2025年2月22日(土)、国連大学本部1階アネックス・テラスにて「能登里山里海トーク2」が開催されました。世界農業遺産(GIAHS)に認定されている能登半島は、昨年の地震と豪雨で甚大な被害を受けた地域です。第1回に引き続き、今回も能登の生産者をゲストスピーカーとしてお招きし、国連大学OUIKの小山明子研究員がモデレーターを務める形で、トークイベントと交流会を開催しました。
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左端から稲葉清弘さん(能登やまびこ)と鳥居正子さん(鳥居醤油店)
第1部では、鳥居正子さん(鳥居醤油店)と稲葉清弘さん(能登やまびこ)が、災害後の現状と復興への取り組みについて熱い思いを語りました。
鳥居さんは、震災後、本当に多くの方々の支援、援助を受け、感謝の気持ちを胸に醤油作りの再開に至ったことを振り返りました。奥能登で二重被災した大豆農家さんから原料となる大豆を提供いただけていること、震災直後から県外の大工さんが醤油蔵の修理を手伝ってくださったことなど、心温まるエピソードをご共有いただきました。
米や能登野菜を生産する稲葉さんは、震災直後の現場で直面した厳しい状況を、当時の経験を踏まえて振り返りました。能登全域が甚大な被害を受けた結果、野菜を卸していた旅館や飲食店も大打撃を受け、従来の販売経路が一気に失われる事態となったそうです。稲葉さんは、販路を失った野菜を炊き出しに提供し、そして逆境をチャンスと捉え、地域交流活動や体験事業、新たな販売ルートの開拓にも取り組むなど、活動の幅を広げています。
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萩のゆきさん(のがし研究所)
第2部では、萩のゆきさん(のがし研究所)が、東京で育ちながらも里山の豊かな魅力に触れ、移住に至った背景を語られました。さらに、震災後にインフラが回復しない状況下で湧水の利用や保存食の備蓄、薪による暖房といった元々地域に根付いていた自給自足の暮らしに助けられたこと、そこから得られる喜びや苦労、地域の温かな絆について紹介されました。
第2部のはじめには萩のゆきさんにもご協力いただき国連大学が2018年に制作した絵本「ごっつぉをつくろう」の動画も紹介されました。以下より、ぜひご視聴ください。