2026年8月8日から10日の3日間、「世界農業遺産国際スタディ・プログラム」の一環として、参加学生による能登研修を実施しました。また、8月24日には中間発表会を開催し、現地での学びや気づきを振り返りながら、能登の創造的復興や地域課題の解決、地域活性化に向けた提案の方向性を発表しました。
本プログラムは、世界農業遺産(GIAHS)「能登の里山里海」をテーマに、講義や能登でのフィールドワークを通して学び、それぞれの専門分野や関心を生かしながら、能登の創造的復興に向けた提案を考えるプログラムです。2024年の能登半島地震と豪雨災害を経験した能登で、地域の自然や文化、生業をどのように未来へ継承していくのかを考えるとともに、地域に貢献する若者の育成を目指しています。
能登の里山里海を現地で学ぶ
3日間の能登研修では、のと里山里海ミュージアム、白米千枚田、和倉温泉お祭り会館、道の駅すず塩田村などを訪れ、地域で活動する方々との交流やさまざまな体験を通して、能登の自然、農林水産業、伝統文化、祭り、地域産業について学びました。
能登は、単に豊かな自然が残る地域ではありません。長い歴史の中で、自然環境と農林水産業、人々の暮らしや生業、文化、景観などが互いに関わりながら「能登の里山里海」が形づくられてきました。現地を訪れ、地域の方々の話を聞くことで、学生たちは、こうした「人・自然・文化のつながり」そのものが能登の大きな価値であることへの理解を深めました。
同時に、人口減少や高齢化、担い手不足、地域産業や伝統文化の継承など、震災以前から続く課題に加え、地震や豪雨による建物や景観、生産環境、文化財などへの被害についても学びました。
その一方で、研修では、困難な状況の中でも地域の文化や生業を守りながら、時代に合わせた工夫を取り入れ、次の世代へつなごうとする人々の姿にも触れました。伝統的な塩づくりや祭りなどを通して見えてきたのは、文化を継承することは、単に「形」を残すことではなく、そこに蓄積されてきた技術や経験、記憶、そして人と人とのつながりを受け継いでいくことでもあるということです。
地域の方々との対話からは、若い世代や地域外の人々との関係をどのようにつくっていくかという視点も生まれました。一度能登を訪れて終わるのではなく、能登を知ることをきっかけとして、その後もさまざまな形で地域と関わり続ける人を増やしていくことが、能登の未来を考える上で重要なテーマの一つとして浮かび上がりました。
現地での学びを「提案」へ

能登研修から約2週間後の8月24日には、中間発表会を開催しました。
参加学生は、これまでの講義や能登研修で何を学び、現地で何を感じたのかを振り返った上で、それぞれの専門分野や関心と結びつけながら、能登の創造的復興や地域課題の解決、地域活性化に向けてどのような提案ができるかを発表しました。
発表では、能登の商品を入り口に、その背景にある人や自然、文化、産業とのつながりを伝える仕組みや、若者が能登について学び、その魅力を地域外へ伝えながら継続的に地域と関わっていく仕組みなど、現地で得た気づきを具体的な取組へと発展させたさまざまなアイデアが示されました。
中間発表会は提案の完成を目指す場ではなく、現地での経験を整理し、「能登の未来のために自分たちに何ができるのか」を改めて考え、今後の提案につなげるための機会です。
参加学生は今後、地域のニーズや提案の実現可能性についてさらに検討を重ねていきます。また、「石川&イタリアプログラム」の参加学生は、イタリアの国連食糧農業機関(FAO)本部やGIAHS認定地域などを訪問し、国際的な視点からさらに学びを深める予定です。
能登で地域の人々から学んだことと、国内外で得る新たな視点を結びつけながら、学生たちは最終成果発表に向けて、それぞれの提案をさらに具体化していきます。




