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「自然と調和する都市:地球規模の取り組みから地域の生物多様性行動へ」ワークショップ(台湾・高雄市)

国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティングユニット(UNU-IAS OUIK)フアン・パストール・イーヴァルス研究員は、イクレイ(ICLEI)-持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会、高雄ネットゼロ研究所に招待され、2025年9月26日に台湾・高雄市で開催された国際ワークショップ「自然と共生する都市:地球規模の約束から地域の生物多様性行動へ」に参加しました。ICLEIが地方政府や学術機関と主催した本イベントには、市・県の環境担当官、研究者、市民社会代表者など50名以上が参加しました。

午前のセッションでは、国際的な専門家による基調講演が行われ、神戸市環境局 環境局部長(自然環境担当)の岡田篤氏が神戸の里山生物多様性モデルについて発表しました。その後、フアン研究員は「都市生物多様性のためのグローバルツールとローカルアクション:金沢をはじめとする科学と自然に基づく解決策」というテーマで発表し、科学に基づく地域生物多様性行動計画の策定方法に焦点を当てました。フアン研究員は、金沢市の持続可能な都市自然プロジェクト(Sustainable Urban Nature Project/SUNプロジェクト)、市民科学イニシアチブ、そして社会生態学的回復のモデルシステムより日本庭園研究から得た知見を基に、生物多様性計画におけるデータに基づいたアプローチを紹介し、地球規模の生物多様性枠組みと地域レベルの行動を結びつけました。

午後は、参加者交流型ワークショップが行われ、小グループに分かれて地域生物多様性行動計画(LBAP)の設計、生物多様性モニタリングのベースライン設定、科学的データと政策を結びつける戦略について議論しました。

ワークショップ終了後、参加者は高雄国立自然公園と洲仔湿地公園を視察しました。洲仔湿地公園は市民と地方政府が共同管理する再生生態系であり、これらの訪問では自然再生の成功事例と活発な地域コミュニティとの協働が紹介されました。

このミッションは、UNU-IAS-OUIK、ICLEI、および台湾の都市間の連携を強化し、昆明・モントリオール生物多様性枠組みやベルリン都市自然協定といった国際的な取り組みを、地域レベルで実行可能な計画へと転換する連携を推進しました。また、この交流は進行中のSUNプロジェクトを充実させるとともに、UNEP(国連環境計画)の世代間環境回復プロジェクトにおけるモデル都市としての金沢市の役割を広く発信する機会となりました。

今後、OUIKとICLEIは、アジアまたは地域を超えて、科学に基づく包括的で自然を尊重する都市計画を推進するため、地方自治体の能力構築支援を継続していきます。

写真提供:© ICLEI KCC

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