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2026世界農業遺産国際スタディ・プログラム(イタリア訪問)

2026年9月1日~7日、石川県内の学生が、世界農業遺産(GIAHS)国際スタディ・プログラムの一環として、イタリアのローマおよびウンブリア州を訪問しました。石川県と国連大学OUIKが共催する本プログラムは、GIAHSをテーマに国際的な視点から持続可能性や地域の課題について学び、次世代の人材を育成することを目的としています。

2011年に日本で初めてGIAHSに認定された能登地域では、2024年の能登半島地震と奥能登豪雨からの復興が進められています。8月の能登視察研修につづき、今回の研修では、国連機関での講義や学生による発表、イタリアのGIAHS認定地域での現地研修を通じて、農業や食文化、伝統的知識の価値を学び、それらを能登の復興や地域の未来にどう生かせるかを考えました。

ローマの国連機関本部訪問

9月2日には、国際農業開発基金(IFAD)本部を訪問し、IFADの組織の仕組みや目的、農村地域の貧困削減に向けた活動について説明を受けました。また、活動を支えるファンドレイジング(資金調達)についても学び、国際機関が支援を継続するための資金確保や、活動の意義を伝えることの重要性について理解を深めました。IFADのスペシャリストであるSilvia Sperandini 氏からは特に、ジェンダーの視点からのエンパワーメントについて学び、女性が農業や地域の暮らしを支える役割と、その力を十分に発揮できる環境づくりについて考えました。女性の経済活動や意思決定への参加を後押しすることは、個人の可能性を広げるだけでなく、地域全体の持続可能性にもつながります。学生たちは、こうした国際的な取組を能登の状況と照らし合わせ、農業や食文化の継承、災害からの復興において、多様な人々の参画や活動を支える仕組みの重要性を考える機会となりました。

続いて、9月3日には、GIAHSの認定を行う国連食糧農業機関(FAO)本部を訪問しました。まず、食料・農業博物館・ネットワーク(Food and Agriculture Museum & Network:MuNe)を見学し、展示を通じてFAOの設立の歴史的背景や、食料問題に対する取組、食料・農業をめぐる世界的な動きについて学びました。また、FAO本部のツアーにも参加し、国際的な議論や協力の場を見学しながら、FAOの役割への理解を深めました。

その後、学生たちはGIAHSの専門家に向けて、能登GIAHSが直面する課題について発表しました。これまでの講義や能登での現地研修を通じて得た知見をもとに、学生の視点から課題を整理し、地域の未来に向けた提案を伝えました。専門家との意見交換やフィードバックを通じて、自らの考えを深めるとともに、能登の課題を国際的な視点から捉え直す貴重な機会となりました。

ウンブリア州でイタリアの世界農業遺産を体験

 

 

 

 

 

 

ローマでの研修後、学生たちはウンブリア州のオリーブ農場に滞在し、農業と地域の暮らしが結び付くイタリアのGIAHSを体験しました。サベリオ・パンドルフィ博士による講義やオリーブ畑の見学、4種類のオリーブオイルのテイスティングを通じて、栽培の歴史や伝統、品種による風味の違いを学びました。地域で受け継がれてきた知識や農産物の多様性が、食文化や品質を支えていることへの理解を深めました。

GIAHS認定地域「アッシジとスポレートの間のオリーブ地帯」では、オリーブ畑や千年樹の見学、搾油施設や博物館への訪問を通じて、長年の農業の営みが景観や文化を形づくり、現代の生産技術とともに継承されていることを学びました。地域の伝統料理にも触れ、農業遺産を、農作物の生産だけでなく、食や歴史、人々の暮らしが一体となった生きた仕組みとして捉える機会となりました。

研修の最後には、こうした学びを能登と照らし合わせ、共通点や相違点を振り返りました。学生たちは今後、帰国後の報告会などで成果を共有し、地域の資源や伝統的知識を能登GIAHSの継承と復興にどう生かせるか、考えを深めていきます。

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