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地域との研究活動:アーカイブ

ごっつぉ草紙 Red data cook book

2018年、国連大学OUIKでは「世界農業遺産(GIAHS)能登の里山里海」の価値を次世代に伝えるため、教育絵本「ごっつぉをつくろう」を制作しました。この本は季節ごとに様々な地域の食材を使いながら能登の祭りごっつぉ(ご馳走)を作っていく物語です。「食」を通じて能登の農業や生き物、文化の理解を深めることを目的としています。

2019年、このその絵本を元に輪島市で「地域に根ざした学びの場・まるやま組」では地域のご馳走の食材をあつめながら自然や文化について学ぶモデル授業「三井のごっつぉproject」を輪島市立三井小学校の児童を対象に行いました。

この「ごっつぉ草紙 Red data cook book」は一年を通して行ったこの教育活動の記録です。さらに授業の中では紹介できなかった地域に残る郷土料理や食材など「ふるさとの味」を季節ごとに紹介しています。

 

発行   2020年10月16日 World Food Day

制作   能登地域GIAHS推進協議会

協力   輪島市立三井小学校、輪島市三井公民館、市ノ坂集落、輪島エコ自然農、能登SDGsラボ、能登里山里海SDGsマイスタープログラム

企画・編集・デザイン・写真  萩のゆき(萩野アトリエ、まるやま組)
萩野紀一郎(富山大学芸術文化学部、まるやま組)

モニタリング・解説  伊藤浩二(岐阜大学、能登SDGsラボ連携研究員、まるやま組)

発行   国連大学サスティナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)

 

OUIK 生物文化多様性シリーズ#5 金沢の庭園がつなぐ人と自然  ー持続可能なコモンズへの挑戦ー

金沢の日本庭園の活用方法を防災、観光、景観など多面的なアプローチから解説すると共に、持続可能な都市と生態系保全に向けたアイデアを提唱しています。

地図情報の集約:生物文化多様性や生態系サービスを理解する学びに貢献

OUIKでは、『地図情報から見た能登の里山里海』、『地図情報から見た金沢の自然と文化』をはじめ、地域の自然と文化のつながりを分かりやすく理解するための地図情報整備を進めています。
北陸地方を対象として、県レベル、市町村レベルでのマルチスケールでの地図情報を集約しています。その際に、生物多様性、文化多様性、生態系サービスといったキーワードを軸に、地域のニーズを反映しながら、視覚化や定量化に工夫し、地域に役立つ学びと情報発信のツールづくりを行っています。

【開催報告】観光とSDGs – 地域の食と食材から考える「持続可能な開発」

旅の主要な目的の一つとなる「食」。
石川県には、海と陸の豊かな自然が育む食材があります。そして、加賀地方には江戸時代に武家と庶民のそれぞれから発展した、また、能登地方にも厳しい自然と豊かな祭り文化の下で培われてきた、それぞれ独自の「食文化」があります。そのような「食」を楽しみに国内外から石川県を訪れる旅行者が大勢います。
このように魅力的な食文化がある一方で、その継承や生産者の後継者不足、フードロスなど、食にまつわるさまざまな課題が山積しています。
第3回目となった本セミナーでは、食をテーマに、料理人や料理研究家の方々からお話をお聞きして、より持続可能な観光を実現するための取り組みと課題について学びました。

地球全体にも影響を与える身近な食の問題

 はじめに国連大学IAS OUIKの津田祐也研究員から導入として、「食をめぐるツーリズムとSDGs」と題し、国内外の食に関わるツーリズムの事例を発表。「日本食」はユネスコの無形文化遺産に登録されていますが、ユネスコではSDGsのゴール2番、4番、12番に貢献すると言われているという話もありました。

 続いて、国連大学IAS OUIKの小山明子研究員から「食とSDGsのつながり&OUIKの取組紹介」と題した講義がありました。日本では6割以上の食料を輸入に頼っていることや、年間で646万トンもの食べ物が廃棄されていること、取り過ぎによって持続可能な魚類資源の割合がどんどん減ってきていること、多くの食品に使われているパームオイルを作るために熱帯雨林がどんどん伐採され、海外の豊かな生物多様性が失われているなど、食の問題と私たちの暮らしが密接につながっているという現状を紹介しました。

 一方、石川県にはSDGsに貢献できるいい部分もたくさんあると述べ、世界農業遺産「能登の里山里海」の事例を紹介。能登では地域内で食べ物を作ることができ、それをうまく活用していく知恵が残されており、これはSDGsにも大いに関係しているそうです。海や陸の豊かさはもちろん、遠くからたくさんの食材を運ばないことで、二酸化炭素の排出を抑え、気候変動の対策にも貢献しています。発酵など、たくさん取れたものを電力など使わずに無駄なく長期間保存できる伝統的な知恵の存在も忘れてはいけません。

