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【開催報告】畑トーク2 「能登と金沢をつなぐ緑の対話:文化とコミュニティから考える再生のかたち」

日時 / Date : 2026年4月11日 / 11 April 2026

2026年4月11日、石川県金沢市菊川にて、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティングユニット(UNU-IAS OUIK)と特定非営利活動法人「綴る」 の共催で、畑トーク Vol.2「能登と金沢をつなぐ緑の対話:文化とコミュニティから考える再生のかたち」を開催しました。本イベントは昨年の畑トークvol.1に引き続き第2回目の開催で、学生、研究者、地域の方、専門家など約20名が集まり、活発な意見交換を行いました。

オープニングトーク

はじめに、UNU-IAS OUIKのフアン・パストール・イヴァールス研究員は、菊川地区における庭園の調査について紹介しました。あわせて、緑のコミュニティを育み、グリーンインフラを計画するために、①庭園の状況の報告②行動を起こす③議論を行うという三つのステップに基づき、菊川地区の将来について検討を進めていることを説明しました。

プレゼンテーション

特定非営利活動法人「綴る」の松本有未代表理事が、「綴る」は金沢市菊川町にある空き家を地域住民の交流の場、コワーキングスペース、シェアキッチンなどの共用施設へと転用させる活動を行っており、空き家の減少と、近年失われつつある地域コミュニティの形成を目指していると説明しました。松本氏は今回の畑トークの会場である「イクヤマ家」も「綴る」が手掛けた空き家再生の一例であると話しました。

続いて、輪島キリモトの桐本順子氏が「RESCUE & REBORN―能登地震後の輪島塗と新たなものづくり―」というテーマで発表しました。2024年に起こった能登半島地震により、輪島塗の生産基盤や職人の生活は大きな被害を受け、伝統産業の継続が困難な状況に直面していることを報告しました。そのような状況の中で、「輪島キリモト」では被災して使用できなくなった漆器の修復や再利用などを通じて、輪島塗の再生に向けた取り組みを進めていることを紹介しました。これらの活動は、単なる復興にとどまらず、伝統産業の新たな価値創出や持続可能なものづくりに向けた取り組みであり、また、地域の文化や技術の継承においても重要な役割を果たしていると強調しました。

最後に、輪島市でコミュニティガーデンや井戸をつくる活動を行っている山上幸美氏が「震災後の空き地を庭に変える―輪島の小さなコミュニティガーデン」というテーマで発表しました。本活動は、福井県の災害支援団体「ソナエルフクイ」の協力のもと行っています。震災後の輪島市で建物が倒壊し取り壊された場所に、緑を創出し庭や畑を再生することで、地域住民が集い交流できる場所へと転換していることを報告しました。これらの取り組みは、緑の創出を通じて被災した地域住民に心理的な安らぎをもたらし、人と人とのつながりの回復を促進するものであり、地域のレジリエンス向上に寄与する実践であると説明しました。

グループディスカッション

イベントの後半では参加者も交え、4つのグループに分かれ次の事を話し合いました。各グループでは、地域住民の参加や合意形成の重要性、都市開発の影響で街から緑が失われつつある点が重要な課題として挙げられました。さらに、都市開発の進行に伴う短期的な利便性の向上と、長期的な環境保全との間でいかにバランスを取るかについても意見が交わされたほか、行政・企業・市民といった多様な主体がどのように連携し、持続可能な取り組みを推進していくかが議論の焦点となりました。

これからについて

イベントは菊川のコミュニティーガーデンでの農作業体験で締めくくられました。このイベントは今後数か月間継続され、さらに議論を深めていきます。

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