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能登:アーカイブ

ごっつぉ草紙 Red data cook book

2018年、国連大学OUIKでは「世界農業遺産(GIAHS)能登の里山里海」の価値を次世代に伝えるため、教育絵本「ごっつぉをつくろう」を制作しました。この本は季節ごとに様々な地域の食材を使いながら能登の祭りごっつぉ(ご馳走)を作っていく物語です。「食」を通じて能登の農業や生き物、文化の理解を深めることを目的としています。

2019年、このその絵本を元に輪島市で「地域に根ざした学びの場・まるやま組」では地域のご馳走の食材をあつめながら自然や文化について学ぶモデル授業「三井のごっつぉproject」を輪島市立三井小学校の児童を対象に行いました。

この「ごっつぉ草紙 Red data cook book」は一年を通して行ったこの教育活動の記録です。さらに授業の中では紹介できなかった地域に残る郷土料理や食材など「ふるさとの味」を季節ごとに紹介しています。

 

発行   2020年10月16日 World Food Day

制作   能登地域GIAHS推進協議会

協力   輪島市立三井小学校、輪島市三井公民館、市ノ坂集落、輪島エコ自然農、能登SDGsラボ、能登里山里海SDGsマイスタープログラム

企画・編集・デザイン・写真  萩のゆき(萩野アトリエ、まるやま組)
萩野紀一郎(富山大学芸術文化学部、まるやま組)

モニタリング・解説  伊藤浩二(岐阜大学、能登SDGsラボ連携研究員、まるやま組)

発行   国連大学サスティナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)

 

能登GIAHS生物多様性ワーキンググループ 第一回準備会合

能登地域の自治体が組織する「能登地域GIAHS推進協議会」が「能登の里山里海」を世界農業遺産に推薦し、2011年6月に認定されてからもうすぐ10年になります。能登地域GIAHS推進協議会では能登の里山里海の保全と活用を目指し、保全活用計画を策定しています。現在2度目のアクションプランの改訂作業が進んでいて、OUIKでは石川県と推進協議会と協力しながら、これらの作業に関わるとともに、能登の里山里海の保全・活用のあり方、多様な関係者が関われるプラットフォーム作りなどの面からアドバイスしています。

この能登地域GIAHS推進協議会では、能登の生物多様性に関わりの深いメンバーを中心にした生物多様性に関するワーキンググループの立ち上げに向けた準備が現在進められていて、国連大学もサポートをしています。先月2月26日、石川県水産総合センター(能登町)内の会議室にて、立ち上げに向けた準備会合の第一回目が開催され、能登地域では現在どんな取り組みが行われていて、どんな課題があるのかなどについて話し合いが行われました。

【開催報告】令和2年度第4回能登の里海セミナー「里海の保全から考えるSDG14の達成 -『海洋の温暖化・酸性化』ー」

令和2年度、4回にわたって開催した「能登の里海セミナー」。4回目の今回は、SDG14「海の豊かさを守ろう」の10のターゲットの中から、地球温暖化による海洋温暖化や酸性化削減に関する「SDG14.3」を取り上げました。3名の専門家にご登壇いただき、国内外における近年の海洋の温暖化・酸性化の影響や保全の取り組みを紹介するとともに、地球温暖化の影響を軽減するために私たちができることについて考えました。

 

「SDG14.3」がめざすこと

 環境問題を語るのに、気候変動や生物多様性とテーマは多々ありますが、とても重要な分野の1つが海洋です。あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響に対処し最小限化するというのが「SDG14.3」。海の温暖化と酸性化は表裏一体の問題ですが、気候変動と温暖化の対処としては「SDG13」があり、「SDG14.3」では海の酸性化にフォーカスしています。
 海はCO2や熱エネルギーを吸収し、地球温暖化を和らげる役割があります。しかしこの数十年の間に大量に吸収していて、今後さらに海水温が上昇し、酸性化が進むと思われています。海がCO2を吸収すると海洋酸性化が起こり、産業革命以前と比較すると26%上昇しています。──以上、国連大学OUIK研究員のイヴォーン・ユーの発表から。

 

基調講義「海の温暖化と生物への影響」

 科学ジャーナリストの山本智之さんに、海で起こっていることや、それが私たちにはどういう意味を持つかということを基調講義していただきました。

サンゴ礁生態系の危機

 2018年に行った沖縄県宮古島沖の巨大サンゴ礁「八重干瀬(やびじ)」の調査で、海底に占める生きたサンゴの面積は10年前と比較して、主に白化現象が原因で約7割減ってしまったことが判明。サンゴは動物の一種ですが、体内には褐虫藻という微小な藻類が共生しています。褐虫藻が光合成で作った栄養をサンゴに与えていますが、高い水温などのストレスが加わると褐虫藻が大幅に減少し、サンゴの骨格が透けて見える「白化現象」が起こります。この状態が長く続くと、サンゴは栄養失調で死んでしまうのです。
 サンゴ礁は多くの生き物が集まる「生物多様性の宝庫」であり、大波から島を守る天然の防波堤にもなります。IPCCの『1.5℃特別報告書』では、世界の平均気温が産業革命前より1.5℃上昇すると、サンゴの生息域の70〜90%が消失。2℃上昇では99%以上が失われると予測されています。

