OUIKでは、人口減少が金沢市の文化的景観に与える影響を評価するための研究を、同市の協力を得ながら実施しています。卯辰山山麓、東山ひがし伝統的建造物郡保存地区を調査対象とし、同地区では空家、空き地、駐車場が増えてきていることが判ってきました。
この地区には寺院、庭園、水路をはじめとする歴史的価値のある建造物、そこに暮らす人々の日常の中に残る文化的な営みが色濃く残っています。これらの文化的資源を、新しいビルや駐車場、緑地などと、バランスをとりながら、様々な関係者を巻き込んで街づくりを進めていくことがこの地区のレジリエンス(回復力・抵抗力)を高めると考えます。
5月7日にはOUIKメンバーと日本造園学会(JILA)石川支部のメンバーが、東山1丁目のフィールド調査を行いました。対象地域では文化的景観や自然が美しく残る地域と生態学的に再考が必要な地区があることを観察することが出来ました。また近隣住民からも地区の歴史や、生活域に増加する観光客、空家の増加、地区のアイデンティティーの喪失など現在直面する課題を直接聞き取りました。
OUIKはこれからも広く関係者を巻き込みながら、この課題に取り組んでいきます。
現地踏査の様子(写真:パストール・イヴァルス)