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【開催報告】SDGsカフェ×高校生「これからの学校、学びの在り方とは?」

日時 / Date : 2020/7/22.29
場所 / Place : オンライン

今回のSDGsカフェは⾦沢市の⾼校⽣が主催するセミナーと連携し、2週連続、オンラインで開催しました。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によって、浮き彫りになった学校教育をめぐる課題──これからの学校や学びはどうあるべきなのか? 持続可能な学校や学びとは? そもそも、現在の学校体制の背景には何があるのか? どういった課題があるのか?──高校生や大学生、社会人、教員など多様な人たちが参加し、 “これからの学校”や“学びの在り方”について、グループディスカッションを行い、それぞれがイメージを深めました。

◆第一部「ゼロベースでこれからの学校や学びの在り方について対話しよう」
 7月22日(水)18:30~20:00

◆第二部「他府県・他国ではどう考えているのか?先進事例に触れて対話しよう」
 7月29日(水)18:30~20:00

 

2030年に向けて、学校の在り方はどうする?
最初の話題提供は現役高校生の千代航平さんから

千代航平さん

 いままでのSDGsカフェとは違い、今回は特別なもの。高校生のからこのような話し合いをしたいという提案があり、SDGsカフェの場を提供する形で開催しました。千代さんは金沢大学附属高校2年生。今回のSDGsカフェではファシリテーターを務めます。

 まずは話題提供として、千代さんが考えている理想の学校像について紹介がありました。

「いままでは画一的な教育が求められてきましたが、多様性やグローバルな人材、個性を伸ばす教育などが求められているいま、現状のシステムが果たして則しているかどうかということも含めて、これからの学びはどうあるべきだろうと考えようと、今回のこの場を企画しました」(千代さん)

 千代さんは、先生と生徒の対話によって、よりいい学校を作ろうという活動をしているそうで、その活動から、生徒の知らなかった先生らの事情があるということを学んだといいます。そこで、これからの学校というのは先生と生徒がもっとフランクに対話できるようになるべきではないかと思ったのだとか。例えば、行事審議などの職員会議には生徒が出席してもいいのではないか? そのようなことも感じているそうです。

 課題研究は先生から与えられるもので、高校生だけで進められているものではなく、主体的になれない人も多くいるのではないか、そう思っているそうです。そこで、高校生同士が情報共有をし、主体となって課題研究が進められるプラットフォームを構想しているそうです。

 さらに、新たな学校の在り方の一つの方向を示す具体例として、実際に金沢大学附属高校で行われている地域の外部の人を取り込む教育について紹介がありました。これには、生徒にはモチベーションが上がりやすいとか、素直に意見を聞きやすいというメリットがあり、一方、先生からも、生徒を外の世界にふれさせることで刺激を与えられるなどといった前向きな意見があがったそうです。

 

学校が光れば、地域も輝く!
能登高校の魅力化に取り組む木村聡さんからの話題提供

 能登高校魅力化プロジェクトコーディネーターの木村聡さんは、能登町の地域おこし協力隊としてこのプロジェクトに関わっているそうです。

 能登町は過疎化が進んでいて、かつて町内には高校は3校1分校がありましたが、いまは町内に石川県立能登高校の1校しかなく、その1校も廃校の危機を迎えていたそうです。

 町としても高校がない地域に人が残ってくれるか? 移住をしてきてくれるか?という問題に立ち向かうために、町が県立高校を支えていくということで、能登高校魅力化プロジェクトを立ち上げたとのこと。プロジェクトのねらいには、「町内からの進学率を高めて高校の存続と発展を図ること」や、「希望する進路の実現の支援」、「地域の未来に貢献する人材を育てる」、「教育環境を充実させて定住・移住の地として選ばれる町となる」という、4つがあるそうです。

 木村さんが関わっていることは「地域連携・探究学習支援」。将来、地域で活躍する人材を育てたいという思いは、地域にも高校にもありますが、それをどうやって実現したらいいのかという部分で、木村さんがコーディネイターとして高校と地域をつなぐ役割を担っているそうです。「総合的な探究の時間」のサポートを行い、生徒にとって身近な「地域課題」を素材にして課題解決型学習に取り組んだりもしているとのこと。