温暖化による気温・海水温の上昇

 世界の平均気温の上昇と同じように、世界の海面水温も100年あたり0.55℃のペースで上昇を続けています。日本では過去100年間で1.14℃も上昇し、世界平均を上回るペースで温暖化が進んでいます。中でも一番上昇ペースが速いのが日本海中部で、1.72℃となっています。今後100年間では、今までの約3倍のスピードで海の温暖化が進むという予測もあります。海の生き物はたった1℃の上昇でもものすごく影響を受けますが、3℃や4℃の上昇は、生物相がガラッと変わってしまうような大きな変化を意味します。

海洋生物への影響と将来予測

 瀬戸内海で春を告げる魚とした親しまれてきた鰆(サワラ)は、温暖化による海水温の上昇が影響して、これまであまり獲れなかった日本海で漁獲量が増加しています。海水温上昇では、サケ、イカナゴ、クロマグロ、ホタテガイ、コンブ類などが激減する可能性があると言われています。最悪の場合はこれらの食材が日本から消える可能性も考えられます。

温暖化と「適応策」

 高い気温により果実への影響も出ています。リンゴの栽培適地は北上する一方、パッションフルーツなど南国系果実の栽培が本州でも増えてきています。温暖化という環境変化にどのように適応していくかという視野で対策を考える「適応策」には、栽培技術による対応、高温耐性品種への植え替え、樹種転換の3つのパターンがありますが、パッションフルーツはこれらの中の樹種転換にあたります。
 また、海産物においても明らかな影響が見られています。「鳴門わかめ」のブランドで知られる徳島県は日本のワカメの生産地の中では南にあるため、温暖化の影響を受けやすく、生産量が減少傾向にあります。現在は最先端技術を用いて、高水温に強い新品種(NT株)の開発に成功。高温に強いことに加えて、成長も早く、食味も従来のものと変わらないため、徳島県で生産される養殖ワカメ全体の2割ほどがこの品種に置き替わっています。

もう一つのCO2問題〜海洋酸性化

 CO2は水に溶けると酸として働きます。人間活動で排出される二酸化炭素の約4分の1を海が吸収していて、海は温暖化のブレーキ役になっていると思われていましたが、CO2をどんどん吸収することで、海自体の化学的な性質が変わってしまいました。海の酸性化が起こると、ウニや貝類、サンゴなど炭酸カルシウムの殻や骨格を作る生き物が、それを作りにくくなってしまいます。世界中の海で今後、さらに酸性化が進行すると予測されており、最も深刻なシナリオでは、今世紀末ではpHが7.8くらいまで低下すると予測されています。

私たちはどう対処するべきか

 大気へのCO2の排出が今のペースで続けば、温暖化と海の酸性化は確実に進みます。国レベルでは、「再生可能エネルギー」の導入を増やしていく取り組みにもっと力を入れるべきではないでしょうか。そして消費者にできることの一つが、食生活における新たな適応策です。例えば海水温の上昇で生息域が北に広がるアイゴという魚を食すること。アイゴはカジメなどの大型海藻を食べるため、磯焼けがさらに拡大することが懸念されています。アイゴを食べる習慣がなかった地域でも食べるようにすれば、沿岸の藻場を守ることができ、一石二鳥となります。

 温暖化と酸性化の解決にはCO2の排出削減の取り組みが不可欠です。それと同時に温暖化した世界の下で生き延びるための適応策も今から先取りして進めていく必要があります。

 

活動紹介 ①「魚の研究からみた里海・里山の温暖化」 

 7年間ヤツメウナギの研究をしている石川県立大学大学院の荒川裕亮さんから、温暖化の事例を絡めて石川県を中心とした海の中の生物の状況を紹介してもらいました。

 温暖化によって、里山では白山の積雪が減ると獣害が拡大し、湧水が減少することでトミヨなど湧水に依存する生物が影響を受けます。また里海では沿岸水温が上昇することから藻場が影響を受けます。藻場は魚にとってゆりかごともいわれ、藻場の減少は水産資源にも影響することが考えられます。
 能登半島には「ボラ待ちやぐら」や「定置網漁」、「カワヤツメ漁」などの伝統的な水産業があり、そこで育まれた「地域の生態学的知識」は生物資源管理に有効で、生物多様性の保全や持続的な資源の利用に活用できるとともに、温暖化・環境改変による水産資源への影響を評価する上でも必要です。

