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里山の生き物調査 in 珠洲市蛸島地区

2023年9月7日、珠洲市が市内の9つの全ての小学校で行っている生き物観察会が、珠洲市立蛸島小学校の3,4年生を対象に行われました。今回は能登GIAHS生物多様性ワーキンググループで今年度作成している副教材を使用し、いしかわ自然学校インストラクターの野村さん、金沢大学能登学舎の岸岡さん・木下さん、のと海洋ふれあいセンターの荒川さん、国連大学の小山研究員が参加し、観察会の実施をサポートさせてもらいました。

珠洲市の小学校では春と夏に2回の観察会を行い、その後にまとめの授業も行っていて、今回はその2回目の観察会でした。

調査では、2班に分かれ、一つの班はため池へ、もう一つの班は稲刈り後の田んぼへ移動しました。田んぼの班では、まず田んぼの管理をされている農家の方にご挨拶をして、今の田んぼの状況を教えてもらいました。田んぼはすでに刈り取りが終わっていて、乾いた状態のため、たも網ではなく捕虫網を使って生き物を捕まえます。乾いていて一見何もいないように見えた田んぼでも沢山の生き物を見つけることができました。赤とんぼの仲間やバッタ、シジミなどの昆虫、ニホンアカガエル、トノサマガエル、アマガエルもいました。

 

学校に戻って、ため池の班が見つけてきた水生昆虫をグループごとに仕分ける作業をしました。最初は素手で生き物を触ることをためらっていた児童が多かったですが、「かわいい」といいながらゲンゴロウを移動させる児童も出てきて、最終的にはみんなで全ての生き物をグループ分けすることができました。見つかった生き物について、ワーキンググループの野村さんに昨年度作成した下敷きと、今年度作成中の副教材を用いながらそれぞれの生き物について解説してもらいました。

副教材では、下敷きに示されている生き物がどんな環境にいるのか、その生き物がいるということがどのような意味をもっているのか、親しみやすいイラストで説明しています。興味持って教材を読んでくれている様子が印象的でした。

珠洲市ではすべての小学生が3,4年生の時にこのような体験型プログラムを基に、「普段食べているお米が作られる環境にどのような生き物が暮らしているのか」を学び、地域の環境、生物多様性について考察します。そしてこの学習の成果は毎年学習発表会で発表する機会が設けられ、学校間での実践事例の共有も進められています。

ワーキンググループでは、今回制作した教材が、このような既存の学習プログラムにて今後ますます活用されるよう、講師や先生からのフィードバックを得て、改善と発展を促進しています。

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