 社会課題を見つける力を育てるプログラムでは、「SDGsと地域課題とのつながりを学ぶ」と題して、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットの永井事務局長や、「SDGsと能登、SDGsと企業活動について学ぶ」では能登町でSDGsに取り組んでいる数馬酒造株式会社の数馬嘉一郎さんにも話をしてもらい、生徒にはSDGsの視点から地域の課題や世界の課題を考えてもらうきっかけ作りもしました。このように、木村さんは地域の人たちと高校をつなぐ役割を担っているそうです。今年はコロナ禍の中でもありオンラインで「進路探究学習」の授業を行っているそうです。

「地域学」といわれるものも実施しています。これは能登高生の希望者が参加するもので、地域のことが学べる講座です。ただ地域のことが学べるだけではなく、仕事をするというのはどういうことかや、考えたり表現したりするときに使える技を知ること、あるいはイノベーションを起こすとはどういうことかなど、総合的に学べるようになっているとのこと。

 普段の学校の授業とは全く違い、地域の人も入ってワークショップ形式で進めています。生徒たちからは「実は地域のことはよく知らなかったが、話を聞いてみるとこの町にポテンシャルがあるということがよくわかった」といった声が寄せられているそうです。

「学校の先生たちは多忙だということが現場を見ているとよく分かり、それは小規模校になるとなおさらです。その中で探究学習だ、地域課題だと、先生たちもやらなければいけないこと、学ばなければいけないことがたくさん増えています。

 学校だけでは対応できない問題でもあり、学校のある地域や自治体を巻き込んで、その中でコーディネイターを設置して物事を前に進めていくような仕組みを作るということは、これから先、とても大事なのではないでしょうか」と述べ、話題提供を終えました。

 

理想の学びって? それを実現できる学校って?
グループでの対話が始まりました

 高校生が1名ないし2名ずつ入ったいくつかのグループに分かれ、グループワークを行う「ブレイクアウトセッション」に移りました。

 まずはそれぞれ自己紹介をしつつ、「いままでの人生の中で一番いい学びをしたなと思った瞬間は?」ということについて、それぞれが思いを発言しました。

 セッション終了後の情報共有で紹介された意見を、いくつか紹介します。

  • 自分の興味がある分野に対して、専門的に学べるというのが、いい教育なのではないか
  • 学校から外に出るフィールドワークで、実際に何か外のものにふれて体験することや、田舎の高校生が都会のビジネスマンと交流して、いままで知らなかった生活をしている人たちとふれあう経験、海外に行ってカルチャーショックを受けた経験など、日ごろふれることがないフィールドでの体験がいい学びにつながったことが多かった
  • 子ども会活動に関わり、進学で東京に行ったが、就職は金沢に戻ることにしたのは、その時の経験がすごく影響している。学校以外の経験というのが自分にとっては良かった

──以上のような意見がありました。

 続いて、「これからの理想の学校や学びの在り方について」をテーマに、2回目のブレイクアウトセッションに移りました。いい学びを得るにはどのような学校が理想なのか? 学びというのはどのようなものであったらいいのか?について、引き続きグループで対話をしてもらいました。

 セッション終了後に紹介された意見をいくつか紹介します。

  • 「総合的な探究の時間」について、生徒たちはそれをやる意味をあまり理解できていないという問題があり、まずはそこから解決する必要がある
  • そもそも「理想の学校」という形にはめることがどうなのか?
  • みんなが同じことを学ぶのではなくて、人それぞれの個性を活かすという上では、人それぞれ興味を持つことは違うから、それを伸ばす教育をするべきではないか。生徒が興味を持ったことを後押しするという教育が求められるのではないか
  • 大前提として「楽しい」ということは大事。ただ、「楽しい」以外にもいい学びや理想の学校というのがあるのではないだろうか。それは生徒一人ひとりが自分で選択することができるということであり、例えば夏休みの宿題にしても、するしないも自分で決めて、しないと決めたならどうやって先生を説得するかなど、すべてが学びにつながる。自分が選択したからには自分で責任を持って最後までやらないといけない。このように、生徒が自分で選ぶということがいい学びなのではないか。そして理想の学校とは、より多くの選択肢を生徒に提供できることではないか

──以上のような意見がありました。

 最後に、「どうすれば理想の学校や学びに近づくのか」について、グループで対話をしました。

 セッション終了後に紹介された意見をいくつか紹介します。

  • 大学生が高校生と一緒に「課題解決型学習」(PBL)に入れば、自分が数年後にその立場になる人が教えてくれたほうが親近感も湧くし、教えられているというより、一緒に考えているという感覚になれるのがいい
  • 学校の在り方として、知識的な勉強だけを強要するのではなく、アイデンティティの確立のためのスキルを向上させるべきではないかと思う
  • 何かにトライしたりするとき、心理的な安全がある場所として学校を提供できれば理想的
  • 教科を教える先生とは別に、地域とのつなぎ手となる新たな先生がいれば、理想の学びに近づけていけるのではないだろうか

