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地域との研究活動:アーカイブ

「千田家庭園」清掃SDGsツアー ―市民も観光客も庭師になろう!―

 3月28日日曜日に、長町武家屋敷エリアに位置する金沢市指定名勝千田家庭園(非公開庭園)にて、庭園清掃SDGsツアーを開催しました。このツアーは、これまでJuan Pastor Ivars 研究員が金沢市内の自然と文化を体感するために開催してきた庭園清掃ワークショップを、観光客も参加するツアーモデルとして展開出来るよう、令和二年度金沢市SDGsツーリズム推進事業を使って実施したものです。

 日本庭園でのこのような清掃ボランティア活動は、これまでは金沢市景観政策課や金沢美術工芸大学など、自治体職員、研究者や学生などが中心となって実施されてきました。Juan研究員も2017年より活動に加わり、庭園清掃に、庭園の歴史や維持管理方法について学ぶワークショップやお茶会を組み込んで体験型プログラムに仕立て、プログラムの定着と普及啓発を図ってきました。

 日本庭園を含む都市部の緑は、地球温暖化対策、ヒートアイランド対策にもなり、都市の固有の生態系や生物多様性の保全につながります。また、金沢市においては、工芸やお茶などの文化的営みや文化的景観の継承にも貢献してきました。更には、自然との関わりは心や体の健康への影響も指摘されています。しかし、人口構造の変化に伴って、維持管理のための担い手不足や維持管理の不届きが起こり、金沢市の持つ都市の自然や文化的景観、そしてそれに付随する文化的活動の次世代への継承が難しくなりつつあります。

 このような課題の解決策として、Juan研究員は清掃活動を「エコツーリズム」として幅広い人に知ってもらうための仕組みづくりを探索してきました。今回は国際交流事業に強みのある株式会社You-I Japanと協力しワークショップを実施することで、インバウンド観光客と市民が協力して金沢のまちの緑と文化を共に継承していくツアーモデルの可能性を探りました。先日、卯辰山山麓寺院群と永久寺にて実施したツアーに続くSDGsツアーの開催になります。

 当日はあいにくの小雨でしたが、朝9時に千田家庭園前にて待ち合わせ。金沢工業大学の日本人学生や金沢大学のロシア人学生など、総勢8名が参加しました。最初、庭園の修復にも関わっている金沢美術工芸大学の鍔先生から庭園設計についてお話を伺います。千田家庭園は脇に流れる大野庄用水から取水し、庭園の中心に位置する池を通って用水に戻される池泉回遊式庭園。座敷から池の向こうに見える石と木々の配置の一部は、長寿の象徴である鶴と亀を模しているそう。日本庭園の芸術性の奥深さを学びます。その後は、2人1組になって池の底に溜まった泥を取り除く作業を行います。参加者の皆さんは黙々と掃除に没頭します。水の流れに沿って、泥がたくさん溜まっているところとそうではないところもあるようです。

 掃除の後は、休憩を挟み、所有者の千田さんより庭園の歴史についてお話を聞きます。千田家庭園は、明治時代中頃、西南戦争において功績を挙げた千田登文が作庭しました。往年の写真を通して、時代とともに庭園のデザインも少し変化していることが伺い知れます。今ではツツジが配されている土縁周囲のデザインにも違いが見られ、また、滝組が配されている石組周囲には水車も設置されていたそうです。千田さんは、このように、庭園の生態系が創り出す景観的美しさと歴史文化的価値を併せ持つ千田家庭園を千田登文の歴史とともに公開することを考えているそうです。

 この日はツアー開催前に、千田家庭園で庭園の生物種を確認する生物調査も実施されました。エビやヤゴ、ドンゴやアユまで、池の中からは多くの生物種が見つかり、参加者で観察することが出来ました。庭園の自然と文化の連なりを学ぶ貴重な機会となりました。

 最後に、参加者とともに意見交換会を行いました。近年、観光客も趣向が変わり、より地域に入り込んで現地ならではの体験や地域そのものが垣間見れる特別な経験を望むようになっているよう。庭園ワークショップもツアーコンテンツとしての可能性は秘めていますが、文化的背景が異なる他国の方々へは庭園技術の違いや地域の歴史文化を工夫して説明していくことが必要。一方で、日本庭園造園の技術的奥深さへの気づきのコメントもいただきました。

 

 金沢市に蓄積された特有のまちの緑と文化を観光客と地域住民が協力しながら共同管理し、そして、その自然文化的価値を次世代に継承していくことに貢献出来るツアーモデルのあり方について、今後も考えて行きます。

