第2回「能登の里海」シリーズ講座は、8月29日(土)、石川県穴水町で「里海資本論から考える穴水湾・里海ムーブメント」をテーマとし、多くの方の参加を頂き開催することができました。
穴水湾は、大小さまざまな岬と入江から形成されており、小さな湾には漁港があります。穴水の人々は、漁業を営むとともに、後背地で田畑を耕し、半農半漁の生活を送ってきました。古くから多様な漁業が盛んな穴水湾では、世界農業遺産の認定がひとつのきっかけになり、里海の自然資本を活かした里海づくりの活動、いわゆる里海ムーブメントが動き出しています。
井上恭介さん(NHKエンタープライズ)による基調講演では、里海資本論の視点をご紹介いただき、その視点で穴水町をみてみると、里山と里海が目に見える形で近くに位置しており、有形無形の様々な資源に恵まれていることに気付かされます。続く岩田正樹さん(新崎・志ヶ浦地区里海里山推進協議会)のぼら待ちやぐら復活のお話は、井上さんのお話を裏付けるようでもありました。パネルディスカッションでは穴水町の農家さんと、長年をかけて信頼関係を醸成し、都市と田舎の両棲類というコンセプトで田舎体験旅行を実施している中山誠基さん(田舎時間)に活動を紹介していただきました。
外の方からの視点とアドバイス、またそれに触発された取り組みの紹介に対し、参加者からは具体的な質問も多く出され時間超過の盛会となりました。