──以上のような意見がありました。

「今日みたいにSDGsカフェの場を使っていろいろな人とつながっていただき、参加してくださった方もいろいろな意見を出してくださり、ムーブメントにつなげていく場にできたことはとても嬉しかったです」と永井が述べて、第一部が終了しました。

第一部参加の皆さん

 

一週間後に開催された第二部では、視野を広げつつ、
これからの学校や学びについて考えを深めていきました

 第一部で話し合ったことを思い返しながら1週間を過ごし、第二部の「他府県・他国ではどう考えているのか?先進事例に触れて対話しよう」に臨みました。

 ファシリテーターの千代さんは、実は今年1年、フィンランドに留学する予定があったそうです。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で行けなくなってしまったのだとか。そこで、第二部の話題提供その1として、千代さんが調べていたフィンランドの事例について、発表がありました。

 世界幸福度報告が1位、学習度到達調査PISAが世界トップクラスというこの国ではどのような教育がされているのでしょうか? 調べてみると、フィンランドでは勉強を教える先生とは別に、学校をよりよい環境にするための「チューター・ティーチャー」と呼ばれる先生がいることがわかったそうです。

 

学び方の多様性を創造する
学校と地域を結ぶコーディネイターの
白上昌子さんからの話題提供

白上昌子さん

 話題提供その2は、ゲストとしてお越しいただいた、白上昌子さんからお話しいただきました。学校と地域とを結ぶ、キャリア教育コーディネイターという肩書で日々活動している白上さん。アメリカの小学校で日本語教師として働いた経験をお持ちで、現在は名古屋市のNPO法人アスクネット顧問、くらしクリエイト代表として活躍しています。

「学び合い育ち合う共同体作り」をミッションとするアスクネットでは、ゲストティーチャーとして社会人を学校に連れてきたり、子どもたちがいろいろな体験を行う場を作ったり、大学生や高校生のインターンシップのプログラムのコーディネーションなども行っているそうです。

 その中でも高校の先生から要望が強い、大学・企業をそれぞれ1日ずつ体験できる「キャリア・ブリッジ」というプログラムを紹介しました。

 これは愛知県教育委員会と連携して、幅広く高校生に呼びかけているもので、昨年は7つの大学から、経営や教育、福祉など、それぞれのコースから学びたいものを高校生が選び、大学とその学んだ分野に関連する企業での体験から、「大学で学んだことが社会でどう生きるか」などを考える機会となります。その後には、大学と企業で学んだことを元に、自分が今後どのような進路を歩んでいきたいかを考え、レポートにして提出するそうです。ぼやっとした自分の将来イメージが、このように直接触れることで明確になってくるのだといいます。

 また、一昨年にエストニアに行った時の話も紹介していただきました。

 エストニアはフィンランドのすぐ近くにあり、旧ソビエトから独立した国。現在は電子国家と言われるほど、ITが進んだ国です。学校には、すべての教科にICTを導入するため、そのアドバイスを行うコーディネイター(ICT支援員)がいて、教科横断型の授業では、先生間のつなぎや、プロジェクトの準備も行っているそうです。

「未来」という科目もあり、過去を学ぶだけの教育ではなく、子どもたちの意識を未来に向けさせるべく、「ドローンを使えば、まちのどんな課題が解決できるのか?」ということを学ぶ実践プログラムも進めているのだとか。

 会社を作るということを学ぶ「起業家教育」もあり、高校では開業から廃業までを経験するのだとか。「一度これを経験すれば、自分も何かやれるかもしれないという気持ちになるのではないか」と白上さんは感じたといいます。

 最後に、SDGsの取り組みにも通じる愛知県立佐屋高校のことを紹介しました。もともとこの地域は白文鳥を飼育するという産業が盛んでしたが、それが衰退してしまい、絶滅の危機に瀕していました。生産農家から地元の農業高校に文鳥を育てるノウハウを学校に移植して、文化・伝統を継続できないかと相談があり、それを受けて、現在では高校で飼育を行い、販売まで手掛けるようになったそうです。

