OUIK > お知らせ > 令和3年度「第1回IMAGINE KANAZAWA 2030推進会議」開催

お知らせNews

令和3年度「第1回IMAGINE KANAZAWA 2030推進会議」開催

国連大学IAS OUIKと金沢市、金沢青年会議所(JC金沢)の三者と、市民、地域、NPO、企業などが一緒になって金沢SDGsの達成を目指す「IMAGINE KANAZAWA 2030」。
その推進母体となるIMAGINE KANAZAWA 2030推進会議の令和3年度第1回の会議を開催しました。

会議では前半は、事務局となる前述の三団体から前年度の施策の進捗と本年度の取り組みが紹介され、その後、推進会議を構成する各委員からの取り組み事例紹介と意見交換が行われました。

 

5つの方針を推進した令和2年度

会長・山野之義金沢市長

 最初にIMAGINE KANAZAWA 2030 推進会議事務局から、令和2年度の活動報告がありました。

①ひとを育てる – 金沢SDGsの担い手の養成

 持続可能な金沢をつくるにはひとづくりが欠かせません。金沢西高校では課題解決型学習(PBL)を令和元年度から3年計画で実施しています。また、小学生から大学生、社会人が参加して、高校生の7チームが考えたプロジェクトをブラッシュアップしていく、「金沢次世代SDGsアイディアソン」も開催しました。
 一方、金沢SDGsを知るための市民向けのワークショップや、石川中央都市圏(金沢市、白山市、かほく市、野々市市、津幡町、内灘町)の市町職員をまじえた研修の実施、インターンシップ生の受け入れなども行いました。

②つながる、対話する – 場づくり

 多様な関係者が対話し交流する場をつくっています。「SDGsミーティング」では民間有志の方と、市役所若手職員が参加して、「金沢ミライシナリオ」を推進していくための「4つのリーディングプロジェクト」を策定。誰もが気軽に参加できる「SDGsカフェ」は、全てオンラインながら8回開催し、のべ500人が参加しました(SDGsカフェのレポートはこちら)。
 1月には北陸のSDGs未来都市の全10都市の自治体担当者とステークホルダーが集まって、「北陸SDGs未来都市フォーラム」をオンラインで開催し、北陸の未来の姿について話し合いました。

③しなやかな組織を作る – 執行体制づくりと連携強化

 SDGsの達成に向け、行政の執行体制強化と“コレクティブ・インパクト”を生み出していける組織づくりを行いました。金沢市では昨年4月に金沢市SDGs推進本部を設置し、昨年6月に「IMAGINE KANAZAWA 2030 推進会議」を設立。市長を会長に、金沢JC理事長、国連大学IAS OUIK所長を副会長に、また民間、市民団体、大学組織などさまざまな立場の代表8名を委員に加えた組織です。
 7月にはパートナシップを生み出すプラットフォームとして「IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズ」をスタート。現在、企業、団体、個人の会員数は130を超える状況です。昨年は3回の交流会を実施し、会員間の相互理解と交流を深める「石川の朝とれもんプロジェクト」見学ツアーも開催しました。

④つたえる、広める – 情報発信

 うめばちさんの動画(IMAGINE KANAZAWA 2030 PV)を制作し、公式ホームページ、facebook、テレビCMなどで発信した他、公式ホームページを拡充してオンライン発信を強化しました。また、リーフレットや「金沢ミライシナリオ」を記載したパンフレットを制作し、さらにイベント出展で使用するためのキャンペーングッズを制作、金沢駅もてなしドームに大型タペストリーも掲出しました。合計5回のイベント出展も行いました。

⑤持続可能な金沢観光を実現する – 金沢SDGsツーリズム

 金沢市が「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業」に選定されたことを受け、持続可能な交流型観光を実現する取り組みが加速しました。「市民生活と調和した持続可能な観光の振興〜『責任ある観光』により、市民と観光客、双方の『しあわせ』を実現するまち金沢〜」と題して、経済、社会、環境の3つの側面の政策をつなぐ総合的な取り組みをしています。観光と市民生活の調和、域内経済の循環が創出される「金沢SDGsツーリズム」を推進することで、金沢のまちの魅力を市民と観光客が一緒に考えて、持続可能なまちをつくることを目指します。
 持続可能な観光を実現するため、観光事業者の勉強会や講演会も開催しました。また、金沢SDGsツーリズムの啓発や広報は、発信ページ(https://kanazawa-sdgs.jp/kanazawa-sdgs-tourism/)や動画(Kanazawa SDGs Tourism)、ウェブメディアとのタイアップなどで実施。
 観光事業者からSDGsの推進に先導的なアイデアや企画を募集し、その取り組みを支援しました。

