2024年11月16日、OUIKの研究員ファン博士が、アゼルバイジャンのバクーで開催されているCOP29のタイパビリオンにて「レジリエンスを高めるための自然をモチーフにしたデザイン(Nature-Inspired Design for Resilience)」というイベントに登壇しました。このイベントでは、気候変動に対するレジリエンスを高めるための建築と自然の役割について議論し、持続可能なデザインや適応性のある材料、エネルギー効率の高いシステムに焦点を当てました。
ファン博士の他、デザインスタジオ「デアシン」の建築家、サラウット・ジャンセーンアラム氏とピラビット・ブニャマリック氏並びにチュラーロンコーン大学のクルティダ・ティーチャボラシンスクン教授も登壇しました。ディスカッションセッションでは著名なランドスケープアーキテクトであり、ポアラス・シティ・ネットワークのCEO、コチャコーン・ヴォラーコーン氏が司会を務めました。
登壇者たちは、排出量を削減し、資源を持続可能な形でやりくりし、都市空間におけるレジリエンスと適応の促進に役立つ、気候対応型の構造物を作るための戦略を紹介しました。フアン博士は日本の事例として人口減少や地震、洪水などの自然災害に脆弱な金沢と能登地域に焦点を当て紹介しました。ファン博士は、伝統的な日本庭園や鎮守の森を含む都市の自然が、気候変動の影響を和らげ、都市の熱を低減させ、生物多様性を支える上で重要な役割を果たしていることを強調しました。具体的な提案としては、グリーンインフラを増やし、コミュニティー主導型の緑化活動を推進し、今後予測される気候変動に対するレジリエンスを高めることが挙げられました。
発表後、聴衆と登壇者との間の議論が行われ、いくつかの重要なテーマが浮き彫りになりました。それらは、人と自然との関係の変革が必要であること、自然のプロセスに調和した建築を促す必要があること、革新的な建築材料があたえる世界的な影響、そして長期的な都市計画を考慮し変化する環境条件や住民のニーズに柔軟に対応できるような設計の重要性が含まれました。聴衆は登壇者の実践的な視点、そしてファン博士の研究に基づいた洞察を高く評価しました。