 食べ物を育てて利用する知恵、無駄なく食べる知恵、そして感謝する心というのは、世界のさまざまな課題に対してもとても重要な知識です。こう言ったものを次世代の子供たちにも伝えていく、そして世界にも発信していくことは非常に重要だと述べました。

 国連大学IAS OUIKの取り組みとしては、能登の農業や自然、文化の豊かさを子供たちに伝えるため、『ごっつぉをつくりろう』という動画と絵本の教材を制作。また、このような知恵を持っている多くが高齢者であり、地域の知恵を残すべく、映像にしてYouTubeで配信しています。こちらから、ぜひご覧になってください。

ゲストスピーカーがそれぞれの事例を紹介

 株式会社こはく取締役で、料理研究家・フードコーディネーターの谷口直子さんは、インバウンドの体験型施設で料理を通じて、食文化にプラスして金沢の文化を伝えたり、地域に根ざした食文化を伝え残していく活動を大学生と一緒に取り組んだりしています。また、ご本人は近江町市場との関係が深く、食育の「親子近江町体験」の実施や、近江町市場の美味のお取り寄せECサイト「イチバのハコ」の運営を行い、市場の人たちと一緒に、金沢へ多くの人に足を運んでもらうきっかけづくりもしているそうです。

『ミシュランガイド北陸2021』にて、二つ星とグリーンスターを獲得し、地域食材の豊かさを伝える、金沢の「respiración (レスピラシオン)」の梅達郎シェフからは、魚の取りすぎ、農家の高齢化や後継者不足、里山では生態系を守る人がいなくなって少しずつ荒れ始めているといった課題を紹介していただきました。後継者がいなくなると食材が作られなくなるだけでなく、受け継がれてきた技術が失われ、さらにその土地の文化まで消え去ってしまうと述べました。そして、「料理人ができることとは?」と考え、同じ志を持つ石川県内の料理人とパートナーシップを組み、一般社団法NOTOFUE(ノトフュー)を立ち上げ、駆除対象となっていた種類のウニなど、未利用魚の活用をはじめ、能登の里山、里海の環境、資源を後世につなげる活動を始めているそうです。

能登イタリアンと発酵食の宿 ふらっと」のオーナシェフのベンジャミン・フラットさんと船下智香子ご夫妻からは、能登の食文化に関する事例紹介をしていただきました。魚を発酵させる食文化が1000年以上前からあり、温度管理も湿度管理もぜずに、発酵と熟成を自然の中で繰り返し、そして漬けた時よりももっとおいしくなっているという、「発酵はすごい知恵の塊」だと言います。米の副産物である糠を使うことは世界でも珍しく、おいしさもアップして栄養価も高まる良いこと尽くめの利用法と述べました。このような発酵食を次世代に使えることで、能登サステイナビリティに貢献できるのではないかと考えて、活動しているそうです。

 また、能登に発酵食が多く残っている理由にも言及し、1つは魚介類が豊富であること、2つ目が能登は交通が発達していなかったため、地産地消にならざるを得なかったこと、3つ目は暑い夏と寒い冬がきて、発酵と熟成を繰り返すことができる能登の気候、4つ目は食文化と伝統や祭りとが密接につながっていて、他の文化と一緒に料理も継承されてきたことという背景も紹介しました。そして、食文化を次世代につなげていくためには、地域の現状に即したサステイナブルツーリズムを促進していく必要がありますが、その中で、受け入れる住人たちの文化や伝統が持つ価値の認識をどのように高めていくかということが課題だと述べました。

パネルセッションでは、食と観光に関わる課題について掘り下げます

 ゲストスピーカーの4名と津田研究員により、先の事例をさらに広げて議論が行われました。
 谷口さんからは、国内外からの旅行者が増えている近江町市場をSDGsの観点から掘り下げてもらいました。300年の歴史がある市場で、店の人の知識に触れたり、旬の食材から季節を感じたりと、食文化を知る上でとてもわかりやすい場所でもあり、市民や旅行者が料理人と同じものを買うことができるのが特別だと言います。近江町市場の抱える課題としては、一番は後継者不足だそうで、また水曜日が定休日の鮮魚店が多く、そのため火曜日には廃棄するものが増えてしまうとも。谷口さんは、そういったものもECサイトで販売し、廃棄を減らすことに努めているそうです。また、あまり知られていませんが、金沢市では近江町市場から出る魚の残を集めて、肥料に加工する取り組みを以前から行っているそうで、その肥料で野菜を作って循環していることをもっと知ってほしいと述べました。また、そのような市場の循環の仕組みをもっと知ってもらうために「イチバのカゴプロジェクト」をスタートさせたとのことでした。


