2024年8月21日22日、チリツィ・マルワラ国際連合大学学長が昨年の就任以来、初めて石川県金沢市を訪問し、馳浩石川県知事と村山卓金沢市長を表敬訪問しました。さらに今年度は石川県をフィールドに開催された第40回国連大学グローバルセミナーのオープニングにてレクチャーを行いました。
8月21日に行われた石川県庁表敬訪問では、国連大学OUIKが県や能登半島の自治体、様々な関係機関と進めてきた世界農業遺産の取組みや令和6年能登半島地震からの復興に向けた取組について議論しました。馳知事は「石川県では、能登の里山里海や、白山市のユネスコ世界ジオパークなど、地域の自然や風土を活かした取組を進めてきていたが、1月1日に能登半島地震が発生してしまった。復興に向けて新たな価値観を付加しながら、持続的な発展へとつなげていきたい。ぜひ、持続可能な社会の実現に向けて、一つの研究対象としていただきたい。」と語った。マルワラ学長は「今回初めて石川県を訪問し、能登の取り組みを学んだ。気候変動などの課題に対して持続可能な農業の重要性を強く感じている。そして地域の生物や文化の多様性、景観を活かした持続可能な復興への取り組みに感銘を受けている。今後も復興に向けて貢献していきたい。」と述べた。
県知事を訪問したあと、一同は玉泉院丸庭園にて茶道体験を行った。その後、兼六園を訪れ、OUIKのフアン・パストール・イヴァールス研究員より金沢のユニークな庭園文化と生物文化多様性について解説があった。
翌日の8月22日に行われた金沢市役所表敬訪問では、国連大学OUIKが金沢市と協力して進めている金沢市内の日本庭園やグリーンインフラの研究や、SDGs推進、高校生のトレーニングプログラム(石川金沢から世界を変える、次世代のリーダー育成プログラム 2024)について語った。村山市長は「国連大学の研究や昨年の国連環境計画(UNEP)からのモデル都市としての認定もあり、これまで我々市民が当たり前と思っていた金沢独自の都市自然や文化的景観が見直されてきている」と語った。マルワラ学長は「17あるSDGsの目標、一つ足りないものがあり、それは『文化』だという意見が先日学生から上がった。金沢の美しい街並みや庭園文化を体験して文化の多様性は地域のサステイナビリティにとって非常に重要と感じた」と述べた。