 カワヤツメは遡河回遊性のヤツメウナギの一種です。生活史としては、川で産卵し、川で数年過ごした後に海へ回遊し、再び河川へ戻ってきます。川の中に立ってヤツメウナギを「カンコ」と呼ばれる漁具で引っ掛けて捕まえる漁が、かつては能登半島では春の風物詩でした。昔は漁師が一人でドラム缶1杯のヤツメウナギを捕まえていたそうですが、今では1匹捕まったらいいというくらいに激減しています。能登半島でのカワヤツメの減少は、温暖化による分布域の北上以外にも、遡上を妨げるダム・堰堤など構造物の影響も考えられています。

 

活動紹介 ②「未来にアクション 地球温暖化防止のためにできること」

 続いて、環境カウンセラーの中村早苗さんに、石川県内における地球温暖化の防止・対策・啓発の活動についてお話しいただきました。

 IPCCの『1.5℃特別報告書』では、平均気温上昇を1.5℃以内に抑制するためには、CO2排出量が2030年までに45%削減され、2050年頃には正味ゼロに達する必要があるとしています。日本も2050年「脱炭素社会の実現」を宣言し、企業では2050年までに100%再エネで調達することを目標にする「RE100」への加盟が進んでいます。
 石川県の部門別のCO2排出割合では「民生家庭系CO2排出」が全国平均よりも多くなっています。詳細を見ると自家用車や暖房の割合が多く、電気使用料も多いことも分かります。日本は先進国の中でもフードマイレージが大きく、それは海外から食料を大量に長距離輸送していることを表しています。日本の食料自給率の低下が原因の一つで、食の地産地消は温暖化防止に大きく貢献できます。

 私たちの暮らしは環境に影響を与えてきましたが、毎日の行動を変えることで、未来が変わります。今から行動を起こしましょう。

 

SDG14.3 海洋の温暖化・酸性化の目標達成に私たちのできること

 続いて、参加者やパネリストからの質問にこたえるパネルディスカッションを行いました(以下、要旨・敬称略)。

質問:海洋酸性化といっても、pHでは弱アルカリ性で、それでも貝や甲殻類に酸性の影響はあるのか?
山本:貝や甲殻類は十分にアルカリ度が高い海水で殻を作れるように進化してきたので、急にはそれが変えられない。
質問:能登の千里浜海岸は侵食で一部が車で走れなくなっているが、海岸線を守ることはSDGsのどこのターゲットに入るのか?
イヴォーン:SDG14・5に沿岸域と海洋域と生態系を守るという目標があり、ここに当てはまると思う。千里浜の海岸侵食の原因は陸とのつながりの切断というのが一つの原因にある。
荒川:川の連続性というとヤツメウナギが川を遡上できないということもあるが、土砂や栄養塩が海に流れている量の減少も問題だ。
中村:千里浜の侵食が注目されたのは、千里浜に多くの人が思い出などがあって敏感になったから。みんなが敏感になって、このような問題に意識が集まっていくことは大事。
山本:海岸侵食は全国的には、大きく以下の2つに分けてみていく必要がある。川にダムなどを作ると土砂が海に入らなくなり、あるいは大規模な漁港をつくると岸に沿った潮の流れが遮断されて砂浜が痩せ細ってしまうことがあること。そしてもう一つが温暖化の影響。南極の氷が溶けて海面が上昇するとよく言われるが、実は海水自体も熱膨張で体積が増えて海面水位が上昇していく。
イヴォーン:最後に参加者へ、温暖化・酸性化を少しでも減らすために私たちができることについて提案を。
山本:日本の海の幸を積極的に生活に取り入れていくことで、海の環境がどう変わってきているかということを自分ごととして捉えることができる。そうやって多くの人が海の環境に関心を持ち続けられるようになったらいいと思う。
中村:私たちの生活が最終的に海を痛めつけていたのではないかということがよくわかった。海の幸をいただいて地元の良さに気がつく機会、学習や産地の皆さんと触れ合う機会を大事にしたい。
荒川:水の中は簡単には見られないが、最近は研究が進み、面白い生態系のメカニズムもわかってきた。そう言ったことをわかりやすく発信して行き、楽しいということもわかってもらいながら、問題も考えていただけるような研究者になっていきたい。

 最後に、国連大学OUIK 所長の渡辺綱男から、「このセミナーをきっかけにSDG14『海の豊かさを守ろう』の実現に向けて、さまざまな取り組みがいろいろな場所で生み出されていったらいいなと願っています」と挨拶があり、セミナーは終了しました。海洋の温暖化・酸性化の状況や原因、そして対応方法としての緩和策と適応策と幅広く学び、まずは身近なところで出来る第一歩について考えることがができる機会になりました。

セミナーの動画もこちらから試聴いただけますので、是非ご確認ください!