【イベント告知】持続可能な都市自然プロジェクトアンケート結果報告・意見交換会

 最近、お住まいの地域では空き家や空き地、アスファルトの駐車場が増えたり、自宅の庭の手入れが行き届かないと感じることはないでしょうか?金沢市はかつて城下町として栄え、戦災や自然災害を受けなかったことから、十分に手入れされた美しい緑や庭園といった都市の自然が受け継がれ、鳥や昆虫、魚などの多種多様な生物のすみかになっていました。そして、それらが文化を育み、同時に住民の生活の質を高め、豊かにしてくれていました。また都市の自然は防災や減災対策にも機能するものです。しかし、人口減少や高齢化などの人口の変化により、都市自然や文化的景観が徐々に減ってきています。こうしたまちの緑や自然を取り戻し、地域の回復力を向上させるため、OUIKは2019年から2つのモデル地域を設定して、SUNプロジェクト(持続可能な都市自然プロジェクト)という研究活動を行なってきました。

 今回、このプロジェクトの一環として昨年11月、12月に実施したアンケート調査について、その結果の報告と意見交換を行う報告会・意見交換会を開催いたします。SUNプロジェクトのモデル地域にお住いの方におかれましては、この度は、アンケート調査にご協力いただきまして、大変ありがとうございました。この報告・意見交換会は、アンケート調査にご協力いただきました2つのモデル地域の4箇所(菊川校区、新竪町地区、森山校下、馬場校下)にて、下記の要領にて開催を予定しています。

 

<日程>

1.     2021年4月22日(木)19:30〜20:30
会場:菊川町公民館(菊川丁目3番3号)
対象:菊川1丁目、菊川2丁目、幸町地区にお住いの方

2.     2021年4月23日(金)19:30〜20:30
会場:新竪町公民館(鱗町62)
対象:菊川1丁目、菊川2丁目、幸町地区にお住いの方

3.     2021年4月27日(火)19:30〜20:30
会場:馬場公民館(東山3丁目9-35)
対象:東山2丁目、山ノ上町地区にお住いの方

4.     2021年4月28日(水)19:30〜20:30
会場:森山公民館(森山2丁目11-13)
対象:東山2丁目、山ノ上町地区にお住いの方

 

<応募方法>
①申込フォーム、または②FAXよりお申し込みください。

①   申込フォーム
こちらのリンクの先の申込フォームに必要事項を入力し、送信して申し込みください。

②   FAX
添付のチラシ中の「参加申込書」に必要事項を記載の上、FAXでお申し込みください。会場ごとに異なる「参加申込書」が用意されております。お手数ですが、ご留意をお願い致します。

★このイベントは席数が限られています。登録者が定員に達し次第、登録を終了させていただきます。会場は新型コロナウイルス感染予防のため、室内換気を十分に行うとともに、消毒液の設置をします。ご参加の際は、マスク着用にご協力をお願いいたします。 当日に体調がすぐれない場合は、ご参加をお控えください。

 

この機会に、地域の緑や自然について、みなさまと一緒に考えていけますと嬉しく思います。みなさまのご参加をお待ちしております!

 

この報告・意見交換会の案内と応募方法の詳細については、添付のチラシもご確認ください。会場ごとに別々の案内と「参加申込書」が用意されておりますので、お手数ですがお申し込みの際にはご留意ください。

ごっつぉ草紙 Red data cook book

2018年、国連大学OUIKでは「世界農業遺産(GIAHS)能登の里山里海」の価値を次世代に伝えるため、教育絵本「ごっつぉをつくろう」を制作しました。この本は季節ごとに様々な地域の食材を使いながら能登の祭りごっつぉ(ご馳走)を作っていく物語です。「食」を通じて能登の農業や生き物、文化の理解を深めることを目的としています。

2019年、このその絵本を元に輪島市で「地域に根ざした学びの場・まるやま組」では地域のご馳走の食材をあつめながら自然や文化について学ぶモデル授業「三井のごっつぉproject」を輪島市立三井小学校の児童を対象に行いました。

この「ごっつぉ草紙 Red data cook book」は一年を通して行ったこの教育活動の記録です。さらに授業の中では紹介できなかった地域に残る郷土料理や食材など「ふるさとの味」を季節ごとに紹介しています。

 

発行   2020年10月16日 World Food Day

制作   能登地域GIAHS推進協議会

協力   輪島市立三井小学校、輪島市三井公民館、市ノ坂集落、輪島エコ自然農、能登SDGsラボ、能登里山里海SDGsマイスタープログラム

企画・編集・デザイン・写真  萩のゆき(萩野アトリエ、まるやま組)
萩野紀一郎(富山大学芸術文化学部、まるやま組)

モニタリング・解説  伊藤浩二(岐阜大学、能登SDGsラボ連携研究員、まるやま組)

発行   国連大学サスティナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)

 

能登GIAHS生物多様性ワーキンググループ 第一回準備会合

能登地域の自治体が組織する「能登地域GIAHS推進協議会」が「能登の里山里海」を世界農業遺産に推薦し、2011年6月に認定されてからもうすぐ10年になります。能登地域GIAHS推進協議会では能登の里山里海の保全と活用を目指し、保全活用計画を策定しています。現在2度目のアクションプランの改訂作業が進んでいて、OUIKでは石川県と推進協議会と協力しながら、これらの作業に関わるとともに、能登の里山里海の保全・活用のあり方、多様な関係者が関われるプラットフォーム作りなどの面からアドバイスしています。

