2026年1月10日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、ブラジル、ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(UNFCCC COP30)に参加したユースによる帰国報告会「COP30ユース報告会」を開催しました。国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)からは、 次世代リーダー育成プログラムを通じてCOP30に参加した高校生2名と、コーディネーターの富田揚子が登壇し、ユース団体の代表者らとともに、COP30での議論や現地での活動について共有しました。
冒頭の挨拶でUNU-IAS所長の山口しのぶは、公益財団法人イオン環境財団と共同で実施するGlobal Youth MIDORI platform(GYM)やOUIKの高校生向け人材育成プログラムについて触れ、ユースの意義ある参加を支えるための能力育成の重要性を強調しました。
続いて、井艸駿太氏(Climate Youth Japan(CYJ))、Jiaxin Peng氏(東京大学グリーントランスフォーメーション学生ネットワーク(GXSN))、酒井はるな氏(大阪大学/GYM2025参加者)が登壇し、COP30の概要と交渉結果、現地での活動報告、そしてユース参加と継続的な行動の重要性について発表しました。
平美優氏(金沢錦丘高校/OUIKプログラム参加者)は、COP参加のきっかけとなったOUIKの学びを紹介したうえで、COPが立場を越えて意見を交わす場であったこと、また文化理解の重要性を実感したことを述べ、今後は学校内外の活動に生かしたいと語りました。

パネルディスカッション1「COPの経験と課題〜次の行動へ〜」 では、 石崎彩花氏(上智大学Green Sophia)がモデレーターを務め、遠藤瑞季氏(東京大学GXSN)、北川諒氏(CYJ)、和田優希氏(CYJ)、橘葵衣氏(金沢大学附属高校/OUIKプログラム参加者)が登壇しました。COP30で得た経験をどのように次の行動につなげるかをテーマに議論が行われ、橘氏は、国や立場によって優先順位が異なり、誰もが納得する「100%の正解」を見つけるのは難しいというジレンマをCOPに参加して実感したと述べました。そのうえで、こうした複雑さに向き合うためにも、世代間交流を通じて視野を広げ、若者の環境意識を育む教育が重要だと強調しました。

パネルディスカッション2「ユースの意味ある参加とキャリア形成」 では、福田美紀氏(公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員/レンズ・ファシリテーター)がモデレーターを務め、酒井はるな氏、田所春乃氏(CYJ)、姜そんう氏(地球環境パートナーシッププラザ(GEOC))、富田揚子(UNU-IAS OUIK)が登壇しました。人材育成プログラムの役割や、国際経験がその後の進路・キャリア形成に与える影響について意見が交わされ、富田は、石川県で人材育成プロジェクトを運営する上で、学校で扱いにくい領域や課題を構造的に理解するためのクリティカルシンキングなどを取り入れるよう意識したことに加え、将来、気候変動に関連しない仕事についても、一つの課題にとらわれず視野をひろげてほしいと強調しました。
イベントの最後に、吉永園氏(公益財団法人イオン環境財団)は閉会挨拶で、発表を通じてCOPで実りの多い経験をされたことを知れて嬉しく思うと述べられました。
また、国連大学学長兼国連事務次長のチリツィ・マルワラ教授が、本イベントへの参加に謝辞を述べ、国連大学は今後もユースの意義のある参加への取り組みを促進していきたいと強調しました。
本イベントは、UNU-IASの主催、公益財団法人イオン環境財団の共催、青年環境NGO Climate Youth Japan(CYJ)、東京大学グリーントランスフォメーション学生ネットワーク(GXSN)、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の協力のもと開催されました。



