国連大学ではSDGsを推進する自治体をサポートしています。今回は石川県の中能登町の役場職員の皆さんと、2022年5月6日SDGs講座を開催しました。
はじめの講義では国連大学OUIKの小山研究員が「SDGsの視点をまちの施策に活かすヒント 」と題してSDGsの基礎知識、そして世界農業遺産「能登の里山里海」との関係性について説明を行いました。2021年の日本におけるSDGs推進の現状を示す指数や日本が特に力を入れて取り組むべきとされているジェンダーや環境に関する課題をグラフやマップを用いて紹介し、推進例として日本国内でSDGs未来都市に選出された都市の取り組みも紹介しました。小山研究員は「中能登町は世界農業遺産に認定されている地域でもあり、地域の恵を生かした伝統的な食文化やくらしが残っている、これらを生かした活動が期待される」と述べました。
講座の後半は参加者の皆さんと「100年後も笑顔で住み続けられる中能登町」についてワークショップを行いました。100年後、次世代にどんな中能登町を受け継ぎたいか、どのような課題があるか、それらを解決するには「今、何ができるか?」についてグループに分かれて議論しました。「まずは人口を確保しないとまちとしての存続が危うい」、「若者が住みやすいまちとは?」など、少子高齢化関連の課題を切り口に多くのアイデアが述べられました。さらに「あづまだち(伝統家屋)の家が残るまち」、「移住者の受け入れを活発に行う」、「伝統的な食文化を守るために日頃から味噌などを手作りしたい」、「森林活用」、「衣服を譲り合う」などさまざまな意見が出ました。