2024年5月11日、国連大学ウ・タント国際会議場にて、「能登復興支援シンポジウム ~能登の創造的復興に向けて~」が開催されました。本シンポジウムは、国連大学サステイナビリティ高等研究所、環境省、石川県、公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)、公益財団法人国連大学協力会が共催し、経団連自然保護協議会、2030生物多様性枠組実現日本会議、イオン環境財団、環境研究総合推進費S21の後援を受け、シュプリンガーネイチャーの協力のもとで実施されました。
シンポジウムはチリツィ・マルワラ(国連大学学長)、朝日健太郎(環境省・環境大臣政務官)、西垣淳子(石川県副知事)による開会あいさつで始まりました。その後、震災の現状や課題、復旧・復興に向けた取り組みを共有すべくの泉谷満寿裕(珠洲市長)や佐藤仁(南三陸町長)にご登壇いただきました。泉谷市長からは能登の里山里海の資源を活かした創造的復興やSDGsの視点を組み込んだ、これからのまちづくり、次世代の人材育成など、今後の復興に向けたビジョンを共有いただきました。佐藤町長からは、2011年の東日本大震災後に国際認証を活かして林業や漁業を持続可能な産業として復興させた取り組みをご紹介いただきました。
さらに政府の復興支援施策については、細川真宏(環境省・大臣官房地域政策課長)、石川拓哉(環境省・自然環境局自然環境計画課調整官)、川島秀樹(農林水産省・大臣官房地方課災害総合対策室長)、後藤勝(文部科学省・文教施設企画・防災部施設防災担当参事官)が登壇し、それぞれの施策を紹介しました。
またDavid Cooper(生物多様性条約事務局長代理) から、レジリエントで持続可能な地域を再建する能登の復興の取り組みは国際社会の課題解決にも貢献する、とのビデオメッセージをいただきました。
後半のパネルディスカッションでは「能登らしさを大切にした創造的復興」をテーマに武内和彦( IGES理事長)がモデレーターを務めました。パネリストには小山明子( UNU-IAS OUIK研究員)、大野長一郎(ノトハハソ代表)、桐本順子(輪島キリモト副代表)、多田健太郎(多田屋代表取締役社長)、木村聡(能登高校魅力化プロジェクトコーディネーター)、廣澤聖菜(七尾高校)、久村純夏(七尾高校)、そして木戸信裕(石川県漁業協同組合ななか支所運営委員)(ビデオメッセージ)が参加しました。それぞれの立場での経験、震災後の状況、これからの復興に向けた活動をご紹介いただきました。世代やセクターを超えた分野横断的な協働や地域間の連携がこれからの復興において必要不可欠であることが議論され、能登の未来を担う若者がワクワクする復興プランをまず、一緒に作っていくことが重要であることが確認されました。
最後に渡辺綱男(国連大学OUIK所長)が総括を行い、山口しのぶ(国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)の閉会あいさつでシンポジウムは締めくくられました。
本シンポジウムは、震災からの復興に向けた多様な視点と具体的な行動計画を共有し、地域と国際社会の連携を深める重要な機会となりました。
詳細については以下の動画(シンポジウムの録画)をご視聴ください。