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【開催報告】ホタル鑑賞へ行こうーホタルが棲む幸町・菊川へ

日時 / Date : 2021/7/2
場所 / Place : 金沢市

石川県金沢市内の中心域にはホタルが生息できる環境が残っています。昭和期以降の都市化や宅地化により、ホタルの生息数が減少していましたが、下水道の整備が進み、水質改善に伴い、まちにホタルが舞い戻ってきています。金沢市では過去30年以上にわたり、市民参加型の「ホタル生息調査」が実施されています。地域の自然やいきものを保全し次世代に繋げていくため、市民団体の積極的な保全活動が継続されています。

7月2日金曜日に、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(国連大学 IAS OUIK)は、SUNプロジェクトの下、ファン研究員が金沢市内の幸町、および菊川にて市民参加型のホタル生息調査ツアーを実施しました。鞍月用水沿い及び周囲の庭園周辺を踏査し、夜間の水のせせらぎや都市の自然を楽しみつつ、ホタルの生態を調査することを意図した企画です。

当日は、幸町・菊川地区にお住いの方々をはじめ、総勢15名程度の方々にご参加いただきました。また、金沢ホタルの会副会長・石川ホタルの会事務局長の新村光秀さん、石川県立自然史資料館館長の中村浩二さんにもご参加いただき、ホタルの生態について教えてもらいながら、調査を進めました。

ホタルは全世界で2,000種余り存在すると言われていますが、普段良く耳にするのはゲンジボタルやヘイケボタル。金沢市内でもそれら2種類の生息が確認されています。それぞれ体長や光り方が異なるため、それを目印に江戸時代から活用されている用水沿いに個体数を確認していきます。

雨の日はホタルの飛ぶ姿はなかなか確認できません。その代わり、水辺の植物の葉っぱの裏に隠れていたりします。調査当日は小雨でなかなか見つけることができませんでしたが、10数カ所余りの観測地点を小まめに確認していくことで、結果的に合計数十匹のゲンジボタルとヘイケボタルを確認出来ました。また、参加者のご好意もあり、旧町家である邸宅内の日本庭園でも調査を行わせてもらうことが出来ました。日本庭園内でホタルが飛び交う幻想的な風景を見つつ、日本庭園が果たす都市の生物多様性や生態系への貢献を学ぶことが出来ました。

ホタルの各種類それぞれ、異なる食べ物や生息環境の好みを持っています。綺麗な水質のほか、食べ物であるカワニナやタニシの生育環境、まゆを作れる土、卵を産み付けられるコケなど、水辺周辺の環境も合わせて考えていかなければなりません。今回の調査のような市民参加型のホタル調査は金沢市では多くの方の参加で継続的に行われています。来年もまた多くの方と都市の自然を楽しみつつ、ホタルの生息できる環境について一緒に考えていけるといいですね。

ホタルの生態や金沢市のホタル生息調査の歴史について詳しくは「金沢ホタルマップ30年のあゆみ」もご参照ください。

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