 また、フラットさんからは能登とご出身地のオーストラリアとの価値観の違いや、船下さんからは、能登の伝統的な技術を次の世代へ継承していくことの重要性や課題について、さらに詳しい事例を挙げて紹介していただきました。
 そして、梅さんからは、人の手によって里山や里海が管理されていることで地域の食材が提供されていることについて、改めて説明していただきました。
 その後、次世代への継承方法について、どのような方法が効果的かといった意見を交換し、参加者を2班に分けてワークショップでさらに意見交換を行って、セミナーは終了しました。

 今回ご登壇くださったパネリストの方々は皆さん、SDGsと観光について、食の分野からそれぞれ特徴のある活動をされています。お店や宿を利用して交流し、食とSDGsについてどう活動していけるか、学んでいただければ何よりです。

能登生物多様性研究会の発足

能登の里山里海がFAOにより世界農業遺産(GIAHS)に認定されてから5年の節目を迎えようとしています。OUIKではそれに伴うアクションプランの改定作業やモニタリング作業の支援などを行ってきました。

中でも、4市5町にわたる能登地域で行われている生物多様性モニタリングの活動は、各市町や各種民間団体が独自に行っている生き物調査が中心であり、能登地域全体として統一されたモニタリング手法や生物多様性に関する情報発信や地域の方々と共有するしくみはまだ開発されていません。この現状を受けて、OUIKと金沢大学里山里海プロジェクトが中心となり、能登の生物多様性モニタリングや関連活動を通じて能登GIAHSに貢献するための生物多様性研究会を設立しました。メンバーには地域で生物多様性保全や環境教育に取り組んでいる民間団体の方々、能登の関連する研究機関の方々に参加いただいています。

1月23日には、OUIKがオブザーバーとして参加している、能登GIAHS活用実行委員会と能登GIAHS推進協議会の場で同会の発足を報告しました。今後は推進協議会の生き物しらべや関連する事業と連携しつつ、能登GIAHSとして豊かな生物多様性の保全とモニタリング、そして発信に貢献してゆきます。

アジア生物文化多様性国際会議開催一周年記念国際フォーラムシリーズ議事録〔電子版〕

2016年10月、石川県七尾市で開催された第1回アジア生物文化多様性国際会議から1年後、石川宣言の実施を推進するため、2回シリーズの国際フォーラムをが開催されました。

 

シリーズ第一回(2017年10月4日)

生物文化多様性とSATOYAMA -自然共生社会を目指す世界各国の取り組みを知る-

 

シリーズ第二回(2017年10月15日)

生物文化多様性を次世代が敬称する為に-東アジアの連携を考える-

 

白山ユネスコエコパーク協議会の参与メンバーとなりました

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協議会で挨拶する渡辺OUIK所長

白山麓はユネスコエコパークとして(英語名:UNESCO Man and the Biosphere progaramme / Biosphere Reserve)1980年にユネスコにより認定されています。白山市は、白山手取川ジオパーク推進協議会事務局とユネスコエコパーク事務局を兼務しており、これは世界的にも珍しいケースとのことです。2016年白山エコパークにおいて移行地域の拡張申請を行うにあたり、白山地域を構成する4県7市村の自治体が中心となって2014年1月に協議会が発足しました。OUIKは2015年8月から協議会の参与として正式に就任し、エコパーク認定地域の計画見直しや承認プロセスについての情報収集や啓発普及のお手伝いをさせて頂くことになりました。

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山田白山市長(左)から白山の自然と文化について伺いました。

 

2015年5月12日の第3回協議会の開催にあわせて、協議会会長である山田白山市長に、渡辺OUIK所長より参与メンバー就任のご挨拶をさせていただきました。ご自身も白山麓の出身である市長からは、白山の自然と文化について貴重なお話をたくさん伺うことができました。これからも地域が自然と共生するエコパークの理念を守りつつ白山麓の地域創生のお手伝いが出来ればと思います。

OUIK 生物文化多様性シリーズ#4 「地図から学ぶ北陸の里山里海のみかた」

OUIK初のマップブックとして、北陸地方の里山里海の現状や変化、多様な見方を地図から学ぶ教材を発刊しました。北陸地方(石川、福井、富山、新潟、岐阜)のスケール、石川県のスケール、七尾湾のスケールといったマルチスケールでの地図情報をまとめています。(PDF:95MB)