 

アジア生物文化多様性国際会議開催一周年記念国際フォーラムシリーズ議事録〔電子版〕

2016年10月、石川県七尾市で開催された第1回アジア生物文化多様性国際会議から1年後、石川宣言の実施を推進するため、2回シリーズの国際フォーラムをが開催されました。

 

シリーズ第一回(2017年10月4日)

生物文化多様性とSATOYAMA -自然共生社会を目指す世界各国の取り組みを知る-

 

シリーズ第二回(2017年10月15日)

生物文化多様性を次世代が敬称する為に-東アジアの連携を考える-

 

能登生物多様性研究会の発足

能登の里山里海がFAOにより世界農業遺産(GIAHS)に認定されてから5年の節目を迎えようとしています。OUIKではそれに伴うアクションプランの改定作業やモニタリング作業の支援などを行ってきました。

中でも、4市5町にわたる能登地域で行われている生物多様性モニタリングの活動は、各市町や各種民間団体が独自に行っている生き物調査が中心であり、能登地域全体として統一されたモニタリング手法や生物多様性に関する情報発信や地域の方々と共有するしくみはまだ開発されていません。この現状を受けて、OUIKと金沢大学里山里海プロジェクトが中心となり、能登の生物多様性モニタリングや関連活動を通じて能登GIAHSに貢献するための生物多様性研究会を設立しました。メンバーには地域で生物多様性保全や環境教育に取り組んでいる民間団体の方々、能登の関連する研究機関の方々に参加いただいています。

1月23日には、OUIKがオブザーバーとして参加している、能登GIAHS活用実行委員会と能登GIAHS推進協議会の場で同会の発足を報告しました。今後は推進協議会の生き物しらべや関連する事業と連携しつつ、能登GIAHSとして豊かな生物多様性の保全とモニタリング、そして発信に貢献してゆきます。

富士フイルム・グリーンファンド「グリーンレター」の最新42号「里海ー人と海のつながり」

富士フイルム・グリーンファンド「グリーンレター」の最新42号「里海ー人と海のつながり」に、イヴォーン・ユー研究員の記事「能登に生きる海女さんたちからみえる里海」が掲載されました。能登の里海セミナーにも登壇した石川県輪島海女の早瀬千春さんを特集しています。下記のURLにてご覧になれます。

https://holdings.fujifilm.com/ja/sustainability/activity/other-activities/social-contribution-activities/greenfund

記事直結URL

https://www.fujifilm.com/files-holdings/ja/sustainability/activity/other-activities/social-contribution-activities/greenfund/sustainability_activity_other-activities_greenfund_no42.pdf

【開催報告】令和2年度第3回能登の里海セミナー「里海の保全から考えるSDG14の達成 -持続可能な水産資源の管理-」

今回の「能登の里海セミナー」では、SDG14の10個のターゲット(目標)から、持続可能な水産資源管理の取り組みに関するSDG14.4と14.6について勉強し、水産の研究、流通、生産と立場の違う3人に、石川県の豊かな水産物と漁業の魅力を語っていただき、これからの水産資源の維持について考えました。

海の世界共通語となったSDG14を知る

 まずは国連大学OUIK研究員のイヴォーン・ユーが、SDG14.4「持続可能な漁業」とSDG 14.6「過剰漁業につながる漁業補助金の禁止」について解説しました。

──「持続可能な漁業」(14.4)とは、乱獲や違法な漁業はやめて、科学的に管理を行い、持続的生産量レベルまで回復させるのが目標。また、「過剰漁業につながる漁業補助金の禁止」(14.6)は主に途上国の話となるが、過剰な捕獲につながるような補助金をやめようという規制のこと。

 この2つは日本には該当しないように思われますが、そもそもこの2つターゲットができた大前提には水産資源の緊迫があり、持続可能ではないやり方をやめ、もう少し良い制度を導入していこうというのが目的です。それを受け、日本ならではの水産資源の持続可能な管理の仕組みを生み出さないといけないと思っています。

 世界の水産資源の利用状況を見ると、獲り過ぎか最大限まで利用されている水産資源が94%を占めていて、利用する余地があるものはわずか6%しかありません。

 世界の捕獲漁業と養殖生産の推移を見ると、捕獲漁業は1990年代以降は横ばいで、養殖漁業がその頃から増え続けています。世界の魚の利用と消費を見ると、年々消費量は増えていて、これは人口の増加と比べても急増しています。

 魚を主な動物たんぱく質源としている人は世界中で約30億人、約4割を占めています。また、世界で漁業と関わる仕事をしている人は約12%いて、そのうちの90%が小規模漁師であり、その半数が女性です。また、40%の水産物が沿岸の小規模漁師が獲ったもの。つまり、里海で小規模漁師が獲ったものと言い換えることができます。

 水産資源の管理を考えたときに、海の中の資源の維持や管理という話が中心となりますが、それだけでなく、獲り方によっても水産資源の維持につながりますし、獲った後の販売の仕方によっても持続可能に利用されているかどうかということにつながります。さらに、消費者が持続的に食べて行かないと持続可能な管理ができません。これらが一つの環となって循環することで、持続可能な水産資源の管理につながります。──

 

