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能登

能登の里山里海の保全と活用

能登の里山里海は2011年に佐渡とならんで、先進国ではじめてFAOにより世界農業遺産に認定されました。国連大学はその認定支援をはじめ、国際発信など様々な形で関わってきました。
現在認定から5年が経過し、認定時に策定されたアクションプランの改訂作業が進んでいます。また同時にこれまでのアクションプランの進捗状況のモニタリング作業も進んでいます。OUIKでは石川県と推進協議会を構成する9市町自治体の皆様と協力しながら、これらの作業に深く関わるとともに、能登の里山里海の保全・活用のあり方、多様な関係者が関われるプラットフォーム型の資源管理体制 などの面からアドバイスしています。
特に、公共性が高く、市場メカニズムが働きにくい生物多様性のモニタリングに関しては、石川県や自治体、金沢大学里山里海マイスタープログラムと連携し、簡便なモニタリングシステムの開発を目指しています。

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アクションプラン改訂ワークショップを9自治体、石川県、金沢大学とともに実施

能登の里海シリーズ講座

世界農業遺産としての能登の里山里海は、ため池や棚田、塩田、祭りなど様々な構成資産からなり、農業、林業、水産業すべてが対象となっています。能登は里山だけでなく、日本有数の藻場や海女漁など豊かな里海資源にも恵まれているにも関わらず、世界農業遺産の文脈ではこれまで海の中の生態系や生業に特化して議論されることはあまりありませんでした。2015年度から能登の自治体の方々と協力し、各地域の里海資源にスポットをあてて、関係の専門家を県外から迎え、それに呼応する地元の専門家や水産業従事者のお話を聞き、能登の里海の価値を学び発信する「能登の里海」シリーズ講座を開催しています。
2015年3月に里海ムーブメントのキックオフシンポジウムを開催、同年7月には七尾市で藻場が生態系に果たす役割を、8月には穴水町で里海資本主義について、12月には珠洲市で貝について講座を開催しました。これまでの開催詳細は里海シリーズ講座のイベントレポートからご覧いただけます。能登の里海シリーズ講座は今後も定期的に開催してゆきます。

里山と里海のつながり

能登地域では様々な農林水産業が盛んで営まれており 世界農業遺産構成要素として美しい景観を構成しています。この調査ではそのような「能登の里山里海」を生業の面から考え、世界農業遺産としてのコンセプト、重要性そして魅力についてのモデルケースやコアエリアを選定し人間の社会経済活動と里山里海の構成要素との相互関係を考察します。
第一段階として、「能登の里山里海」を代表する典型的なモデルケースを選定するために、里山と里海を生業の場として関わる人の営みに焦点をあて、2015年4月から家計から見る「里山と里海のつながり」について調査しています。 特に能登の里山里海で暮らす人々の「生業」に注目し、一つの家計が多様な生業の営みによって地域資源を巧みに利用しながら保全する、里山と里海を動的に繋げる人間の社会経済活動について調査します。

News新着情報

井戸水・湧き水の利用に関する調査スタート 

令和6年1月1日に発生した能登半島地震により甚大な被害が広域で発生し、地滑りなどにより道路が寸断され多数の集落が孤立してしまいました。そして、水道や電気など、生活に欠かせないライフラインの寸断も多くの地域で発生しました。中でも地震による被害が大きかった奥能登の自治体や七尾市などで断水が長期化し、地震 ...Read more

【開催報告】観光とSDGs – 地域の食と食材から考える「持続可能な開発」

旅の主要な目的の一つとなる「食」。 石川県には、海と陸の豊かな自然が育む食材があります。そして、加賀地方には江戸時代に武家と庶民のそれぞれから発展した、また、能登地方にも厳しい自然と豊かな祭り文化の下で培われてきた、それぞれ独自の「食文化」があります。そのような「食」を楽しみに国内外から石川県を訪 ...Read more

バイオームイベント in 七尾(ななおSDGsスイッチ!)

2022年10月1日に七尾市内でスマホアプリ「バイオーム」を使った生きもの調査が「ななおSDGsスイッチ!」の主催で、北陸電力(株)、(株)バイオーム、能登GIAHS推進協議会、七尾市たかしな地区活性化協議会が共催する形で、実施されました。 国連大学も能登GIAHS推進協議会の活動を支援しており、 ...Read more

【開催報告】里山川海のつながりを考える勉強会・アカテガ二の産卵観察会   

2022年8月28日に、「のと海洋ふれあいセンター」に協力頂き、能登の里山と里海、そしてそれをつなぐ川や沿岸域の役割などについて学び考える「勉強会」と、里山と里海をつなぐ代表的な生き物であるアカテガ二の産卵の「観察会」を開催しました。  里山川海のつながりやアカテガ二に関心がある地域の研究者や教育 ...Read more

生きもの調査 in 能登島

2022年5月24日、能登島小学校5年生の皆さんと、長崎町の岩礁海岸にて里海の生物多様性について知ってもらうための生きもの調査を行いました。国連大学も活動を支援している能登GIAHS生物多様性ワーキンググループと七尾市で企画・準備を進め、ワーキンググループの専門家メンバーである坂井恵一さん(金沢大学 ...Read more

e-ラーニング教材「2021年度 地域の食・文化からつながる海外交流!」

小山研究員が中心となって制作を進めてきたe-ラーニング教材「2021年度 地域の食・文化からつながる海外交流!」(前半・後半)が北陸ESDコンソーシアムのYouTubeチャンネルで3月10日に公開されました。 国連大学OUIKがこれまで能登で取り組んできた世界農業遺産(GIAHS)に関する教育の取 ...Read more

NOTOFUEメンバー里海勉強会

3月10日に、のと海洋ふれあいセンターにて石川県内で活躍されている料理人6名を中心とした団体NOTOFUEのメンバーの里海に関する勉強会が開催され、国連大学OUIKも開催に向けてコーディネートのサポートをしました。 まず、金沢大学環日本海域環境研究センター研究員の坂井恵一さんから、能登の里海の特徴 ...Read more

2021年度能登xイフガオ小学生交流プログラム(第3回)

国連大学OUIKと能登SDGsラボ、イフガオ国立大学GIAHSセンターが連携して進めている能登とイフガオの世界農業遺産(GIAHS)地域の子ども達の交流ですが、今年度第3回目の小学校の交流が2月22日にオンラインで行われました。今回は地域の踊りや太鼓の紹介をテーマに交流しました。 まず、正院小学校 ...Read more

第三回 能登GIAHS生物多様性ワーキンググループが開催されました

今年度5月に能登地域の自治体が組織する「能登地域GIAHS推進協議会」の中に立ち上がった「能登GIAHS生物多様性ワーキンググループ」の第三回目の会合が3月4日に開催され、国連大学メンバーが準備・運営を支援しました。残念ながら今回もオンラインでの開催となりましたが、専門家メンバーや自治体担当者21名 ...Read more

韓国/日本の世界農業遺産(GIAHS)地域の「GIAHSモニタリングワークショップ」開催

UNU-IAS OUIKとRDAは、2018年より「農業遺産システムにおける特性分析と保全管理に関する手法開発」共同研究プロジェクトを実施し、韓国と日本の経験に基づき世界農業遺産(GIAHS)モニタリングのための指標とガイドライン開発のための研究を進めてきました。その一環として、UNU-IAS OU ...Read more

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