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韓国/日本の世界農業遺産(GIAHS)地域の「GIAHSモニタリングワークショップ」開催

日時 / Date : 2021/10/6. 13
場所 / Place : Online

UNU-IAS OUIKとRDAは、2018年より「農業遺産システムにおける特性分析と保全管理に関する手法開発」共同研究プロジェクトを実施し、韓国と日本の経験に基づき世界農業遺産(GIAHS)モニタリングのための指標とガイドライン開発のための研究を進めてきました。その一環として、UNU-IAS OUIKとRDAは、試案となるGIAHSモニタリングの基準と指標を開発し、日韓のGIAHS地域関係者とそれらについて協議するためのワークショップを、2021年10月6日に韓国GIAHS地域、10月13日に日本GIAHS地域向けに開催し、日韓すべてのGIAHS地域からの行政担当者と関係者がご参加いただきました。

ワークショップでは、本研究がまとめた基準と指標についてその実現可能性を検討し、モニタリングの実施に直面する課題についてご意見をいただきました。さらにデータ収集とモニタリングの結果の有効的な活用、そしてGIAHSと持続可能な開発目標SDGsとの関連性について議論を深めました。

 

(左)2021年10月6日韓国GIAHSワークショップ、(右)2021年10月13日日本GIAHSワークショップ

 

参加者が活発に意見を交わし、主に下記のとおり認識を共有しました。

GIAHSのモニタリングは、主要な基本原則に基づいて行う必要があり、主に次のような原則のもとで実施するとよいと考えます。1)モニタリングの価値と目的を明確に定義し、データ収集の意義も明確にすることです。2)GIAHS関係者に負担をかけることなく重要な変化を追跡するために、より広い目的とGIAHSに特化した目標設定のバランスをとることです。 3)GIAHSのすべての要素を検証する難しさ、システム自体の複雑さとモニタリングの実施サイクル間に生じるギャップを考慮した現実的な基準と指標を設定することです。4)第三者による評価や参加型モニタリングのための地域住民の能力開発を含む、モニタリング活動のための適切な人員配置と資金提供を確保することです。5)モニタリング結果を共有するための戦略的方法を施策し、それらの方法を適切に活用しながら、新たな可能性や戦略的方向性を見つけ出し、行動計画を改善することです。

また、モニタリング指標は、適用可能で、実行可能で、関連性があるものにすることです。各自の地域実情に応じなら、GIAHS地域の全体的なニーズ、環境、文化的慣行の多様性、プライバシーや物理的要因によるデータ収集の困難に適応する標準と指標の設定が必要です。定量化できないデータは、GIAHSに対する住民の知識、態度、認識や、地域団体の活動を把握するためのアンケート調査などで補完することができます。モニタリングの実施方法と設計、持続可能な開発目標(SDGs)とGIAHSの保全との結びつきなど、GIAHSモニタリングに関する担当者や地域関係者向けの技術的研修はGIAHS地域の能力を向上させるのに役立ちます。具体的には、認知度が高いSDGsは、GIAHSに対する一般の認識を高め、社会、環境、文化の持続可能性に貢献するGIAHSのポテンシャルを理解、強化するためのプラットフォームとして活用できます。

上記のご意見を踏まえ、本研究は今年度内に(GIAHS)モニタリングのための指標とガイドラインにまとめることを目指します。また、以上の議論をさらに深めるために、UNU-IAS OUIKとRDAは、2021年11月5日(金)14:00から17:00に「New Normal 時代の農業遺産保全と価値の向上」と題した国際シンポジウムを開催します。詳しくはこちらをご覧ください。

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