研究者視点から水産資源の現状と将来を考える

 続きまして、基調講義「国内外の持続可能な水産資源の管理について」を、東京大学大学院農学生命科学研究科教授の八木信行さんにお願いしました。

──日本のスーパーで魚の種類や量が減ったと感じる人は多いと思います。それはなぜでしょうか? この10年間で魚の消費量は2割程度減っています。また、流通やスーパーでは扱い品目を限定して効率化を図っていて、そのため仲買人は不人気魚種を買い付けなくなります。供給側の漁業者も買ってくれないから獲りません。また、国内漁業者の減少と資源の減少という事情もあります。ただし、「資源の減少は漁業者の獲りすぎ」と言われることがありますが、必ずしもそうではありません。

 日本では天然の漁獲量が1990年台最初をピークに急激に減少しています。たくさん獲れていたマイワシが海の環境変化でいなくなってしまった影響によるものですが、それ以降も徐々に減っているのは漁業者の減少や資源の減少などもあります。

 海外でも同様に天然の漁獲量は減少の一途ですが、韓国やイタリアなど、養殖の生産量が増えている国もあります(日本の養殖量はずっと横ばい)。ノルウェーは先進国の中では頑張っている数少ない国で、天然の漁獲量は獲れなくなっているほかに資源管理をしている影響もあって徐々に減少しているものの、養殖が伸びています。

 日本では、需要の減退という特殊事情も加わって30年くらい漁獲量が減少し続けていますが、それでも資源は回復していません。漁獲をもっと減らさないといけないという説もありますが、一部の魚種に限ったもので、全体的にはそうではありません。過剰漁獲以外の要因の仮説として、温暖化や埋め立てなどで減少しているというものや、実例として報告されているものに、ネオニコチノイド系農薬で餌の動物プランクトンが減少したことが要因というのもあります。

 水揚げなどの作業は人海戦術で行っている国が多く、現場では女性の活躍も目立ちます。こういうことで経済、環境、社会のバランスをとっている側面があります。社会には雇用の安定も重要です。一方、ノルウェーでは大きな船を用いて、オートメーション化により関わる人もわずかです。“雇用を守るのか、経済効率性をあげるのか”、“環境を守るのか、経済効率性をあげるのか”──人の幸せの本質が何かをよく考えた上で、結論を出す必要があります。

 欧米では郊外の野生動物などを人間から保護することに熱心に取り組んでいます。この根源には、環境と人間が切り離された存在であることなどがあります。一方、日本の場合は環境と人間が切り離されておらず、里山や里海でつながっているため、環境を守る感覚は欧米とは違います。

 世界農業遺産に認定されるメリットはいろいろありますが、その中に、観光の推進というのがあります。観光によって、農畜水産物の単価を高くすることができ、地域経済の活性化につながります。日本ならではの、多様な自然を利用する視点や、物質循環を重視する環境保全、人間組織を重視した保全活動などを世界に発信していくことで、インバウンドなどの獲得が期待できます。──

 

生産者と消費者を結ぶ流通・加工ができること

 引き続き、石川中央魚市株式会社営業戦略室副部長の田丸達之さんより、「石川の水産流通からできる資源管理」と題した活動報告がありました。

──石川県では季節ごとにおいしい魚が水揚げされていますが、消費者にはおいしいだけでは選んでもらえなくなってきています。調理済みのものが好まれるようになり、さらにスーパーやドラッグストアなどでは納品する段階から調理されていないと並べてもらえない時代となりました。そのため私たちのグループ会社では最終加工まで行っています。

 本日のテーマとなるSDG14に関する活動として「朝セリ」と「水産エコラベル認証の取得」の話をします。

 石川県内の漁港でその日の早朝に水揚げされた鮮魚を集荷して、早朝のセリとは別に2度目のセリ、「朝セリ」を行う事業を2008年からJFいしかわと協同で開始しました。「産地が明確で新鮮な魚をタイムロスなく流通に乗せることができる」、「金沢市中央卸売市場のスケールメリットにより、集まる買い出し人が産地市場よりも多く、魚価の上昇につながって、漁業者に還元できるお金が多くなる」というメリットがあります。

 朝セリにかけられる魚の7〜8割は高く買ってもらえる首都圏など県外へ流れているという実情から、朝セリの“地産地消”を推進するために「石川の朝とれもんプロジェクト」というものを2012年にキックオフしました。

 朝セリの事業は、SDGsの17のゴールに当てはまるものもいくつかあり、その中でSDG14に合致するものが「定置網漁で獲られた魚が主体」と「海岸線保護活動団体への寄付」です。定置網漁は過剰漁獲に陥りにくく、限りある資源を大切にしてきた先人たちの知恵が詰まったもの。その漁法で獲られた魚を流通していくことはSDG14に大きく貢献。また、石川の朝とれもんのSDGsの目標をラッピングした自動販売機を設置して、その売上の一部をクリーン・ビーチいしかわへ寄付し、海岸線保護の活動に役立ててもらっています。