 生産者から相談を受け、孵化ができるようになるまで6年くらいかかりました。その間、いろいろな人たちの思いに寄り添いながら命と向き合い、それが先輩から後輩へと引き継がれていったそうです。

 これから2030年、あるいはもっと先の社会を見据えた時に、SDGsのいちばん大事な「誰一人取り残さない」ということを考えて、「一人ひとりの思いや命に向き合っていくために、どんな学びの在り方や学校の在り方がいいのかということを考えてみては」と述べて、白上さんは話を締めくくりました。

 

これからの理想の学校って? 学びって?
再び、グループによる対話が始まりました

 第一部と同様に、いくつかのグループに分かれるブレイクアウトセッションに移り、「これからの理想の学校や学びというのはどういうものなのだろう」ということを、話し合いました。

 セッション終了後に共有された意見をいくつか紹介します。

  • 前向きな先生もいれば、地域とのつながりを作るのが難しい先生もいるので、コーディネイターという存在は大事かもしれない
  • プロジェクト型学習というのがキーワードとして出ていたが、責任感を持って学べる学校や授業が大事。これからプロジェクト型地域課題の探究の学習が増えてくると思うが、形だけであったり、自分ごとにならないまま、プラン作って終わったりというパターンも散見されるので、そういったことを先生のサポートも含めて考えることができた

──以上のような意見がありました。

 2回目のブレイクアウトセッションでは、より具体的に「どうすれば理想の学校や、学びに近づいていくだろうか」ということをそれぞれの立場から考えて、意見を交わしました。

 セッション終了後に共有された意見をいくつか紹介します。

  • 語りやすいのは成功事例。しかしそれはあらゆる条件が揃って成し遂げられたことであって、紹介しても別の場所に持っていったときにその条件が全部揃うかということも考えて語ったほうがいいのではないか。逆に失敗例を語ってもらったほうが、その失敗理由を追求していくことができるので、たくさんの成功事例を並べるよりも失敗例を挙げていったほうがいいのではないか
  • 地域課題と地域を結びつける以前に、生徒と学校が結びついていないから、もっと生徒の声を引き上げられる学校にちゃんとなってほしい
  • 理想の学校として話に出たのは、まず1つ目は自分の将来がどんなふうになるのかと描ける教育。2つ目が自分のしたいことや教科以外のことも調べられること。その理想に近づくためには、まずは生徒の意見を先生に直接伝えられる環境があること。そして、学校と地域とか外部との連携も大事。地域住民と学校が協力していたほうが、自分の将来を描きやすい。生徒の意見を先生ではない大人が直接評価してくれるという点でいい。もうひとつ、家庭環境も大事。家庭の中でニュースを見ながら親と意見を交わしたり、いろいろな職業について話すなど、親と話すことで自分の将来に目標が持てたり夢ができたりすることがある。さらに、親の反対によって学校が動くことも無きにしもあらずであり、そういう意味でも、親は大事ではないか

──以上のような意見がありました。

 さらに、学校にどう関わっていくか、学びをどうしていけばいいのかということをもう少し具体的に考えたり、あるいはいまの話をより深めてもらったりしながら、理想の学校や学びの姿を考えてもらうため、最後のブレイクアウトセッションに移りました。

 セッション終了後に共有された意見をいくつか紹介します。

  • 東京などの都会だと自分がやりたいことのコミュニティーがすぐに見つかったりするが、地方ではそれがなかなか見つからないということを話したら、東京に縁のある方から、東京はやりたいことは見つかるが、あまりにもいろいろなものがありすぎて、一つに没頭するということは地方の方がやりやすいのではないかという意見があった。いまはコロナの影響で自分のやりたいことをどこでやるのかということの価値観も変わり、自分たちはいままさにそういう過渡期にいることを感じている
  • 日本の形にはめた教育では、教育自体にみんなが興味を持たない。なんのために勉強をしているのかがわからない。海外の事例で、一週間の題材を決めてそれについていろいろな教科の観点から学んでいくというのがあることを聞いたが、何について学ぶのかという目的を定めた上で、さまざまな教科の視点から一つの題材をみるほうが、興味を持つのではないかと思う
  • コロナウィルスの影響で休校が続いたが、その時の教育格差というのをどうしたら最小限にできるかというのを話し合った。オンラインと動画配信とどっちが有効かという話になったが、結局、受けようと思えば受けることができる環境を作ることが大切だと思う
  • 学校とは人生の目標を叶える場所だと思っている。ただ、進学や就職が目標となってしまい、その目標を最優先するあまり、教科の勉強ばかりに時間が割かれてしまって、地域の問題を見る時間や自分の本当に好きなものを見つけるための時間というのがなくなってしまっている。進学や就職といった短期的なものではなく、人生の長期的な目標がないと、学生の頃から能動的に学ぶというのは難しい。学びの視野が広くなるようなシステムがあればいいと思っていたが、白上さんの話を聞いて、そのような動きが自分の住む地域でもたくさんできればいいなと思った

