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【開催報告】SDGsいしかわ・かなざわダイアローグ第2回の上映会が開催されました

日時 / Date : 2018/07/22
場所 / Place : 石川県珠洲市 さいはての「キャバレー準備中」 

OUIKはSDGsダイアローグをキックオフしSDGsの各ゴールにつき地域のパートナーと連携しイベントやプロジェクトを通じてSDGsの周知を図っています。

7月22日に「『誰も取り残さない』は誰のため?を考える」映画上映会vol.1in 珠洲市を、「World Theater Project 北陸支部」とOUIKの共同企画で開催しました。奥能登国際芸術祭2017の作品・さいはての「キャバレー準備中」という素敵な空間を会場に、ドキュメンタリー映画「みんなの学校」を上映しました。

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誰も取り残さないことが求められている

SDGsの理念である「誰も取り残さない」は、地球規模で考えると、今の経済開発や社会開発から取り残されないことを指します。しかし、SDGsは身近な一人ひとりの取り組みにも着目しています。身近な問題が解決し、それが広がることにより、結果として地球規模の問題解決にもつながるからです。
さて、今回の映画に登場するのが大阪に実在する大阪市立大空小学校。
「学校が変われば地域が変わる、そして社会が」。これは、この映画の予告編のキャッチフレーズですが、スクリーンを通して観客はそれを実感することができます。“難しそうで重たいテーマの映画”と思って観始めましたが、直球で心に響く作品でした。

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「この子さえいなかったら」が、「この子がいたから」に変わる

大空小学校では、発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子もみんな同じ教室で学んでいます。
そのきっかけを作ってくれたのが、突然転校してきた、そんなちょっとトラブルを起こす子どもだったそうです。当時の校長先生は、「この子さえいてくれなかったら、いい学校が作れるのに・・・」と、心の中ではそう思ったと、映画の中でふりかえっています。
しかし、その後、この子が起こした奇跡――いやそれは奇跡でも何でもなく、人として当たり前のことなのですが――によって、この子は激変しました。実は本人は全く変わっておらず、周囲がその子を見る目が変わったことで、「自分が認められた、居場所ができた」と思えるようになったため。そしてその変化を見た、周囲の子どもも大人も変わり始めたのです。

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誰も取り残さないことが当たり前となる

もちろん、そういう子どもに接するのは大変で、時間も取られます。しかし、その子たちと一緒に過ごしていくことで、実は自分たちも一緒に成長していくことができる、そのことに先生も児童も気がついたのです。しかも、それは学校内にとどまることなく、地域社会へも波及していきます。この学校に通っている児童たちは、取り残さないことの大切さを本質で理解しています。だから、この子達が大きくなったとき、世界で誰かを取り残す社会なんて作ろうとはしないはず。

「誰も取り残さない」は誰のため?

「取り残す社会」より「取り残さない社会」の方が現実的に良くなる、それは大阪のこの学校だけのことではなく、ひいては世界中でも同じ。持続できる社会をつくっていくうえで、実はこっちの方が合理的だということに気づかされます。
すべての人が尊重され、その人の価値を発揮できる世の中になれば、結局は自分自身も住みやすい世の中になるということです。

想いを伝えあうトークタイム

上映会のあと、参加された皆さん、「World Theater Project 北陸支部」の金原氏、OUIK事務局長の永井とでこの映画について意見交換を行いました。
皆さん、この学校の存在に驚き、感動しつつも、多くの方が「あの校長先生がいたからできたことで、他では難しい」という感想を話されていました。その一方で、「たとえ難しくても、誰ひとり取り残さないことは実現不可能ではない」ということも実感されていたようです。
いい映画は、観て感動したことを人と共有したくなるもの。観終わって感想を語りあった皆さんの表情は、充実感で溢れていました。

金原竜生(World Theater Project 北陸支部)

金原竜生(World Theater Project 北陸支部)

永井三岐子(OUIK事務局長)

永井三岐子(OUIK事務局長)

World Theater Projectとは

このような素敵な映画に出会うと、人生観も変わってきます。
NPO法人 World Theater Projectは、2012年に立ち上がり、「生まれ育った環境に関係なく子ども達が人生を切り拓ける世界をつくる」という理念のもと、途上国の子ども達に移動映画館で映画を届けています。
国内では、今回の作品のように、「映画の力」を教えてくれる秀作の上映会を行っています。その収益の一部は途上国の子ども達に映画を届ける寄付になります。
途上国の子ども達は、映画を観ることで知らなかった世界を見ることができます。このNPO法人の活動によって、2018年3月末現在で、51,123人の子どもたちに映画を届けることができたそうです。
北陸支部では、「金澤町家シネマ」と題して、月に1回の上映会を金沢で行なっています。

なお、7月29日には、「『誰も取り残さない』は誰のため?を考える」映画上映会 vol.2 in 金沢が行われ、映画『バベルの学校』が上映されました。

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