 一方、水産エコラベル制度とは、生態系や資源の持続性に配慮した方法で漁獲・生産された水産品に対して、ラベル表示するものです。その代表的なものとして、イギリスのMSC認証(天然魚が対象)、オランダのASC認証(養殖魚が対象)があり、日本発祥のエコラベルとしては、MEL認証(天然魚・養殖魚も対象)があります。日本発祥のラベルは、日本の多様性に富んだ漁法に則した管理手法となっています。

 認証された生産品はマークのついた容器で出荷されますが、出荷先の流通業者や加工業者が認証されているものといないものをまぜて販売してしまうと、エコラベルの意義や取り組んでいる生産者の苦労が水の泡となってしまいます。そこで必要となってくるのが加工業者向けの認証制度です。流通加工(CoC)認証といい、当社は昨年8月に、これを取得しました。日本海側の卸売会社では初で、全国の卸売業者の中でも6番目です。

 当社に出荷してくれる漁業者、養殖業者も20団体ほどがMELの認証を取得していて、生産者から卸、加工までの段階は体制が整いました。しかし、その先の販売店ではまだエコラベルの認識が浸透していません。販売店にもこうした取り組みを理解していただき、消費者にはエコラベルのついた商品を選んでもらうという流通が完成すると、SDG14の海の豊かさを守ろうの実践につながります。

 こうしたエコラベルのついた商品やフードマイレージの少ない地元産の商品を食べることは、誰でもが参加できる「食べるSDGs」なのです。私たちも今後こうした取り組みをもっと増やして、資源管理や環境保全に貢献していきたいと思っています。──

 

持続可能な伝統漁法と漁業の将来を語る

 能登町定置網漁日の出大敷網元の中田洋助さんと国連大学OUIKのイヴォーン・ユー研究員の対談で、「能登町の伝統的な定置網漁」についての活動報告を行いました。

「祖父と父が定置網漁師でその姿に憧れて育った」という中田さんは定置網漁師になって12年。定置網は魚を一網打尽にしているように思われがちですが、昔から「網に入った魚の3割が取れればいい方だ」と言われているそうです。日の出大敷のスタッフは19人いて、収入はサラリーマンと同じ月給制なので安定しているそうです。

 中田さんは海の大切さや豊かさ、面白さを地元の子どもたちなどに伝える里海の出前授業もしています。

「子どもたちに現場の声を聞かせることで、まずは漁師のことを知ってもらい、これをきっかけに好きになってもらったり、漁師になりたいという子には漁師の世界を教えてあげることもできたりします。この町の漁業の未来に種をまくようなことだと思っていて、この活動を大切にしています」(中田さん)

「ずっと海を見ている中で、何か感じることは?」というイヴォーン研究員の問いかけに、「祖父の時代と比べると魚の来る時期が違ってきています。だんだん遅くなってきている傾向があります。一概に温暖化の影響かどうかはわかりませんが、水温の変化が遅れていることは言えます。そのことで魚が来るタイミングも遅れています。また、私個人的には資源が少なくなってきているとも感じています。資源が少ないというか、沿岸に魚が寄ってきません」と中田さん。

 

毎月14日はお魚サステナブルの日にしよう!

 最後は登壇者3名とモデレーターのイヴォーン研究員でパネルディスカッションを行いました(以下敬称略)。

イヴォーン:海の資源が減っていると感じるが、その原因として考えられるものは?

八木:減っている魚種もあるし減っていない魚種もあり、いろいろだと思う。一年しか生きない、イカとかサンマなどはもともと年によって変動が大きい。クロマグロなど長く生きる魚は、年々獲りすぎていると累積でいなくなり、人間の及ぼす影響は大きい。

田丸:朝セリの入荷量を見ている。全体としては少しずつ減ってきているのかなという印象は受ける。魚種によっては獲れる時期もピークも変わって来ていると感じる。昨年は香箱ガニがほとんど獲れず、価格が高騰した。乱獲の影響なのか、海の中の環境が変わってしまったのか? このまま獲れなくなってしまうことを非常に心配している。

イヴォーン:年によって違うから、その年に多く獲れた魚を私たち消費者も食べることにトライすればいい。サンマが少なければイワシを食べてみるとか。さて、エコラベルの認証制度について、今後発展していくかどうか、そして問題点は?

八木:欧米で認証制度が流行っているのはスーパーの力が大きいからで、価格が上がるから漁業者も認証を取ろうと考える。日本の場合、認証品を扱っているスーパーはわずかで、あまり値段が上がらない。産品の値段が上がるようになればいいという気がする。

イヴォーン:漁師の立場から、認証制度に挑戦してみる価値は?

中田:うちはまだ導入していない。今後は考えていきたいが、今の物流の中では、認証制度を受けるメリットがそれほどないというのが正直なところ。

イヴォーン:認証制度に挑戦した理由とは?

田丸:当社がサステナブルな取り組みをしているということも1つある。ESG投資のことも考えている。既存の価値基準にプラスして、今後は持続可能ということが消費者目線からでも価値基準の一つになって行くのではないか、そしてこういった流通も増えていくのではないかという考えと、これを普及させていきたいとの思いから挑戦した。

イヴォーン:それぞれの立場から、持続可能な水産資源管理をするために、ご自分ができることは?

