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『SDGs三井のごっつぉ Project』第2回

皆さん「ゴリ押し」という言葉を聞いたことがありますか?今回のSDGs 三井のごっつぉprojectではその言葉の語源になったとも言われているゴリすきをしました。

(三井ではゴリすきと言うらしいですよ)

6月19日、当日の天候はあいにくの雨時々くもり。数日前の雨と、前日の夜から雨が降り始めたことで、川の増水も心配されましたが、三井小学校の3年生から6年生まで16人の元気いっぱいの生徒たちが、輪島市三井町のとある清流にあつまりました。

この日の活動プランは3つ

・ゴリの種類や、採集道具、川のつながりを学ぶ事

・ゴリすき体験

・ゴリの試食

今回のゴリすきは、輪島市三井町民生委員の細川さん輪島市を流れる、河原田川の源流に伺い体験させていただくことになりました。

子供達も普段小学校の近くの川に今回ゴリすきを行う川が流れ込むのを聞くと「そーなんやー」、「へー!」、「知ってる」、などと思い思いの感想。

しかし、そんな清流でも近年の護岸工事や、田んぼに使用される農薬の影響などにより、ゴリが昔に比べて減ってしまったようです。

そして、次はゴリすきの道具を紹介していただきます。昔の道具から市販のタモ網を改良した現代版(細川さん自作)の3種類の道具をみせていただきます。昔のブッテと呼ばれる道具はなんと130本も細く割った竹を編んでいるとの事。材料を調達するのも今では難しくなりました。ゴリを追い込んだら手前の紐を引き上げ掬い上げます。漁をする姿もさすがに風情がありますね。

 

 

 

 

 

 

さて天候も心配なのでそろそろ実際にゴリすきをやっていきます。

滑らないように川に向かいます。集落の方々によって草刈りがされて雨に濡れた植物からは、はっぱの香りがします。

子供達は事前学習として、ゴリの絵本「だぼはぜ よしのぼりのぼうけん」を読み聞かせの時間に地域の山下さんに読んでいただきました。この本のダボハゼは吸盤を使って川を遡上していきますが、今回捕まえるのは吸盤のないタイプ。細川さん曰く「より清流に棲む吸盤のないゴリの方が美味!」だそう。

 

 

そして、さらにプログラム1週間ほど前に細川さんに水槽にいれたゴリ(と、しまどじょう)を数匹学校にお渡ししていただいているので、ゴリの観察もできました。

 

 

 

 

 

 

しかし、ゴリすきをしたことのある子どもはいませんでした。

とれるかな?

細川さんにお手本をみせていただきましょう。いざ、一回目。

「とれた!」 なんと一回でゴリを見事get!これには子供達も大はしゃぎです。やはり実際で目の前でゴリすきの様子を見ると子供達も関心度が一気に上がります。とはいえそこはやはり達人のなせる技、何気なく見えて実は岸辺からゴリの隠れていそうな石、攻める角度、水位などお見通しの上です。

 

はやく川にはいってやりたいとソワソワする子供達。

入ってみると、水温は結構低め。ちょっと増水していたのでみんな長靴の中まで浸水してしまいました。

「つめたーい」と言いながら川に入った子供達もいざやってみると、川の冷たさも忘れて夢中で、川に手をつっこみます。

 

 

 

 

 

 

岩をどかして、足で追い込むようにジグザグに進んで、網をあげると、

「いない〜!」「石ばっかり〜!!」

最初は、1人で網も追い込みもやっていた子供達でしたが、次第にチームプレイに変わっていきます。1人が網を持ち、1人が岩をどけ、みんなで追い込む。楽しみながらも、協力したほうがとれるということを自然と理解していくのですね。

上流チームから「とれた!」の歓声を聞いて焦る下流チーム。30分ほどで、どの子供達もゴリすきを体験し、

みんなで10匹ほどとることができました。

 

 

 

 

 

ゴリ以外にも川の生き物を見ることができました。

これはなんのいきものでしょうか?