 

金沢SDGsのさらなる推進を期する令和3年度

 続いて、令和3年度事業計画と収支予算について事務局から説明がありました。

 IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズは定期的な交流会を実施するなど、活動を拡充していきます。パートナーシップによるSDGsの達成の取り組みを加速させるための、民間資金を活用した資金の調達方法や管理運用する仕組みを検討します。さらに、SDGsの進捗を測る独自指標と目標を設定して、金沢SDGsの進捗達成度を可視化します。
 担い手の育成では、市民向け講座や職員向け研修を引き続き行うとともに、小学生から大学生までの多世代対象のアイディアソンイベントも開催していきます。さらに今年10月ごろには、パートナーズ企業のブース出展やSDGsに取り組む団体の連携・交流・情報発信を図るフェスティバルを開催したいと考えています。
 SDGsツーリズムについては、昨年度に続き、SDGs推進に資する先導的な取り組みを実践する事業者の支援を行うとともに、SDGsツーリズムに必要な環境に配慮した製品(エコプロダクツ)の地産地消に向けた検討を行います。また、宿泊施設や着地型ツーリズムを運営する事業主にSDGsの実践方法を理解してもらうための取り組みを加速し、認知度の向上を目指し、SDGsツアーの認証制度の構築を行っていきます。

 

国連大学IAS OUIKの取り組みを紹介

副会長・渡辺綱男国連大学IAS OUIK所長(リモート参加)

 令和2年度のSDGsカフェは、6つのテーマと番外編1つを開催し、SDGsの多岐に渡るテーマに合わせて、いろいろな議論ができました。
 持続可能な都市自然プロジェクト「SUNプロジェクト」(Sustainable Urban Nature Project)では、「市民の皆さん全員が庭師になろう」をキャッチフレーズに、市内の庭園の清掃や管理について議論するワークショップを開催。さらにこれを持続可能なツーリズムと結びつけていく試みも始まりました。金沢のSDGsの達成状況の見える化に国連大学IAS OUIKも協力しており、SDGsツーリズムに関する指標についても検討しています。
 令和3年度は、SDGsカフェを引き続き開催し、またSUNプロジェクトは、金沢のSDGsの5つの方向性の1番、「金沢の自然、歴史、文化に立脚したまちづくりをすすめる」に貢献できる方向に進めていくことを考えています。
 金沢のSDGsの取り組み成果を、国際的に発信していくことがこれからは大事になってきます。「文化とSDGs」というテーマでユネスコの創造都市ネットワークのつながりを活用したり、SDGsツーリズムでは国連の世界観光機関と連携して国際的なイベントを主催したり、国連大学IAS OUIKならではの役割が果たせたらと考えています。
(発表:国連大学IAS OUIK渡辺所長)

 

金沢青年会議所の取り組みを紹介

副会長・中島雄一郎金沢青年会議所理事長

 SDGs関連事業として、保育所、認定こども園、幼稚園などへ絵本の寄贈を通して、企業がダイバーシティ&インクルージョンの概念に触れる「えほんでつなぐプロジェクト」を実施。企業の持続性を高めるための「ESG経営推進プログラム」を進めていきます。
 その他の進行中の事業では、市民、観光客に対し金沢の文化を体験する機会を提供し、コトやイミに対価を払うビジネスモデルを構築する「金沢文化ツーリズム」事業と、大学生を対象に、人々の生活や社会に寄り添った先端ITのリテラシーを身につけることを目的とした「ミライノヒトPROJECT」があります。
 これら4つの事業は、今年9月に開催する国際会議「KANAZAWA MIRAI SUMMIT 2021~次代に受け継ぐ金沢のまち~」にその集大成として結びつけていきます。このサミットは、日本で達成が難しいとされているSDGsの目標(ゴール5、13141517)に対し、市民、そして企業がその達成に向けた行動をとれるようになることを目的としています。
(発表:金沢青年会議所中島理事長と飯田氏)