この能登地域GIAHS推進協議会では、能登の生物多様性に関わりの深いメンバーを中心にした生物多様性に関するワーキンググループの立ち上げに向けた準備が現在進められていて、国連大学もサポートをしています。先月2月26日、石川県水産総合センター(能登町)内の会議室にて、立ち上げに向けた準備会合の第一回目が開催され、能登地域では現在どんな取り組みが行われていて、どんな課題があるのかなどについて話し合いが行われました。

【開催報告】令和2年度第4回能登の里海セミナー「里海の保全から考えるSDG14の達成 -『海洋の温暖化・酸性化』ー」

令和2年度、4回にわたって開催した「能登の里海セミナー」。4回目の今回は、SDG14「海の豊かさを守ろう」の10のターゲットの中から、地球温暖化による海洋温暖化や酸性化削減に関する「SDG14.3」を取り上げました。3名の専門家にご登壇いただき、国内外における近年の海洋の温暖化・酸性化の影響や保全の取り組みを紹介するとともに、地球温暖化の影響を軽減するために私たちができることについて考えました。

 

「SDG14.3」がめざすこと

 環境問題を語るのに、気候変動や生物多様性とテーマは多々ありますが、とても重要な分野の1つが海洋です。あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響に対処し最小限化するというのが「SDG14.3」。海の温暖化と酸性化は表裏一体の問題ですが、気候変動と温暖化の対処としては「SDG13」があり、「SDG14.3」では海の酸性化にフォーカスしています。
 海はCO2や熱エネルギーを吸収し、地球温暖化を和らげる役割があります。しかしこの数十年の間に大量に吸収していて、今後さらに海水温が上昇し、酸性化が進むと思われています。海がCO2を吸収すると海洋酸性化が起こり、産業革命以前と比較すると26%上昇しています。──以上、国連大学OUIK研究員のイヴォーン・ユーの発表から。

 

基調講義「海の温暖化と生物への影響」

 科学ジャーナリストの山本智之さんに、海で起こっていることや、それが私たちにはどういう意味を持つかということを基調講義していただきました。

サンゴ礁生態系の危機

 2018年に行った沖縄県宮古島沖の巨大サンゴ礁「八重干瀬(やびじ)」の調査で、海底に占める生きたサンゴの面積は10年前と比較して、主に白化現象が原因で約7割減ってしまったことが判明。サンゴは動物の一種ですが、体内には褐虫藻という微小な藻類が共生しています。褐虫藻が光合成で作った栄養をサンゴに与えていますが、高い水温などのストレスが加わると褐虫藻が大幅に減少し、サンゴの骨格が透けて見える「白化現象」が起こります。この状態が長く続くと、サンゴは栄養失調で死んでしまうのです。
 サンゴ礁は多くの生き物が集まる「生物多様性の宝庫」であり、大波から島を守る天然の防波堤にもなります。IPCCの『1.5℃特別報告書』では、世界の平均気温が産業革命前より1.5℃上昇すると、サンゴの生息域の70〜90%が消失。2℃上昇では99%以上が失われると予測されています。

温暖化による気温・海水温の上昇

 世界の平均気温の上昇と同じように、世界の海面水温も100年あたり0.55℃のペースで上昇を続けています。日本では過去100年間で1.14℃も上昇し、世界平均を上回るペースで温暖化が進んでいます。中でも一番上昇ペースが速いのが日本海中部で、1.72℃となっています。今後100年間では、今までの約3倍のスピードで海の温暖化が進むという予測もあります。海の生き物はたった1℃の上昇でもものすごく影響を受けますが、3℃や4℃の上昇は、生物相がガラッと変わってしまうような大きな変化を意味します。

海洋生物への影響と将来予測

 瀬戸内海で春を告げる魚とした親しまれてきた鰆(サワラ)は、温暖化による海水温の上昇が影響して、これまであまり獲れなかった日本海で漁獲量が増加しています。海水温上昇では、サケ、イカナゴ、クロマグロ、ホタテガイ、コンブ類などが激減する可能性があると言われています。最悪の場合はこれらの食材が日本から消える可能性も考えられます。

温暖化と「適応策」

 高い気温により果実への影響も出ています。リンゴの栽培適地は北上する一方、パッションフルーツなど南国系果実の栽培が本州でも増えてきています。温暖化という環境変化にどのように適応していくかという視野で対策を考える「適応策」には、栽培技術による対応、高温耐性品種への植え替え、樹種転換の3つのパターンがありますが、パッションフルーツはこれらの中の樹種転換にあたります。
 また、海産物においても明らかな影響が見られています。「鳴門わかめ」のブランドで知られる徳島県は日本のワカメの生産地の中では南にあるため、温暖化の影響を受けやすく、生産量が減少傾向にあります。現在は最先端技術を用いて、高水温に強い新品種(NT株)の開発に成功。高温に強いことに加えて、成長も早く、食味も従来のものと変わらないため、徳島県で生産される養殖ワカメ全体の2割ほどがこの品種に置き替わっています。