中田:網目の大きさを大きくしてなるべく小さいものは獲らないようにしたり、夏場は休漁時期を設けたりしている。沖に流れているゴミもできるだけ拾って持って帰っている。

田丸:漁業者が取り組んでいる持続可能な漁業を、流通業者の立場からも普及させていきたいと考える。個人的にはSDG14に因み、毎月14日はサステナブルなシーフードを食べてもらう日に定めてもいいのではと思っていて、それを全国に広めていきたい。

八木:14日はお魚サステナブルの日というのはいい! 研究者というのは今起こっている事象を自分の専門分野に絞って深く掘り下げて考えがち。そうなると人によっていうことはバラバラになるので、誰かがまとめて総合して言えるかどうかということがこれからの課題。

イヴォーン:3人から消費者へ、こうすれば海の資源管理にも貢献できるというアドバイスを。

八木:情報に敏感であってほしいと思う。消費者の方でもこういった情報があった方がいいとか、もっと声を上げるといいと思う。

田丸:消費者には、販売店に対してもっと声をあげてほしいと思う。ニーズが上がることで、販売店の意識が変わる。供給側が言っても取り入れてもらえないが、お客さんの声は重要視される。

中田:魚離れが進み、魚の消費が少なくなれば、漁業自体の存続が難しくなっていくので、もっと魚を食べてほしい。家庭でもっと魚を食べる習慣を昔みたいに作ってほしいし、魚は料理方法が限られると思われがちだが、肉と同じようにして料理できるのだから、魚に対してもっと柔軟な発想で料理を楽しみ、魚の消費量を増やしていただきたい。それが漁業者への助けにもなる。

イヴォーン:ステイホームで家にいる時間も増えているので、ぜひいろいろな魚料理にも挑戦していただきたい。

「豊かな水産資源を持続させていくために、私たちは何ができるか、何をしていくべきかとを考えていく上で、とても大事な視点をたくさんいただくことができました。これからは毎月14日は“サステナブルなお魚を食べる日”ということも思い出して、皆さんと一緒に里海のことを考えていきたいです」と、国連大学OUIKの渡辺綱男所長が述べて、セミナーは終了しました。

セミナーの動画もこちらから試聴いただけます。

 

OUIK 生物文化多様性シリーズ#4 「地図から学ぶ北陸の里山里海のみかた」

OUIK初のマップブックとして、北陸地方の里山里海の現状や変化、多様な見方を地図から学ぶ教材を発刊しました。北陸地方(石川、福井、富山、新潟、岐阜)のスケール、石川県のスケール、七尾湾のスケールといったマルチスケールでの地図情報をまとめています。(PDF:95MB)

関連ページ(Collections at UNU)  http://collections.unu.edu/view/UNU:6540

OUIK 生物文化多様性シリーズ#3「能登の里海ムーブメントー海と暮らす知恵を伝えていく」

2015年度からOUIKが能登GIAHSを構成する市町と開催してきた里海シリーズ講座の内容をまとめたものです。海を利用してきた地域に伝わる知恵、それらを守り、現在の社会環境に合わせて活用していく取組みをまとめています。

第3回能登×イフガオ国際交流プログラム

第3回目の能登×イフガオ国際交流プログラムは12月17日(木)に行われました。

 

第1回目のレポート・このプログラムの背景はこちらから。

第2回目のレポートはこちらから。

今回は、交流の前に世界農業遺産「能登の里山里海」について学習しました。

まず、世界農業遺産のDVDを視聴し、その後、なぜ能登が世界農業遺産(GIAHS:Globally Important Agricultural Systems)になれたのか、能登GIAHSとSDGsの繋がりなどについて学びました。そして、最後にフィリピンにも一つだけGIAHSがあるということ、そしてそれが今交流をしているイフガオであることを知ると、上戸小学校の児童達は「あ、そういうことだったのか!」と、驚くと同時に納得した様子でした。能登とイフガオは、2011年に同時期にGIAHSに登録されたということ、そしてGIAHSを守り活用していくための大人向けの学校「マイスタープログラム」が両方の地域で行われていて、これまでも大人同士の交流が進められていることなどを学びました。

GIAHSの学習の後、オンライン会議システムを使って2校を繋ぎ、3回目の交流を行い、上戸小学校の5、6年生11人とイフガオのキアガン中央小学校の5年生7人が参加しました。2校のオンラインでの交流の最終回となる今回のテーマは「伝統文化」です。

まず、能登の上戸小学校の皆さんに能登の伝統文化について紹介してもらいました。最初に「祭りのごっつぉ」について説明がありました。お祭りの際にご馳走を用意し、お呼ばれに行ったり、来てもらったりすること、各家庭で用意するご馳走が少しずつ違うこと、地域で採れた旬のものを入れて作られることなどが紹介されました。