関連ページ(Collections at UNU)  http://collections.unu.edu/view/UNU:6540

国連持続可能な開発目標に向けた 青年キャパシティ・ビルデン グ・ワークショップ

日時 / Date : 2016/07/15 13:00 -17:00
場所 / Place : 金沢大学中央図書館 オープンスタディオ 2階

国連大学サステイナビリティ高等研究所と金沢大学留学生センターは、日本で学ぶ留学生によるSDGsワークショップを開催します。このワークショップは、7月11日から14日まで行われる、金沢市を中心としたSDGs達成のためのフィールドワークの報告会を兼ねています。金沢大学留学生センターに在籍する留学生、国連大学サステイナビリティ高等研究所のアカデミックプログラムの修士、博士課程で学ぶ留学生が「創造都市・金沢」を建築、エネルギー、教育、自然資源管理などの側面から議論します。

SDGsに興味がある皆様のご参加をおまちしております。言語は英語のみとなります。 ご登録は ryukou@adm.kanazawa-u.ac.jp まで氏名、御所属を記載のうえお送りください。

バイオームイベント in 七尾(ななおSDGsスイッチ!)

2022年10月1日に七尾市内でスマホアプリ「バイオーム」を使った生きもの調査が「ななおSDGsスイッチ!」の主催で、北陸電力(株)、(株)バイオーム、能登GIAHS推進協議会、七尾市たかしな地区活性化協議会が共催する形で、実施されました。

国連大学も能登GIAHS推進協議会の活動を支援しており、同協議会内の能登GIAHS生物多様性ワーキンググループのメンバーが企画段階から支援を行い、イベント当日はワーキンググループの専門家メンバーである野村進也さん(いしかわ自然学校インストラクター)が講師を務め、現地では他のワーキンググループのメンバー、国連大学の小山明子研究員、木下靖子さん・岸岡智也さん(金沢大学)も活動をサポートしました。

当日は、天候にも恵まれ、雲一つない青空の下、80名の参加者と、30名の関係者が集まりました。

主催者の方、そして地域の代表の方からの挨拶の後、小山研究員からアプリの使い方と生き物調査の流れ、そして10月末までに能登エリアで10種の生き物を見つけるという事がバイオームのクエストとして今回設定されていることなどの説明を行いました。

次に、野村さんから今日見つかりそうな生き物や、注意すべき生き物、対処方法などの説明がありました。蜂や蛇を見つけた時にどうするのか、というクイズ形式の質問に大人も迷う場面もあり、野外活動の基礎知識として大切な事が共有されました。

いよいよ二つのグループに分かれて生き物採集スタートです。1つ目のグループはまずグラウンド脇の水路とその周辺で生き物を探し、もう一つのグループは集落の田んぼの横の水路とその周辺で生き物を探しました。

何かいるかな?真剣な様子

トンボを捕まえるぞ!

レアな生き物いるかな?

 

 

 

 

 

 

 

途中で2つのグループで場所を交代して、最後にグラウンドに戻ったら、それぞれの場所で集まった生き物を同じような生き物ごとに分ける時間です。動きの速い生き物に戸惑いながらも、少しずつコツをつかんで子供たちも自分で上手に分けていました。準備ができたら早速アプリでそれぞれ投稿してみました。正しくAI判定されたかな?

アプリで投稿してみよう!

最後に野村さんから見つかった生き物について解説をしてもらいました。水路ではメダカやドジョウ、エビ、カエル、水生昆虫、貝類など、色んな生き物が見つかっていました。そしてトンボやバッタなどの昆虫だけでなく、カナヘビなんかも見つかっていました。生き物達にとって、田んぼの環境は少しずつ変わってきてしまってきてはいるというお話しもありましたが、それでもこれだけ沢山の生き物がまだこの辺りにいるということが分かって良かったです。

生き物の解説

赤とんぼ

ケースの中で脱皮までしていたカナヘビ

 

 

 

ドジョウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、最後には参加してくださった皆さまに、生物多様性ワーキンググループで選んだ能登の里山里海の様子を知るのに重要な生き物を紹介する下敷きが参加特典として配布され、10月末までに特にこれらの生き物をバイオームで報告して欲しいという事が伝えられました。

何よりも、子供だけでなく、参加したお父さんお母さんも心から楽しんで生き物を探し・観察している様子が印象的でした!このイベントをきっかけに、生き物や自然に興味を持ってくれる子供や大人が1人でも増えたら嬉しい限りです。クエスト期間は10月いっぱい続きますので、ぜひぜひ生き物の情報を投稿してもらえたらと思います。

 

生物多様性ワーキンググループの教材などについては、ワーキンググループのホームページもぜひご覧ください。

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