──以上のような意見がありました。

「2週にわたり、トータルで3時間ほどの対話を行いましたが、この短時間で答えが出る問題ではありませんし、これからもっと考えていかないといけない問題かと思います。対話が深まっていく中で、いろいろな意見や思いが現れてきました。これをうまくまとめていったり、引き続き考えていったりすることが、これから必要になってくると感じています。そして、これからもつなげていきたいと考えています」と千代さんが述べて、2回にわたったSDGsカフェは終了しました。

第二部参加の皆さん

 千代さんやお二人のゲストから紹介があった事例や、多くの参加者が口にしていたことは、“学校の外部の人間が学校に関わることの大切さ”でした。

 金沢SDGsでは、さまざまな市民に集まっていただき、『金沢ミライシナリオ』を作っており、5つの方向性の3番目に「子どもが夢を描けるまち」を挙げています(詳細はこちら)。そのミライシナリオの中にも「いろいろな先生に教えてほしい! NPOなど学外の人材を活用する仕組みを作ろう」というものがあります。

 自分たちよりも少し年上の大学生や、あるいは企業でバリバリに働いている社会人、人生経験が豊富なシニアなどから、学校で聞くことができない話に接することで、いろいろな刺激が与えられ、子どもたちの将来の夢が一歩も二歩も前進する可能性は大いにあります。

 子どもたちが描いた夢を実現するための学校や学び。それが理想の形かどうかはさておき、学校と地域社会のパートナーシップによって、学校も学びの在り方も良い方向へ向かうことはいろいろあるのではないかと感じました。

 

 

【今回のイベントのスピーカープロフィール(登壇順)】

千代航平(せんだいこうへい)

金沢大学附属高校2年

長い休校期間を経て、問い直されつつある、学校行事や、学校、学びそのものの在り方。 今回、様々な人と、様々な視点から、深い対話ができることを楽しみにしている。 1年時では、平和町商店街の活性化、また、現在は、高校生主体の探究活動を行えるプラットフォームの構想や、新たな行事の企画を考え中!問いを持ち続け、毎日歩みを止めないように行動し続けている。

 

木村聡(きむらさとし)

能登高校魅力化プロジェクト コーディネーター

慶應義塾大学商学部卒。卒業後は日本ガイシ(株)入社。2005年からベネッセコーポレーション。進研ゼミ中学講座の業績管理業務を担当したのち、ベネッセ教育総合研究所の研究員に。退職後、2018年に石川県能登町にIターン。現在は能登町が町内唯一となった能登高校の存続と発展に取り組む高校魅力化プロジェクトのコーディネーターとして、地域探究授業のサポートやふるさとを見つめ直す地域学など、教育と地域をつなぐプログラムを仕掛けているほか、Rakuten IT school Nextや地域みらい留学365(高校2年次での国内留学)の誘致といった新しい学びの機会提供にも尽力している。また、石川県穴水町岩車地区で農漁業・田舎体験プログラムを主催するNPO法人「田舎時間」代表も務める。

 

白上昌子(しらかみまさこ)

くらしクリエイト代表・NPO法人アスクネット顧問

大学卒業後、アメリカの小学校で日本語教師として働く。帰国後保険会社に勤務し、2006年NPO法人アスクネット入職。教育CSR担当として、トヨタ自動車、アイシン精機など企業の出前講座を手掛ける。2009年代表理事就任。小学生から大学生までを対象としたキャリア教育を推進。2010年高校生を対象とした公募型インターンシップの仕組みを行政と連携してつくる。また、2015年より生活困窮家庭向けの学習支援教室を開始し、教育と福祉の連携に努める。2019年5月に代表理事を退任。現在は「くらしクリエイト」という屋号で研修講師等を務める。文部科学省消費者教育委員会委員。愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略会議専門委員。名古屋市教育委員会事務点検評価委員。

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