地域との研究活動:アーカイブ
2026年09月30日
2026年9月20日から21日にかけて、中国・湖南省婁底市新化県において、第10回東アジア農業遺産学会(East Asia Research Association for Agricultural Heritage Systems: ERAHS)が開催され、日本、中国、韓国を中心に約300名が参加しました。
ERAHSは、東アジアにおける農業遺産の保全と持続可能な活用に関する知見や経験を共有し、研究者、行政関係者、農業遺産地域の実践者などの交流を促進する場として2013年に設立されました。
第10回となる今回は、「農業遺産システムの保全と持続可能な開発目標(SDGs)の推進」をテーマに、FAO(国連食糧農業機関)や各国代表による基調講演のほか、8つのテーマ別セッションが行われました。遺産地域の管理と保全、持続可能な観光、農業食料システムの転換、伝統農業のデジタル化、農業生物多様性、保全政策、棚田の協働的保全と若者のイノベーション、伝統知識・文化の継承と活性化など、多角的な視点から議論が交わされました。
国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)は、ERAHS日本事務局として日本からの参加者との調整を含む大会運営を支援しました。また、OUIKプログラム・コーディネーターの富田揚子が、「棚田の協働的保全と若者のイノベーション(Collaborative Terrace Conservation and Youth Innovation)」をテーマとするセッション7のモデレーターを務めました。
能登の復興とGIAHSをテーマにポスター発表
OUIKはポスターセッションにおいて、「GIAHS as a Living Learning Platform for Post-Disaster Recovery(災害復興のための生きた学びのプラットフォームとしての世界農業遺産)」と題し、2024年の能登半島地震および奥能登豪雨からの復興とレジリエンス構築に向けた取り組みを紹介しました。
発表では、「能登の里山里海」を復興に向けた「生きた学びのプラットフォーム」と捉え、若手研究者や大学生を対象としたグローバル・セミナーやスタディ・プログラム、小学生による生物調査、さらに大阪・関西万博や東京でのイベントなどを通じて、能登で得られた経験や学びを次世代や国内外へ発信するOUIKの取り組みを紹介しました。
ポスターを通じた交流では、能登の被災後の状況や、自然・文化・生業を一体的に捉えながら進める復興プロセスについて、各国の参加者から関心が寄せられました。

農業遺産地域・新化県を視察
会議にあわせて、新化県の棚田、茶畑、歴史的集落などを訪問する現地視察も実施されました。参加者は、地域に継承されてきた水利用の仕組みや農業景観、文化的伝統に加え、それらを地域振興や観光に活用する現在の取り組みについて理解を深めました。
今回のERAHSは、東アジア各地の農業遺産地域が直面する課題と実践を共有するとともに、伝統知と新たな技術・発想をどのように結びつけ、次世代へ継承していくかを議論する機会となりました。能登で災害からの復興が続くなか、OUIKにとっても、農業遺産が持つ価値を「保全」のみにとどめず、学び、交流、そして地域のレジリエンスにつなげていく可能性を国際的な議論の中で共有する機会となりました。
2016年02月28日
OUIKでは、『地図情報から見た能登の里山里海』、『地図情報から見た金沢の自然と文化』をはじめ、地域の自然と文化のつながりを分かりやすく理解するための地図情報整備を進めています。
北陸地方を対象として、県レベル、市町村レベルでのマルチスケールでの地図情報を集約しています。その際に、生物多様性、文化多様性、生態系サービスといったキーワードを軸に、地域のニーズを反映しながら、視覚化や定量化に工夫し、地域に役立つ学びと情報発信のツールづくりを行っています。
2020年12月24日
2018年、国連大学OUIKでは「世界農業遺産(GIAHS)能登の里山里海」の価値を次世代に伝えるため、教育絵本「ごっつぉをつくろう」を制作しました。この本は季節ごとに様々な地域の食材を使いながら能登の祭りごっつぉ(ご馳走)を作っていく物語です。「食」を通じて能登の農業や生き物、文化の理解を深めることを目的としています。
2019年、このその絵本を元に輪島市で「地域に根ざした学びの場・まるやま組」では地域のご馳走の食材をあつめながら自然や文化について学ぶモデル授業「三井のごっつぉproject」を輪島市立三井小学校の児童を対象に行いました。
この「ごっつぉ草紙 Red data cook book」は一年を通して行ったこの教育活動の記録です。さらに授業の中では紹介できなかった地域に残る郷土料理や食材など「ふるさとの味」を季節ごとに紹介しています。
発行 2020年10月16日 World Food Day
制作 能登地域GIAHS推進協議会
協力 輪島市立三井小学校、輪島市三井公民館、市ノ坂集落、輪島エコ自然農、能登SDGsラボ、能登里山里海SDGsマイスタープログラム
企画・編集・デザイン・写真 萩のゆき(萩野アトリエ、まるやま組)
萩野紀一郎(富山大学芸術文化学部、まるやま組)
モニタリング・解説 伊藤浩二(岐阜大学、能登SDGsラボ連携研究員、まるやま組)
発行 国連大学サスティナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)
2016年02月23日
能登の里山里海がFAOにより世界農業遺産(GIAHS)に認定されてから5年の節目を迎えようとしています。OUIKではそれに伴うアクションプランの改定作業やモニタリング作業の支援などを行ってきました。
中でも、4市5町にわたる能登地域で行われている生物多様性モニタリングの活動は、各市町や各種民間団体が独自に行っている生き物調査が中心であり、能登地域全体として統一されたモニタリング手法や生物多様性に関する情報発信や地域の方々と共有するしくみはまだ開発されていません。この現状を受けて、OUIKと金沢大学里山里海プロジェクトが中心となり、能登の生物多様性モニタリングや関連活動を通じて能登GIAHSに貢献するための生物多様性研究会を設立しました。メンバーには地域で生物多様性保全や環境教育に取り組んでいる民間団体の方々、能登の関連する研究機関の方々に参加いただいています。
1月23日には、OUIKがオブザーバーとして参加している、能登GIAHS活用実行委員会と能登GIAHS推進協議会の場で同会の発足を報告しました。今後は推進協議会の生き物しらべや関連する事業と連携しつつ、能登GIAHSとして豊かな生物多様性の保全とモニタリング、そして発信に貢献してゆきます。
2015年05月12日

