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IMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズ会員向けアンケート調査結果

「2030アジェンダ」と「持続可能な開発目標」(SDGs)が国際連合で採択され、約8年が経過しました。2020年からは「行動の10年」として、SDGsの達成に向けた取り組みが加速されています。その中で、オープンイノベーションプラットフォームを通じた取り組みが注目され、国際機関や行政機関、民間企業・団体も取り入れ、2030アジェンダに貢献するプロジェクトを形成・拡大しています。

そこで国連大学では今年、石川県金沢市の「IMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズ」事業について、事業実施による効果、事業の運営状況や会員の抱える課題についてアンケート調査を行いました。このパートナーズ事業は、行政機関が主体となって立ち上がり、オープンイノベーションプラットフォームを取り入れた取り組みです。この調査は、SDGs達成を支援する政策、および各種団体によるプロジェクト形成と拡大を支援する手法について理解を深め、得られた知見を共有していくことを目指して行いました。

アンケートの結果(詳細はこちらの資料をご参照ください)

  1. パートナーズ事業実施による効果

総じて、パートナーズ事業がその当初目的*の達成に向けて効果を発揮していることを確認しました。

  • 「金沢ミライシナリオ」の実現に向けて、知識・情報、親近感、貢献意欲といった社会資本を育み、ネットワークを強め、パートナーシップの礎が形成されつつあることを確認しました。
  • 並行して、プロジェクトが形成されている、あるいは形成途中にあることを確認しました。
  • パートナーズ事業の活動の1つであるパートナーズ交流会に参加することで、パートナーシップとプロジェクト形成につながるポジティブな効果がより強まる可能性があることを確認しました。

*「当初目的」とは、「金沢SDGs『5つの方向性』の実現を目指す企業、団体及び個人が会員同士の活発な交流を通じたパートナーシップにより、金沢ミライシナリオを実践する」こと。ここでいう「金沢SDGs『5つの方向性』」とは石川県金沢市独自の地域でのSDGsアクションプラン。

(参照:https://kanazawa-sdgs.jp/about-partners/

  1. 状況の整理

事業の効果に加え、事業の運営状況や会員の抱える課題を分析し、状況を以下のように整理しています。

  • 総じて、パートナーズへの会員登録を経て、会員は社会的信頼、知識、貢献意欲を獲得。社会資本や知的資本が増加して、ネットワーキングも育まれている。会員の一部は、プラットフォーム内外でパートナーシップを形成しており、プロジェクト開発が進められている。
  • その一方で、会員同士のネットワーキングやマッチング促進の手法、他の会員の取組状況や成果についての情報共有に不満が指摘されている。また、必要とする経営リソースへのアクセス、新たなプロジェクト機会へのアクセス、プロジェクト開発・拡大スキルについて支援しきれていない状況。事業が提供するサービスと裨益する会員の期待の間で、需給のミスマッチも生じている。
  • 形成されるプロジェクトは、リスクが少ない一過性のイベントが好まれているが、よりインパクトが大きな事業やプログラムの形成が少ない。一方で、会員は他のプロジェクトの種類より新規の事業形成を望んでいるため、開発過程にハードルが存在していることが伺える。パートナーシップについては、自団体で開発したのちに協働を望む、あるいは企画段階からの外部との共創が望まれている。
  • プロジェクト開発過程おいて、会員は、プロジェクトの企画段階から安定期まで幅広く課題意識があり、状況に応じたリソースを必要としている。特に、実証後の事業の運営体制の確立、資金調達、人材確保・管理・育成、安定的なプロジェクトの継続に対して課題意識が強いと考えられる。
  1. 結果を受けての考察

パートナーシップを促進し、プロジェクトの形成と拡大を加速するためには、以下の3つの点が重要と考えます。

  • マッチングやネットワーキングを促進するためにイベント設計を工夫することが重要である。裨益者のニーズに敏感になり、テーマ別や会員属性別の設計やアイディアソン開催、場づくりの工夫を行い、効果を高めることが重要。
  • プロジェクト形成や改善に向けた多様なニーズに個別に柔軟に対応することが重要である。そのため、経営分野の専門的な知見に基づいたコンサルティングサービスを整備し、必要なリソースや支援先の紹介、スキルアップを提供する必要がある。また、事業採算性が低い場合には、社会的事業や公的事業として組成できるようアドバイスすることが重要だ。
  • 各団体の取組や成果、知見を共有して会員の知識増強とモチベーション向上を図るべきである。同時に、プラットフォーム内外での認知度向上を図り、会員間の信頼を高めて会員の増加と多様化を促し、自発的なネットワーキングを後押しする必要がある。

アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

今後はインタビュー調査を行い、SDGsに貢献するプロジェクト形成と拡大を促進していくための方法について、更に調査を進めていく予定です。

 

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