsプロジェクトを「IMAGINE KANAZAWA 2030」と名づけ、協働を本格始動しました。SDGsや地域の課題への理解を深めるために「SDGsカフェ」という地域の皆さんが気軽に金沢の未来や地域課題について対話できるコミュニケーションの場を提供したり、SDGsミーティングでは地域の様々なステークホルダーの皆さんと協力し、アイデアを出し合いながら2030年の金沢のありたい姿を示す「金沢ミライシナリオ」を作成しました。
今後の展開
今後もOUIKは3者の協力体制をプラットフォームとして、SDGsの啓発・周知公報、共創するコミュニティの形成など、様々な場面で協働を進めていきます。特にモデル事業のうち、重要な要素である、魅力的なSDGsツアーの開発において、OUIKが長年の研究で培ってきた「日本庭園と金沢の持続可能性」を考えるワークショップ等の実践経験や、能登GIAHS(世界農業遺産)・白山ユネスコエコパークに関する研究成果を活かし、金沢のグリーンインフラを活かしたツーリズムのあり方や、広域のSDGsツーリズムのあり方に学術的な助言する役割を担っていきます。