協議会で挨拶する渡辺OUIK所長
白山麓はユネスコエコパークとして(英語名:UNESCO Man and the Biosphere progaramme / Biosphere Reserve)1980年にユネスコにより認定されています。白山市は、白山手取川ジオパーク推進協議会事務局とユネスコエコパーク事務局を兼務しており、これは世界的にも珍しいケースとのことです。2016年白山エコパークにおいて移行地域の拡張申請を行うにあたり、白山地域を構成する4県7市村の自治体が中心となって2014年1月に協議会が発足しました。OUIKは2015年8月から協議会の参与として正式に就任し、エコパーク認定地域の計画見直しや承認プロセスについての情報収集や啓発普及のお手伝いをさせて頂くことになりました。

山田白山市長(左)から白山の自然と文化について伺いました。
2015年5月12日の第3回協議会の開催にあわせて、協議会会長である山田白山市長に、渡辺OUIK所長より参与メンバー就任のご挨拶をさせていただきました。ご自身も白山麓の出身である市長からは、白山の自然と文化について貴重なお話をたくさん伺うことができました。これからも地域が自然と共生するエコパークの理念を守りつつ白山麓の地域創生のお手伝いが出来ればと思います。
2019年07月10日
金沢の日本庭園の活用方法を防災、観光、景観など多面的なアプローチから解説すると共に、持続可能な都市と生態系保全に向けたアイデアを提唱しています。
2018年12月19日
2016年10月、石川県七尾市で開催された第1回アジア生物文化多様性国際会議から1年後、石川宣言の実施を推進するため、2回シリーズの国際フォーラムをが開催されました。
シリーズ第一回(2017年10月4日)
生物文化多様性とSATOYAMA -自然共生社会を目指す世界各国の取り組みを知る-
シリーズ第二回(2017年10月15日)
生物文化多様性を次世代が敬称する為に-東アジアの連携を考える-
2016年07月01日
日時 / Date : 2016/07/15 13:00 -17:00
場所 / Place : 金沢大学中央図書館 オープンスタディオ 2階
国連大学サステイナビリティ高等研究所と金沢大学留学生センターは、日本で学ぶ留学生によるSDGsワークショップを開催します。このワークショップは、7月11日から14日まで行われる、金沢市を中心としたSDGs達成のためのフィールドワークの報告会を兼ねています。金沢大学留学生センターに在籍する留学生、国連大学サステイナビリティ高等研究所のアカデミックプログラムの修士、博士課程で学ぶ留学生が「創造都市・金沢」を建築、エネルギー、教育、自然資源管理などの側面から議論します。
SDGsに興味がある皆様のご参加をおまちしております。言語は英語のみとなります。 ご登録は ryukou@adm.kanazawa-u.ac.jp まで氏名、御所属を記載のうえお送りください。
2018年07月10日
OUIK初のマップブックとして、北陸地方の里山里海の現状や変化、多様な見方を地図から学ぶ教材を発刊しました。北陸地方(石川、福井、富山、新潟、岐阜)のスケール、石川県のスケール、七尾湾のスケールといったマルチスケールでの地図情報をまとめています。(PDF:95MB)
関連ページ(Collections at UNU) http://collections.unu.edu/view/UNU:6540
2016年11月01日
2015年度からOUIKが能登GIAHSを構成する市町と開催してきた里海シリーズ講座の内容をまとめたものです。海を利用してきた地域に伝わる知恵、それらを守り、現在の社会環境に合わせて活用していく取組みをまとめています。