もう一つのCO2問題〜海洋酸性化

 CO2は水に溶けると酸として働きます。人間活動で排出される二酸化炭素の約4分の1を海が吸収していて、海は温暖化のブレーキ役になっていると思われていましたが、CO2をどんどん吸収することで、海自体の化学的な性質が変わってしまいました。海の酸性化が起こると、ウニや貝類、サンゴなど炭酸カルシウムの殻や骨格を作る生き物が、それを作りにくくなってしまいます。世界中の海で今後、さらに酸性化が進行すると予測されており、最も深刻なシナリオでは、今世紀末ではpHが7.8くらいまで低下すると予測されています。

私たちはどう対処するべきか

 大気へのCO2の排出が今のペースで続けば、温暖化と海の酸性化は確実に進みます。国レベルでは、「再生可能エネルギー」の導入を増やしていく取り組みにもっと力を入れるべきではないでしょうか。そして消費者にできることの一つが、食生活における新たな適応策です。例えば海水温の上昇で生息域が北に広がるアイゴという魚を食すること。アイゴはカジメなどの大型海藻を食べるため、磯焼けがさらに拡大することが懸念されています。アイゴを食べる習慣がなかった地域でも食べるようにすれば、沿岸の藻場を守ることができ、一石二鳥となります。

 温暖化と酸性化の解決にはCO2の排出削減の取り組みが不可欠です。それと同時に温暖化した世界の下で生き延びるための適応策も今から先取りして進めていく必要があります。

 

活動紹介 ①「魚の研究からみた里海・里山の温暖化」 

 7年間ヤツメウナギの研究をしている石川県立大学大学院の荒川裕亮さんから、温暖化の事例を絡めて石川県を中心とした海の中の生物の状況を紹介してもらいました。

 温暖化によって、里山では白山の積雪が減ると獣害が拡大し、湧水が減少することでトミヨなど湧水に依存する生物が影響を受けます。また里海では沿岸水温が上昇することから藻場が影響を受けます。藻場は魚にとってゆりかごともいわれ、藻場の減少は水産資源にも影響することが考えられます。
 能登半島には「ボラ待ちやぐら」や「定置網漁」、「カワヤツメ漁」などの伝統的な水産業があり、そこで育まれた「地域の生態学的知識」は生物資源管理に有効で、生物多様性の保全や持続的な資源の利用に活用できるとともに、温暖化・環境改変による水産資源への影響を評価する上でも必要です。

 カワヤツメは遡河回遊性のヤツメウナギの一種です。生活史としては、川で産卵し、川で数年過ごした後に海へ回遊し、再び河川へ戻ってきます。川の中に立ってヤツメウナギを「カンコ」と呼ばれる漁具で引っ掛けて捕まえる漁が、かつては能登半島では春の風物詩でした。昔は漁師が一人でドラム缶1杯のヤツメウナギを捕まえていたそうですが、今では1匹捕まったらいいというくらいに激減しています。能登半島でのカワヤツメの減少は、温暖化による分布域の北上以外にも、遡上を妨げるダム・堰堤など構造物の影響も考えられています。

 

活動紹介 ②「未来にアクション 地球温暖化防止のためにできること」

 続いて、環境カウンセラーの中村早苗さんに、石川県内における地球温暖化の防止・対策・啓発の活動についてお話しいただきました。

 IPCCの『1.5℃特別報告書』では、平均気温上昇を1.5℃以内に抑制するためには、CO2排出量が2030年までに45%削減され、2050年頃には正味ゼロに達する必要があるとしています。日本も2050年「脱炭素社会の実現」を宣言し、企業では2050年までに100%再エネで調達することを目標にする「RE100」への加盟が進んでいます。
 石川県の部門別のCO2排出割合では「民生家庭系CO2排出」が全国平均よりも多くなっています。詳細を見ると自家用車や暖房の割合が多く、電気使用料も多いことも分かります。日本は先進国の中でもフードマイレージが大きく、それは海外から食料を大量に長距離輸送していることを表しています。日本の食料自給率の低下が原因の一つで、食の地産地消は温暖化防止に大きく貢献できます。

 私たちの暮らしは環境に影響を与えてきましたが、毎日の行動を変えることで、未来が変わります。今から行動を起こしましょう。

 