 

参加した委員からの活動報告&意見交換

青海万里子委員(いしかわフードバンクネット理事)

 NPO法人いしかわフードバンクネットの青海万里子氏からは、食品ロス削減のため、食材の使い切りレシピ集を発行したことと、金沢市はフードドライブ活動に取り組んでおり、4カ所の常設の受付場所ができ、令和2年度は16トンほどの食品ロスの削減ができたことを紹介。また高校のプログラムにならい、小中学校でも授業の中でSDGsに取り組める金沢ならではのプログラムが作られることを期待していると意見を述べました。事務局からは、「教育委員会ではESDやユネスコスクールについて取り組んでいるので、それがSDGsと同義だということを働きかけていきたい」と回答しました。

俵希實委員(協働をすすめる市民会議会長)

 協働をすすめる市民会議の俵希實氏(北陸学院大学教授)からは、外国人住人の意見などを吸い上げる仕組みがあって、それを還元することができたらいいということと、SDGsという言葉は認知されてきたが内容の理解が進んでいないという意見があり、SDGsがどういうもので、その中で金沢市はこういうことに取り組んでいるということを説明する場があるといいと提案。また、認証制度について「誰が何を認証するのか?」との質問があり、事務局からは「SDGsに取り組んでいる宿泊施設などを金沢市(あるいは推進会議)が認証することで、みなさんがよりよく観光ができるということを発信していきたいと考えている」と回答しました。

西村夏海委員(石川県銀行協会)

 一般社団法人石川県銀行協会の西村夏海氏(北國銀行総合企画部広報IRグループチーフ)からは、この一年で銀行の中でもSDGsやESG投資に対する考え方に大きな変化があり、地域と共に成長していくという考えがより強くなったことや、SDGsの多岐に渡る取り組みの一つとして、高校生を対象に「金融リテラシー教育」を開催したことなどが紹介されました。

 

 

福島健一郎委員(コード・フォー・カナザワ代表理事)

 一般社団法人コード・フォー・カナザワの福島健一郎氏は、コロナ禍でデジタルがとても注目されて世の中が大きく変わった一年を振り返り、一方で市民が中心となって社会課題をデジタルで解決していく「シビックテック」については活動が停滞気味となってしまったと述べ、また、GISという仕組みでコンピュータを使ってつくる「メタ観光」という新しいその土地の魅力の紹介方法について情報提供していただきました。

 

 

・八木圭一朗委員・金沢商工会議所中小企業委員会副委員長

 金沢商工会議所の八木圭一朗氏(株式会社ヤギコーポレーション代表取締役社長)からは、企業向けのユニフォーム・アパレルメーカーがSDGsにつながる取り組み事例として、使い古したユニフォームを燃料にして製造過程で必要な蒸気を作るシステムを紹介。導入当初はなかなか理解が得られなかったそうですが、これをSDGsの取り組みの一つとして告知すると、顧客から共感を得られるようになったそうです。

 

 

吉岡真人委員(金沢市障害者施策推進協議会委員)

 金沢市障害者施策推進協議会委員の吉岡真人氏(金沢市聴力障害者福祉協会理事)からは、「SDGs」という手話単語ができたことや、SDGsに絡んだ取り組みも何かできないか現在模索しているとの話がありました。聴覚障害の人たちが今までSDGsのことを学ぶ機会があまりなかったので、まず学習会のような機会を設けて理解を広めていき、その中で自分たちに何ができるのかを改めて考えてみたいと述べました。事務局からは、「一緒に何か作るような活動ができれば」と回答しました。

 

 

 以上、今年度の事業をそれぞれの立場からしっかり推進していくことを参加者全員で確認しあって、このIMAGINE KANAZAWA 2030 推進会議は無事終了しました。

Menu

Category

Monthly Archives

Yearly Archives

Pick up

Banner:Conference