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COP30イベントに石川県のユースが登壇

ブラジル、ベレンで開催されていた国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(UNFCCC COP30)にて、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、石川県から参加したユースと、文化、自然および気候行動のつながりについて考えるイベントを開催しました。UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)では、次世代リーダー育成プログラムを実施しており、石川県全域の学生を対象に、国際政策対話に貢献するための理解と能力を育成を目指しています。同プログラムの一環として選出された、金沢錦丘高等学校 平美優さんと金沢大学附属高等学校  橘葵衣さんの2名がCOPに参加しました。

 

活動1. タイ・パビリオンでの「Youth Dialogue Session」に参加

2025年11月19日、UNFCCC COP30会場内のタイ・パビリオンにて開催された「Youth Dialogue Session(再生の世代:気候危機におけるユースの行動と意味づけ」」と題したイベントに平美優さんが登壇しました。本セッションでは、気候変動に対する若者の役割や、次世代がCOPに期待することについて、多様な国・地域から集まった7名の若者が意見を交わしました。高校生として登壇したのは平さんのみでしたが、積極的に議論に参加し、ユースの視点から明確なメッセージを発信しました。平さんは、大人と若者の協働の重要性を強調しました。大人が持つ知識と経験、ユースが持つ柔軟なアイデアと情熱が合わさることで、より実効性のあるアクションへつながると述べました。また、ユースが環境問題について体系的に学べる機会がまだ十分に整っていない現状を踏まえ、教育機会の拡充を強く求めました。

イベント最中には日本の石原宏高環境大臣もパビリオンを訪れ、ユースとの議論に関心を示しました。大臣は登壇者をねぎらい、タイ環境省の関係者とともに意見交換の場に加わりました。また、セッション後には、ワシントン大学の学生から平さんへ伝統柄の布が贈られ、平さんは折り鶴を返礼として渡しました。国際的な学生同士の心温まる交流が生まれ、気候行動における文化理解の重要性が示される場面となりました。

 

活動2. Ink and Earth: 自然と響き合う書のこころ” — OUIKが文化と自然のつながりを紹介

11月20日に同じくタイ・パビリオンにて国連大学OUIKは文化と自然の関係性をテーマとしたセッション「Ink and Earth: 自然と響き合う書のこころ」を開催しました。本イベントは、地域の伝統文化と自然観を通じて、持続可能な都市づくりや若者の気候行動への関心を高めることを目的に実施されました。
冒頭では、OUIKのフアン・パストール・イヴァルース研究員が登壇し、国連大学の活動、金沢の街並みや歴史的庭園が育んできた文化と自然の深い結びつきについて紹介しました。さらに国連大学OUIKが実施する都市自然プロジェクト(Sustainable Urban Nature Project/SUNプロジェクト)の概要を説明し、都市における自然と文化の再生・共存の重要性を強調しました。

続いて、橘葵衣さんは、書道パフォーマンスを披露しました。「一期一会」「山紫水明」という日本の自然観を象徴する言葉を書き上げました。フアン研究員は、これらの言葉に込められた意味や、日本文化が自然との調和をどのように表現してきたかを観客に解説し、参加者の理解を深めました。イベント後半では、来場者が「明日の地球のための一言」を選ぶ対話の時間が設けられ、Hope(希望)、Inspiration(ひらめき)、Innovation(革新)が挙げられました。議論の結果、「Re-birth(再生)」が選ばれ、橘さんは力強く書き上げ、この3つの言葉は、 今日の出会い「一期一会」が、ユースが望む未来を思い描き、日々の気候行動につなぐ「再生」の決意となることを象徴していると述べました。

本イベントは、書の表現を媒介に、文化と自然が響き合う金沢ならではの視点を世界に向けて発信する機会となりました。また、若者が自らの文化的背景をもとに気候行動の意味を再定義し、国際社会に向けてメッセージを伝える場としても大きな意義を持ちました。

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