SDG14.3 海洋の温暖化・酸性化の目標達成に私たちのできること

 続いて、参加者やパネリストからの質問にこたえるパネルディスカッションを行いました(以下、要旨・敬称略)。

質問:海洋酸性化といっても、pHでは弱アルカリ性で、それでも貝や甲殻類に酸性の影響はあるのか?
山本:貝や甲殻類は十分にアルカリ度が高い海水で殻を作れるように進化してきたので、急にはそれが変えられない。
質問:能登の千里浜海岸は侵食で一部が車で走れなくなっているが、海岸線を守ることはSDGsのどこのターゲットに入るのか?
イヴォーン:SDG14・5に沿岸域と海洋域と生態系を守るという目標があり、ここに当てはまると思う。千里浜の海岸侵食の原因は陸とのつながりの切断というのが一つの原因にある。
荒川:川の連続性というとヤツメウナギが川を遡上できないということもあるが、土砂や栄養塩が海に流れている量の減少も問題だ。
中村:千里浜の侵食が注目されたのは、千里浜に多くの人が思い出などがあって敏感になったから。みんなが敏感になって、このような問題に意識が集まっていくことは大事。
山本:海岸侵食は全国的には、大きく以下の2つに分けてみていく必要がある。川にダムなどを作ると土砂が海に入らなくなり、あるいは大規模な漁港をつくると岸に沿った潮の流れが遮断されて砂浜が痩せ細ってしまうことがあること。そしてもう一つが温暖化の影響。南極の氷が溶けて海面が上昇するとよく言われるが、実は海水自体も熱膨張で体積が増えて海面水位が上昇していく。
イヴォーン:最後に参加者へ、温暖化・酸性化を少しでも減らすために私たちができることについて提案を。
山本:日本の海の幸を積極的に生活に取り入れていくことで、海の環境がどう変わってきているかということを自分ごととして捉えることができる。そうやって多くの人が海の環境に関心を持ち続けられるようになったらいいと思う。
中村:私たちの生活が最終的に海を痛めつけていたのではないかということがよくわかった。海の幸をいただいて地元の良さに気がつく機会、学習や産地の皆さんと触れ合う機会を大事にしたい。
荒川:水の中は簡単には見られないが、最近は研究が進み、面白い生態系のメカニズムもわかってきた。そう言ったことをわかりやすく発信して行き、楽しいということもわかってもらいながら、問題も考えていただけるような研究者になっていきたい。

 最後に、国連大学OUIK 所長の渡辺綱男から、「このセミナーをきっかけにSDG14『海の豊かさを守ろう』の実現に向けて、さまざまな取り組みがいろいろな場所で生み出されていったらいいなと願っています」と挨拶があり、セミナーは終了しました。海洋の温暖化・酸性化の状況や原因、そして対応方法としての緩和策と適応策と幅広く学び、まずは身近なところで出来る第一歩について考えることがができる機会になりました。

セミナーの動画もこちらから試聴いただけますので、是非ご確認ください!

 

OUIK 生物文化多様性シリーズ#5 金沢の庭園がつなぐ人と自然  ー持続可能なコモンズへの挑戦ー

金沢の日本庭園の活用方法を防災、観光、景観など多面的なアプローチから解説すると共に、持続可能な都市と生態系保全に向けたアイデアを提唱しています。

【開催報告】SDGsカフェ# 16 当事者に教えてもらおう! 「多様な働き手と企業をつなぐダイバーシティ経営」

金沢SDGsでは、持続可能な金沢を実現するための大切な5つの方向性を導き出しました。その4番に「誰もが生涯にわたって、学び活躍できる社会風土をつくる」を位置づけています。そのためには、まずは多様な人が働ける労働環境が大切です。
では、現在、障害のある方は“個人の強み”を生かして活躍できているのでしょうか?
16回目となるSDGsカフェでは、視覚障害(ロービジョン)当事者の林由美子さんにその実情と、2030年の金沢をIMAGINEしてもらい、また、多様な人の就労や学習の支援を行っているヴィスト株式会社の奥山純一さんにはアイデア提供をしてもらいました。
すべての人や企業にとっての“働き方ってなんだろう”を見つめ直す、特別な機会となったことと思います。

20年続けた仕事ができなくなる!

 金沢ミライシナリオ「シナリオ4」では「働きがいも、生きがいも得られるまち」にしようという中で、「視覚障害者フレンドリーなまちにする」「働きたい意欲のある“ヒト”に合わせた就労を支援する」という項目があります。では、現在はどうなのか? 「『あうわ』視覚障害者の働くを考える会」の代表で、自らも弱視(ロービジョン)の林由美子さんに紹介してもらいました(以下要約・再編集しています)。

 IT企業で約20年間SEをしていましたが、14年前に物が見えにくくなり、上司に相談すると自己都合退職を促されました。当時は中学生だった娘がいるひとり親世帯だったため、仕事を辞めるわけにもいかず、自己都合退職を断り、身体障害者手帳を取得。他部署へ異動となって、慣れない仕事とフォロー無しの環境に無理が重なり、見えにくさも進み、体の不調も伴うようになって休職しました。


