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【開催報告】 石川・金沢から発信するSDGsビジネス

日時 / Date : 2018/01/22
場所 / Place : 金沢商工会議所

環境省と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、1月22日に「石川・金沢から発信するSDGsビジネス」と題したシンポジウムを開催しました。

0122takeuchiこのシンポジウムは、SDGs推進のため幅広いビジネスセクターの参画を目指して開催されたもので、石川、金沢にはグローバルニッチと呼ばれる企業や、数代に亘って地域に貢献しながら事業を行ってきた会社などSDGsと親和性が高い企業文化が根付いた地域であることから地域発のSDGsビジネスモデルの議論が展開されました。

環境省総合環境政策統括官の中井徳太郎氏の開会挨拶に続き、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構の武内和彦機構長が基調講演を行いました。基調講演では、武内機構長がSDGsに関わる国際的な動向と日本における国・自治体レベルでの動きについて紹介した後、環境に配慮した活動が企業の成長のエンジンとなる時代に突入しており、SDGsを考えることは企業にビジネスチャンスをもたらすと指摘しました。

01nntokunari事例発表では、公益社団法人金沢青年会議所(JC金沢)専務理事である仲泉拓郎氏は、JC金沢がOUIK、金沢工業大学、JICA北陸とSDGsに係る産官学連携の枠組みであるSDGsビジネスコンソーシアム金沢をスタートさせたことや、JC日本が安全な水の確保が困難な発展途上国で行っている、持続可能な発展を目指した自立を促す仕組み作りについて発表しました。明和工業株式会社の徳成武勇氏は、自社の環境配慮型装置を活用した途上国でのビジネスモデルについて説明しました。また、農事組合法人Oneの宮野義隆氏より、自社が行う「もうかる持続可能な農業」がSDGsの目標の何に紐づけることができるのか紹介いただくとともに、将来的には自社の生産ノウハウを蓄積、展開することによって世界の飢餓問題に貢献したいとの意気込みを語ってくれました。

0122kawaguchiパネルディスカッションは、慶應義塾大学の蟹江憲史氏がモデレーターを務めました。ディスカッションに先立ち、大和総研主任研究員である河口真理子氏からは、ESG[1]投資[2]を見据えた大企業の動きが紹介され、今後ESGの考え方に反する企業活動はリスクとなりうることが指摘されました。次に、日経エコロジーの藤田香氏がSDGsにおいて地球課題を視野に入れた新しい技術、仕組み、製品開発などを行うための変革が組織に求めている点を指摘しました。パネルディスカッションでは、同じ課題を抱えている企業が連携しあうことやパートナーシップを構築することが大切であることや資金投資されにくい人材育成に行政が積極的に取り組むことが重要であることなどの意見が出されました。

最後に、渡辺OUIK所長からは、今回のイベントは、OUIK10周年のキックオフイベントと位置づけるとともに、この金沢で締結された産官学連携をSDGsビジネスのプラットフォームとして更に推進していきたいというコメントがなされました。

 

 

[1] 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まってきています。

[2] 財務情報だけを重視するだけでなくESGも考慮に入れて投資の意思決定を行うこと。

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