「へびとんぼ!」と虫博士のこどもが大きな声で。さすが私たち大人よりも、子供たちの方がよく知っています。

さて、次はいよいよみんなお楽しみ、試食の時間です。

 

 

 

 

 

 

みんなでとったゴリに串をうっていきます。食事をするということは命をいただくということ。子供達はさっきまで生きていたゴリを見ているのでなんだか複雑な表情。

子供達も串うちをやってみます。こうやってみんな命をいただいているのですね。

 

 

 

 

 

 

炭火で焼いたゴリに細川さん秘伝のタレをかけていきます。このタレには焼いたゴリの油を落としていき、つぎたしつぎたしで作っているとのこと。なんとも香ばしい匂いがお昼時のお腹を刺激します。

「いいにおい~」、「みたらしだんごみたい~」、「はやくたべたい!」、子供達もゴリすき頑張ったのでお腹ペコペコです。

「いただきます」

「おいしい!」

「もっとたべたい!」

「ぼく、こんなおいしいもの食べられるならまたゴリすきやりたい!」

一人2匹ずついただいたゴリもあっという間にペロリ。

「ごちそうさまでした」(もっと食べたいなぁ・・・・)

「ゴリすきをこれからもやるには、どうしなきゃいけないの?」と質問してみると

「川をきれいにしなきゃだめ!」

おいしい命をいただいて、その命をはぐくむ自然にも子供達の関心は移っていったのでしょうか?

最後にみんなでとって、食べなかった小さい個体のゴリを川にかえします。

どんなものでも、とれたものはそのまま持ち帰っていいわけではないのですね。小さい個体は自然にかえして、また次も、来年もずっとゴリすきが出来るように、みんなで守っていかなければなりません。

 

それでは学校に戻りましょうか。細川さん、

「ありがとうございました」

 

学校に戻るまでが、学習!ということなのか、帰りのバス内でもゴリの話に花がさきます。

今日は講師の細川さんのお孫さんもいらっしゃいました。おじいちゃんが先生というのでちょっと恥ずかし気な様子でした。

バスの中で他の子供達に「こんな美味しいゴリをいつも食べているの?」と質問されると、

「いつもは食べない」

と言ったらみんなが

「ゴリはすごく美味しいから今度からいっぱい食べなきゃ」、「うらやましい」と言っていました。

嬉しそうにそっと「うん。」と頷く姿は、みんなが認めてくれて彼女の中の日常がちょっとだけspecialになったように見え、自分たちの地域の自然や伝統的な知恵を誇りに思ってくれたようで少し、心が温かくなりました。

 

たった2時間ほどのワークショップではありましたが、子供達がどんどん成長していくのが分かりました。

子供達自ら、どうすればゴリをとれるのか協力し合い、どうすれば今後も継続的にゴリすきをしていけるのか考えていく様子は、まさに自然と触れ合うことのできる能登の里山学習ならではないでしょうか。

これからも楽しく「ごっつぉ」を食べて、守っていかなければなりませんね。

最後に協力してくださった、みなさんありがとうございました。

 

 

私たち萩野アトリエ/まるやま組では、「SDGs 三井ごっつぉproject」で行われている三井小学校の授業における、企画・実行を行っています。今後も、能登の里山・里海などの自然、子供達の未来がよりよいものとなる事を願っております。

執筆:萩野アトリエ/まるやま組 松野慎也

校正:萩野アトリエ/まるやま組 萩のゆき、萩野紀一郎(富山大学 芸術文化学部 准教授)

 

 

国連大学OUIKでは「世界農業遺産(GIAHS)能登の里山里海」を利用した持続可能な未来へ向けての教育活動をサポートしています。

一言で「能登の里山里海」と言っても地域によって異なる様々な伝統文化がありますが、三井小学校のような活動が能登の他の地域でも行われ、里海、里山間で交流が生まれるようなプラットフォーム作りを進めていきたいと思います。

さて、次回はどんな「ごっつぉ」を作るのでしょうか?

「SDGs三井のごっつぉproject」は通年のプログラムとして続きます。

 

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