 他に自分にできる仕事がないかと、石川県障害者職業能力開発校に問い合わせたりしましたが、視覚障害者の仕事は見つからず、2008年に石川県立盲学校に入学を決めて、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得しました。通っている3年間の生活をどうしたらいいかという不安がありましたが、盲学校に行く以外の選択肢は見つけられませんでした。
 盲学校で保護者向けの進路を考える会に出席する機会を得て、そこで実は前職のSEが視覚障害者の職域の一つであることを初めて知り、驚愕します。これをもっと前に知っていたら、会社を辞めなくても良かったのではないかと非常に残念に思い、その時の気持ちが今の活動の原動力になっています。
 また、在学中に、石川県視覚障害者情報文化センターを知り、白杖や拡大読書器など、生活の助けとなる補助具のことも知り、それまでは、そのような情報も得ることができませんでした。


 卒業して資格も取得しましたが仕事がなく、自営を視野に入れて臨床研修生として学びます。SEを辞めざるを得なかったことはとても残念でしたが、自分で進んだ道なので自立に向けて頑張り、2012年に、「レディース鍼灸院 織歩(おり〜ぶ)」の開業にこぎつけました。そこから生活・仕事とも自立して行けるまで、さらに3年ほど。見えにくくなってからトータルで9年ほどかかってようやく自立できました。
 鍼灸院を営むかたわらで、2017年には「『あうわ』視覚障害者の働くを考える会」を立ち上げて、障害者に限らず、みんなでいきいき活躍できる社会を目標に活動しています。

そもそも視覚障害者とは? どんな仕事ができるの?

 身体障害者福祉法で視覚障害者は「視覚に障害があること」と定義されています。見る力に障害のある「視力障害」と、見える範囲に障害がある「視野障害」に大きく分けられます。
 また、視覚障害には光を感じない全盲と、見えづらい状態の弱視(ロービジョン)に分けられ、視野障害には、狭窄、欠損、暗点などがあります。
 視覚障害者は全国に30万人ほどいて、中途で視覚障害になる人は高齢になるほど多いという特徴があります。障害者手帳を取得していないロービジョンはその3倍くらいいると言われ、中途でなっても手帳を取得しておらず、福祉サービスにつながっていない問題もあります。
 視覚障害者の仕事としては、鍼灸マッサージ以外だと企業のヘルスキーパーや学校の先生、公務員、音楽家、IT分野などが挙げられますが、石川県にはほとんどいません。
 紹介したものは、「中途視覚障害者が盲学校理療科に進み、仕事に結びついた大成功の事例」である一方、「視覚障害者の職域でもあるIT企業を辞めざるを得なかったものすごく残念な事例」でもあります。視覚障害者の職域である仕事をなぜやめざるを得なかったのでしょうか? それは、ITが視覚障害者の職域であることを知ることができなかったことに他なりません。問題は多岐にわたり、視覚障害者の社会参画や就労に関する必要な支援が理解されないまま取り残されています。
 独立法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害者雇用マニュアルコミック版」では在職中に視覚障害者になった人が、これまでのキャリアを生かして雇用が継続されるという事例が、マンガで掲載されています。国レベルではできると言っていますが、現実にできていません。これを実現することをこれからの人生の目標にして、「あうわ」の活動を始めました。

 

我が国における視覚障害者の就労状況

 視覚障害者就労に関する課題はいっぱいありますが、その中でも、金沢市・石川県の課題を押さえておきます。

・視覚障害者の就労がわかる就労支援者(ジョブコーチなど)がいない

・理療(盲学校)以外の職業訓練が受けられる場所がない。職業訓練を受けられないから企業につながるのも難しい

・中途のロービジョンの対応がほとんどできていない。視覚リハビリテーションがうまくいっていない。

・ロービジョンケアを扱う眼科が著しく少ない。

 以上の4つですが、これは地域格差もとても大きく、石川県は何十年も遅れている気がします。また、医療、教育、労働、福祉などのプロがこの問題に気付いていないことや、当事者もほとんど知りません。視覚障害者就労に対して地域全体で考え合い支援可能な土壌づくりが求められています。
 活動をやっていても大きな変化はなく、活動のモチベーションを保つのは大変でしたが、2021年1月に大きな変化がやってきました。それは、東京・四谷にある日本視覚障害者職能開発センターが、全国に向けてオンライン職業訓練を始めたこと。すぐに手を挙げ、OA基礎コース(音声の読み上げソフトを使ってパソコンを使う訓練)の第一号として、受講を始めました。石川県内では受けることができなかった職業訓練が受けられるようになることは大きな進歩です。

 働く場所が欲しい、選びたい、技術も習得したい……それが、なかなか叶いません。働きたいという思いを仕事に結びつけていくことを大事にしているのが私たちの活動。仕事は生活の糧ですが、生きがいや幸せにも通じます。施しを受けるだけの人生は辛いもの。そして、視覚障害の子どもたちが夢を描くことができる、未来の仕事へもつなげたいと強く思います。
 障害の有無に関わらず、どんな人でも生きやすい社会になっていったらいいなと思っています。視覚障害は年齢が高くなるほど中途でなる人が多く、今後は近視の強い視覚障害になる人が増えるとも言われています。みなさんが自分ごととしてそんな社会を考えて、実現できたらいいと考えています。