次に「キリコ」について紹介し、キリコが神輿の前や後ろに付き灯りの役目を果たしていることや、珠洲市の寺家地区の祭りは9月に行われ、キリコは高さが16.5メートルもあり、日本一ともいえる大きさで豪華であることなどの紹介がありました。

最後に祭りで歌う「きゃあらげ」について紹介がありました。男の子がお化粧をして着物を着て2種類の歌を歌うことや、歌う時に使う扇子を実際に見せて説明しました。「その日は神の使いなので地面に足をついてはいけません。そのため大人がおんぶして地面に降りる時はゴザを敷きます。」と語り、大人達が作った「曳山(ひきやま)」に乗って移動することも紹介しました。紹介の後には実際に扇子を持って「きゃあらげ」を歌い、イフガオの皆さんも一緒に手拍子をしながら喜んで歌を聞いていました。

さらに、太鼓の紹介がありました。当日参加して下さっていた生徒のお父さんから「龍神太鼓」について詳しい説明をして頂きました。龍神太鼓は1000年ぐらい前から伝わっていて、能登の国で鬼が暴れていて作物が実らず困っていたところ、龍神が来て鬼を退治してくれた、という話を太鼓で表現しているそうです。児童のお父さんと一緒に勇ましく迫力のある太鼓も披露してくれましいた。太鼓の音が大きすぎてオンライン会議システムでは途中で音を届けられなくなるというアクシデントもありましたが、映像の雰囲気からも迫力は伝わったのではないかと思います。

イフガオから上戸小学校の皆さんに沢山の質問がでました。

イフガオ児童「男の子だけが扇子を使って歌うのですか?」

上戸小児童「はい、そうです。」

イフガオ児童「学校でも歌いますか?」

上戸小児童「祭りの日に学校に来て歌います。」

次に、イフガオから伝統的な歌と踊りの発表がありました。まず、先生から太鼓の紹介があり、「皆さんの太鼓と私達の太鼓ととても似ていると思います。こちらでも太鼓を使います。」とおっしゃっていました。そして、ガムという金属でできた楽器や、地域の竹で作られた楽器などイフガオの伝統的な曲には欠かせない楽器の紹介がありました。

続いて実際にイフガオの伝統的な歌を披露してくれました。上戸小学校の皆さんは、伝統衣装に身を包み、竹の楽器を手にリズミカルに歌うイフガオのみんなの様子を真剣に見ていました。歌の後には先生から「私達トゥワリ部族のブガンというきれいな女の人の曲と、別のアヤンガン部族の強い男の人の曲を歌いました」と紹介がありました。

次に、イフガオの地域では、伝統的な踊りは、結婚式などの特別な日に披露されると紹介があり、実際に踊りを披露してくれました。

踊りのあと、上戸小学校の児童達からも沢山の質問が出ました。

上戸小児童「フィリピンにお祭りはありますか?」

イフガオ児童「はい、あります。」

先生「イフガオにもお祭りがあり、伝統的な歌を歌ったり、踊りを踊ったりします。」

上戸小児童「お祭りは年に1回ですか?」

イフガオ児童「年に1回です。」

上戸小児童「イフガオではもう雪が降りましたか?」

イフガオ児童「こちらでは雪は降りません。」

上戸小児童「能登は大雪です。」

数日前から能登では雪が降っていたこともあり、ビデオカメラ越しに降り積もった雪を見せると、温かい地域に住んでいるイフガオの先生や生徒からは見慣れない雪景色に歓声があがり、とても喜んでいる様子でした。

上戸小児童「イフガオには冬休みはありますか?」

イフガオ児童「はい、クリスマスのお休みがあります。」

上戸小児童「お祭りは何のお祭りですか?」

イフガオ児童「サンクスギビング(感謝祭、収穫祭)です。」

先生「前回お餅づくりのビデオをお見せしましたが、あれもバックレ―祭りの風景で、お米が沢山採れたことを神様に感謝するお祭りです。」

上戸小児童「いつお祭りがあるのですか?」

イフガオ児童「収穫後です。6月です。」

先生「栽培しているお米の品種によって変わりますが、6月~7月頃です。年に1回しか収穫できない品種の場合は1月にすることもあります。」

上戸小児童「お祭りは好きですか?」

イフガオ児童「はい、大好きです。歌ったり踊ったりするのが好きなのでお祭りが大好きです。食べ物もいっぱいあるので好きです。」

上戸小児童「お祭りで、キリコの様なものは使いますか?」

イフガオ児童「いいえ。収穫した食べ物を飾ったりはします。」

今回は最終回ということで、お互いに記念写真を撮って終了となりました。3回の交流を通じて、お互いの地域の食べ物や伝統文化だけでなく、気候や学校生活の様子など色々な違いや共通点を見つける良い機会になったのではないでしょうか。オンラインでの交流は今回で一区切りとなりますが、今後はカードを送り合うなど、新たな交流の形を探していく予定です。能登とイフガオの児童達の素敵な縁が今後も続きますように。

 

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