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犀桜小学校で生物文化多様性教室

国連大学OUIKが実施するSUNプロジェクト(Sustainable Urban Nature Project/ 持続可能な都市自然プロジェクト)の一環として、金沢市立犀桜小学校の生徒を対象に、野外調査と講義を組み合わせた授業を実施しました。これらの取組は、金沢における生物文化多様性への理解を深めるとともに、都市の自然や身近な地域の景観に対する関心を次世代に育むことを目的としています。

野外調査

11月7日に、犀桜小学校の周辺で野外調査を実施しました。最初の調査は犀川で行われ、児童は周辺の風景を観察しながら、川、近くの植物やより広範囲な都市をスケッチし、これらから、水流が金沢の自然と文化を形成していることを学びました。その後、学校周辺の住宅街を散策し、観察を行いました。住宅の庭にはビワ、ザクロ、柿など様々な果樹が植えられていることを外から確認しました。フアン研究員は、伝統的な日本の庭は芸術的価値と実用的価値を兼ね備え、果樹は歴史的に日常生活で食糧生産という重要な役割を果たしてき一方、これらの果樹は近年の人口減少、高齢化や空き家の増加により、管理されずに残されている現状について解説しました。国連大学OUIKはこれらの木の記録をし、地域の人々と地域の食料資源を繋ぎなおす取り組みができるよう模索しています。

次に、児童は平木さんと杉田さんの庭の外観を見学しました。フアン研究員は、これらの庭は、鞍月用水から直接水を得ているため、生物多様性が豊かであり、毎年ホタル調査が行われている場所であると説明しました。野外調査はその後、特定非営利活動法人「綴る」と共同で立ち上げたコミュニティガーデンを訪問し、児童は都市のガーデニングや、前回の活動で建てられたコンポストについて学びました。最後に、「綴る」により空き家から、コミュニティの場へと再生された「イクヤマ家」を訪問しました。「綴る」松本代表理事は「イクヤマ家」の説明をし、ここでどのような活動をしたいか児童に問いかけました。多くの児童は、畳などの資材を含む伝統的な家の建築方法などに興味を示しました。

教室での講義

12月11日に2回目の活動が行われ、フアン研究員は野外調査の経験を深める講義を行いました。講義は生物多様性と文化多様性に焦点があてられました。フアン研究員は両者の繋がり、自然との調和がいかに文化的習慣や工芸、日常生活に影響を与えてきたかを強調しました。庭主と地域の関係者が生物文化多様性、庭園管理、人口減少や維持管理などの課題についての見解を説明している「めぐるにわかなざわ」のビデオや、金沢の庭園で3年間にわたり実施された野生生物調査の結果も紹介され、児童たちの強い関心をよび、活発な意見交換がなされました。

最後に

野外調査と講義を組み合わせることで、OUIKは、生物文化多様性に対する早期の意識と責任を育むことを促進していきます。これらの活動をもとに、OUIKは生物文化多様性をより子どもたちの身近なものとし、これらのテーマを教育カリキュラムに取り入れることを支援する方法を模索していきます。

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