 

働きたいのに働けない人たちを支援

 続いて、奥山純一さんからは、ご自身の起業の経緯と、障害者就労支援の現状について紹介していただきました(以下要約・再編集しています)。

 人材紹介会社に入社し、金沢支社の配属となりましたが、その時に障害者の就労先が極めて少なく、また他に紹介できる機関がないという現実を知りました。同時に母親が難病を患い、精神疾患も併発させ、仕事に復帰できずにいるのを身近で見ていましたので、それらののことがつながって起業する決意をしました。2012年に、障害のある人の働く希望をつくることを目的に、ヴィスト株式会社を設立しました。就労支援サービスを石川県を皮切りに、富山県、神奈川県へと展開。さらに、早期キャリア教育のための小中高向けの「放課後等デイサービス」や、未就学児を対象とした児童発達支援事業も始めて、多岐にわたって進めています。グループ会社では働くことに障害を感じる人を対象にした人材紹介事業も行っています。


 環境や視点を少し工夫することで働きやすくなりことはたくさんあります。そして、働きづらさを感じなくなった時、働く上での障害はなくなります。障害には自分で解決すべき「個人モデル」と、社会全体でそれを解消していく「社会モデル」があり、例えば、段差をなくせば車椅子でも移動ができるようになるなど、社会の環境側を変えることで障害が解消されることもいっぱいあります。
 福祉事業と一般の企業と、あるいは教育の分野、医療の分野との連携がうまくいっていないことが課題だと感じています。

山積みになった問題を解決するには

 続いて、国連大学IAS OUIKの永井事務局長が加わり、参加者や永井からの質問に答えつつ、3人でのトークセッションへ(以下、ダイジェストで紹介します/敬称略)。

質問:林さんは視覚障害者の職域を広げると言っていたが、それは他地域では仕事ができるが、石川県では受け入れてもらえないということ?
回答:「企業側も自社の仕事をして欲しいと思っていて、企業に役立つ人材を送りださない限りは採用してもらえない。石川県ではその訓練を受ける場所がないから、新たな職域の人材が増えない」(林)。

質問:物事を福祉で捉えたらその中で完結し、それは教育や就労でも同じような状況をどう思うか?

回答:「福祉事業所と企業をマッチングする場を作ろうという企画はあるが企業の参加が少ない。しかし、聞けば企業側がそのことを知らない事実がある。企業側も障害者雇用の比率が上がることなど、どうすればいいか困っているのでニーズはある。両者をつなげるような役割を果たす仕組みが必要だと思う」(奥山)。

質問:それはどこがコーディネーションすればうまくいくか?
回答:「一事業所ではできる事は限られるので、地域のそういったことをやっていきたい仲間、企業も教育も福祉もみんな関わっているようなゆるい場ができればいいと思う」(奥山)。「金沢SDGs IMAGINE KANAZAWA 2030のプラットホームを利用して、方向性4の発展版みたいな感じでやれたらいいと思う」(永井)。

質問:視覚障害の就労支援は他の障害者より少ないか?
回答:「私たちのところの実績としては少ないのは間違いない。実は『受け入れてもらえないのではないか?』『受け入れられないのではないか?』と双方が思い込んでいるだけで、お互いが理解し合える場があれば変わるのかもしれない」(奥山)。

質問:新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあるか?
回答:「ハローワークの障害者雇用の就職件数は下がっている一方で、コロナ禍で一気にICT化が進み、在宅就労の可能性が広がると思える。東京の仕事を石川県で行うこともあり得る」(奥山)。「石川県では鍼灸あんまマッサージの人が圧倒的に多く、訪問で仕事をしている人にはかなり影響がある。一方、県外で違う職種の人に聞くと、在宅勤務で移動をしなくて済むようになってすごくいいという話も聞く(視覚障害者は移動をするのも大変)」(林)。

質問:障害を持った人を一つの個性として捉えて、企業にその立場からアドバイスするビジネスモデルは成り立たないか?
回答:「カウンセリングだったり、ユニバーサルデザインに取り組んでいる人もいそう」(奥山)。「いろんな人が住みやすい街づくりをするデザイナーみたいな人。行政はそこに協力を要請する。そういう人はいると思っていたが、実はそんなにいないらしい」(林)。

最後に、この先に向けて想いを

「当事者として仕事をしながらなので、自分はなかなか動けないのですが、みなさんにこうやって助けてもらって、一歩一歩ちっちゃいことを積み上げて、さらに知ってもらいながら自分も行動できたらいいなと思っています」(林)

「自分たちだけだとできることは限られるが、枠組みを越えてつながることでできることの枠組みも広がっていきます。お互いがお互いの垣根を越え合うということを地域でやって、それが文化として根付いていけそうな気がしています。それを私も取り組んでいきたいと思いますし、みなさんも一緒に取り組んでいただけたらと願っています」(奥山)

「お互い一人一人が垣根を飛び越えて、またぜひ、このような場でやっていけたらいいなと思っています」と永井が述べて、SDGsカフェ#16は終了しました。

 

セミナーの動画もこちらから試聴いただけます。

地図情報の集約:生物文化多様性や生態系サービスを理解する学びに貢献

OUIKでは、『地図情報から見た能登の里山里海』、『地図情報から見た金沢の自然と文化』をはじめ、地域の自然と文化のつながりを分かりやすく理解するための地図情報整備を進めています。
北陸地方を対象として、県レベル、市町村レベルでのマルチスケールでの地図情報を集約しています。その際に、生物多様性、文化多様性、生態系サービスといったキーワードを軸に、地域のニーズを反映しながら、視覚化や定量化に工夫し、地域に役立つ学びと情報発信のツールづくりを行っています。

日本庭園ワークショップをSDGs観光ツアーに

OUIKのJuan Pastor Ivars 研究員が、金沢の緑や街並みをみんなで守っていくために考案した日本庭園ワークショップを、観光ツアーのコンテンツとして企画しました。

この試みは、2020年のSDGs未来都市に金沢市が認定され、テーマとなる「責任ある観光」を推進するため催行した金沢SDGs体感モデルツアーの一つに庭園ワークショップを組み込んだものです。金沢の大切な文化的要素である日本庭園を、グリーンインフラとして生物多様性保全、ヒートアイランド現象の緩和など、その隠れた機能を学び、さらにお茶会や庭園清掃を通じて日本庭園の価値を体感するというものです。

日本庭園を学びのプラットフォームとして地域内外の人が集うことで、ご高齢の個人オーナーには負担が難しくなってしまった日頃の維持管理に様々な人が関わり、新しい形の維持管理体制が作れないかというのが、このワークショップの重要な狙いでもあります。今回はそこに、金沢をもっと深く知りたい観光客にも参加してもらえたら、そして金沢の日本庭園を守っていくことに世界中の人が参加してもらえるような観光モデルが作れたら、という Juan研究員の願いを具現化しました。

ツアーは東山の茶屋街近くの卯辰山山麓寺院群をぬうように通るこころの道の散策から始まります。参加者はインバウンドツアーガイドなど、様々な観光客のニーズを知り尽くしたプロの方々。観光客から圧倒的に人気があるのがその地域の住民との交流があるプログラムだそうです。市民が行き交う路地裏をJuan研究員の解説を聴きながら進み、目的地の永久寺さんに到着。

 

古くは前田家の公式の祈祷所で、250年以上の歴史をもつ永久寺。このお寺の管理を任されている本郷さんから、お寺の歴史やお庭の管理に関する課題を学んだ後は、早速お庭に出て清掃の開始。春先の庭には外来種のリュウキンカが蔓延ってその駆除が中心となります。

 

 

お庭には大きな槻もあり、円周を計測し金沢市の保存樹に登録できないか、という調査にも参加者に協力してもらいました。

こういった作業は決して観光客が携われないのでとてもワクワクしたとフィードバックがありました。小一時間の清掃作業で10以上のゴミ袋がいっぱいになるほどの雑草を駆除できました。作業の後は、金沢棒茶とお菓子を味わいながら、今回のワークショップの観光プログラムとしての評価について意見交換を行いました。

「観光客はその地域が好きだから訪れるので、その地域の市民との交流やその地域がよくなっていくことに貢献できることを探してしている。」「今回のツアーは金沢の文化歴史を深く知る学びを提供しているのでとても価値がある」「SDGsについて深く考える機会となった」「特定の宗教行事と思われない配慮が必要」「年配の方には作業上の工夫が必要」など様々なご意見をいただきました。

今後もたくさんの方に庭園ワークショップに参加してもらうため、観光ツアーとしての可能性を探っていきます。

能登生物多様性研究会の発足

能登の里山里海がFAOにより世界農業遺産(GIAHS)に認定されてから5年の節目を迎えようとしています。OUIKではそれに伴うアクションプランの改定作業やモニタリング作業の支援などを行ってきました。

中でも、4市5町にわたる能登地域で行われている生物多様性モニタリングの活動は、各市町や各種民間団体が独自に行っている生き物調査が中心であり、能登地域全体として統一されたモニタリング手法や生物多様性に関する情報発信や地域の方々と共有するしくみはまだ開発されていません。この現状を受けて、OUIKと金沢大学里山里海プロジェクトが中心となり、能登の生物多様性モニタリングや関連活動を通じて能登GIAHSに貢献するための生物多様性研究会を設立しました。メンバーには地域で生物多様性保全や環境教育に取り組んでいる民間団体の方々、能登の関連する研究機関の方々に参加いただいています。

1月23日には、OUIKがオブザーバーとして参加している、能登GIAHS活用実行委員会と能登GIAHS推進協議会の場で同会の発足を報告しました。今後は推進協議会の生き物しらべや関連する事業と連携しつつ、能登GIAHSとして豊かな生物多様性の保全とモニタリング、そして発信に貢献してゆきます。

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